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【白蛇伝】昔のアニメ映画総合【海の神兵】
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名無しさん@お腹いっぱい。垢版2007/02/12(月) 08:05:27ID:zz6YHu86
日本アニメ映画板の開設にあたり、アニメ黎明期を支えて来た映画作品のスレが
見当たらない為、問題提起も兼ねて立てました。

需要は無いかも知れませんが、このスレに情報やデータ等が集まり
それを見た若い方々が興味を持ち、作品を知る機会になれば・・・
そうなる事を願います。
0002名無しさん@お腹いっぱい。垢版2007/02/12(月) 11:46:30ID:7VwZR8g9
2ゲ
0006名無しさん@お腹いっぱい。垢版2007/02/14(水) 08:10:30ID:PtlyxQ5y
白蛇伝も海の神兵も>>1にとっちゃいっしょくたかよ
じゃあ白蛇伝とホルスもいっしょくた
ホルスとカリ城だっていっしょくたになっちまう
0010名無しさん@お腹いっぱい。垢版2007/02/17(土) 01:18:06ID:NVnE0kcZ
あいうえおー
かきくけこー
0011見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/03/05(月) 09:53:33ID:LtcrvoYI
★スレッドを立てたい方へ
スレッド作成用フロー
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/dataroom/1104683767/17

自分で面白いと思ってスレを立てたのに、叩かれたら悲しいので
これぐらいは読んでおきましょう。

■スレ立て鉄の掟■
・削除対象になるスレを立てない
http://www.2ch.net/guide/adv.html
・スレッドタイトルは省略や 空 白 で の 強 調 などせず正しく書く
・わからないことは相談する

☆よい子のマナー☆
・主観や主張でスレを立てたりしない
・重複を防ぐためスレ立て宣言する
・スレタイに半角かなや特殊文字や > < & " # などを使わない
・話題を限定したり細分化しない
・ネタを他人に頼らない
・>1は簡潔に  コピペして次スレにも使えれば良し
・過去ログや関連リンクを自分で探す
・>1に随時変更される内容がある場合はコピペする場合要注意
・スレ立てが完了したら報告する
0012見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/03/30(金) 19:27:37ID:2UxXYyCJ
海の神兵ねぇ・・・
森康二のようなメルヘンな前半と
グチョグチョな鬼(アメリカ人)が出てくる後半の落差に
ボー然とした。20年前の文芸坐ル・ピリエ・・・
暴力描写も凄すぎで半世紀経っても日本人は変わってないのかもしれん。
特集の座談会を組んだ「フィルム1/24」で
高畑勲が現役東大生(当時)の歴史認識に憤っていたのも・・・今は昔。
0013見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/04/04(水) 23:28:44ID:CXWDvNNE
白蛇伝は中国の有名な話ですが
動画になる前にやはり東映で「白(パイ)夫人の妖恋」というタイトルで映画化されてます。
森雅之・李香蘭主演だったと思いますが昔のことで覚えていません。
蛇の精の役で若き日の八千草薫が出てます。とても若いのですがなんか変な顔してます。

アニメ白蛇伝は日本で初めてパンダが登場した映画としても有名で・・・

・・おい!スレッド立てたやつ!!話を継げよ!!
0014見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/04/05(木) 08:54:25ID:lFB4nAf1
そりゃ東宝じゃなかったかな?
ずーっと新しくなって小柳ルミ子主演で「白蛇抄」ってエロい映画もあった。白蛇伝と関係があるのかどうかは知らんが。
0015見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/04/05(木) 09:38:46ID:JB7IC+up
おっと・・確かに東宝でした。
主演も池部良と山口淑子・・・って李香蘭じゃないか!
全シーンセット撮影のヘンな映画。小青が八千草薫。
アニメ版はそのわずか2年後。東宝のヒットを見て大川博が便乗したか。
0017見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/04/05(木) 23:56:53ID:xUarhUI0
なんでパンダだけ名前がパンダなんだ
0018見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/04/30(月) 22:52:09ID:+uTXboVq
80年代のアニメをこのスレで出して良いものかどうか迷うけれども
サンリオの「シリウスの伝説」は良かった。
ロミオとジュリエットのような許されない恋をファンタジーでやったもの。
恋をする主人公たちがとても素直で、力強く、美しい。
何にも知らずにジブリの映画とか見てきて、最近はじめてこれを見たときに腰が抜けた。
0019見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/05/01(火) 10:30:35ID:gm8QERNF
あったあった。これこれ。

ttp://www.youtube.com/watch?v=QceQqiAHR80
0020見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/05/01(火) 18:34:18ID:WWLWjlWO
・・・
0021見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/05/02(水) 22:26:34ID:E42ih0jk
アニメが無料で見れるサイトがあったよー♪
YouTubeみたいに動画も投稿できるから
アニメファンの人には面白いかもね・・・。
http://ex21.2ch.net/test/read.cgi/ad/1177839968/1

海外のアニメもあるから必見だよー ♪〜(^O^)/

36
0023見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/05/05(土) 19:56:28ID:+fLuuVSR
>>18
いきなしサンリオかよ。
「チリンの鈴」とか「ユニコ」とかあったなぁ・・・。
日本でも海外でも評価されなかった作品群。合掌。
0025見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/05/31(木) 05:44:05ID:7IilZ2yH
海の神兵見て涙が出ました。あれほど時代の制約条件の中で、
叙情性を描くことを忘れなかったことに。この作品を作った
アニメータたちは偉大です。そりゃあアメリカではファンタジア
とかを作っていたかもしれませんが。宮崎ならぜんぜんだめだ
とかいってあざけるのかもしれませんが。
0026見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/05/31(木) 20:45:21ID:P7o5syN+
宮崎の評価は「どうせ全然ダメだろと思って見に行ったら意外に良くてびっくり」とか
そんなんじゃなかったか
手塚はいたく感動してこれで自分でもアニメ作ると心に決めたようだが
0027見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/08/27(月) 22:26:26ID:AAth3VnW
戦後のアニメじゃしばらく作れなかった贅沢な作りだったな
飛行機が着陸するシーンじゃ、バウンドの仕方や、フラップが
上がるところ。
川に飛び込むシーンじゃ、ロープの張力で振られる動きなど
こだわりがすごい。あそこまでマニアックなこだわりを出せたのは
ガンダム以降じゃないか?やはり金に糸目付けずに作れたからか
0028大塚康生垢版2007/11/15(木) 10:06:46ID:2D1qVRjJ
 「あのくらい、ぼくでも出来る」といった手塚先生の過信が、真摯な生徒
として一から学ぶには遅すぎたともいえましょう。」(2000年2月27日、滋賀
県立近代美術館での講演)

「演技設計やアニメートに無関心では優れたアニメーションになる筈がなか
ったように思います。実際、手塚氏はフルアニメーションの基礎技術をディ
ズニーなどの先達に学んだ形跡がなく、ろくにアニメーターの養成もせずに
漫画的なリミテッドから出発している点も実に不思議です」(『作画汗まみ
れ 増補改訂版』P95「4章 テレビアニメーション時代の幕開け」)
0029見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/12/21(金) 00:03:01ID:2i+2pSsB
昔みたアニメのタイトルを知りたいです。日本製のはずです。

舞台は未来。といってもタイムマシンでどんどん過去に戻っていきます。

その未来の世界では、人類の過去の歴史は封印されています。
過去の歴史を知りたがることも重大なタブーとされています。

そして、歴史に興味を持ったある学生が主人公なのですが、
彼は体制側から危険分子扱いされてしまいます。

そして、過去にしか行けないタイムマシンに乗って過去を確かめようとします。

ちょうど現代にタイムスリップしてきたところで現代人数人を巻き込んでしまい、
そのまま戦時中の日本にタイムスリップしてしまいます。

ちょうど空襲を受けているときだったかな?
軍人だか憲兵だかに見つかって、
「おまえら何をしとるかー」みたいに言われるシーンが記憶にあります。

私が見たのはここまでです。最後まで見てないんで気になるんです。。。

これって何というアニメでしょう??
0031見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2007/12/21(金) 20:31:29ID:s7pVAyVI
どこかでレンタルできますか?

ツタヤで検索したけど無かった。
0032見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2008/03/28(金) 19:05:35ID:mCcApTGh
age
0033見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2008/06/21(土) 08:40:16ID:xNZ9ZZSU
妖怪九尾の狐/殺生石が見たいなあ
68年製作で東映ぼい絵柄の時代ものアニメ映画で
30年以上前にテレビ放映されたの1回か2回見たけと
最後が切なく悲劇的でけっこうトラウマになったよ。
0034見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2008/06/28(土) 11:24:00ID:iSE6wvIq
てすと
0035見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2008/07/24(木) 18:05:39ID:b/TWfA75
>>25
wikiで制作時の苦労を読むと、もっと泣ける
空襲からフィルムを守ったとかスタッフが召集されて減っていったとか
優秀なアニメーターが大勢戦死しただろうね
劇中劇でコインを落とすシーンの描写が鳥肌立った

>>31
古いアニメはゲオの方が揃ってるけどネットレンタルにはないみたい
廉価版DVDが今年の春に出たから買った方が早いかも

>>33
岡本綺堂原作の大映動画みたいだね。どこに頼めばDVD化してくれるんだろう

サンリオ作品はフィルムの傷が残ったままDVD化されてるって話だし
桃太郎 海の新兵は松竹に問い合わせたらDVD化の予定すらないらしい
「VHSは発売してますから(by松竹)」←とっくに品切れで超プレミア価格だろうが!

ほとんどの古いアニメって大事にされていないのが現実なんだよね
東映動画ですら倉庫片付ける時に古いフィルム捨ててるって
関係者っぽい人の書き込みを他スレで読んだよ
0037見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2008/08/16(土) 19:54:19ID:eKktgkgw
うちに「豚平と猿吉」っていう古い16mmフィルム(無声・戦前のもの)があるけど、
こういうのってどっかに寄贈したほうがよいのか?
酸〜っぱい臭いがする…
0039見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2008/08/17(日) 04:36:45ID:lQC+sEE8
>>37
フィルムセンターにはもうあるようだが、複数あっても困ることはないだろう。
ttp://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2004-07-08/kaisetsu.html
0040見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2008/10/18(土) 20:55:36ID:N4278e/j
てんてんてんとむしお天道様の子
おはなをのぞいておはようさん
はっぱにとまってこんにちは
お天道様は高いよ
てんてんてんとむしちっちゃいな
おてんとさまはいっぱいだ
どこにもここにもいっぱいだ
0044見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2009/08/13(木) 10:05:52ID:q33P1j29
フィルムセンターにフィルムを寄贈しようと思って、
HPを見たけど書き込むところがない…
0048見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2010/05/21(金) 20:26:40ID:7ixtUpHf
>>35
歯1期

47 (偏差値)


      / ̄ ̄ ̄\
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   /  (●)  (●)  \.   
   |    (__人__)    |
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   /              \
0049見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2010/06/23(水) 17:07:57ID:/5mRbZuq
0050見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2010/06/23(水) 21:29:39ID:9A0N+7qb
>>35
昔のテープ保管するだけでも巨大な倉庫が必要になる。アニメに限らず古い記録媒体なんて
きちんと保管が始まったのは4半世紀にも満たない。
0051見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2010/06/25(金) 18:17:30ID:HykaP/pJ
>>33

 タイトルが違いますが『九尾の狐と飛丸』なら最近上映したみたいです
ttp://www.neoneoza.com/so_far/so_far_2010.html#romance
観た人のレヴュー
ttp://blog.livedoor.jp/bonbon229/archives/50991116.html
16ミリで収蔵している図書館もあるようなので探して借りてみてもいいかもです
0052見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2010/09/19(日) 23:10:01ID:2zWvYGBo
>>40
youtube で見れた。
名作。台風の描写がすごい。
よく戦時中にこういうもの作れたよな
0053見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2010/09/23(木) 02:51:14ID:WDLZdR+q
宇宙皇子って、観よう観ようと思ってる内に25年過ぎてしまったwww
あれ観る価値ありますか
0056見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2010/11/23(火) 16:38:21ID:7vBofsgZ
海の神兵はDVD化してほしいです。
あれほどの作品を劣化させてしまうのはあまりに惜しい。
海鷲のほうはDVD化されてるからまだましも、買うとなると
アメリカで出てる字幕付きか、「日本アートアニメーション映画選集」で37万8千円…
0060見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2011/09/13(火) 00:19:26.35ID:8GNhgrB8
『桃太郎 海の神兵』『桃太郎の海鷲』の監督だった瀬尾光世氏が 昨年の
8月24日に亡くなられていたとは・・・(享年98歳)
慎んで お悔やみ申し上げます
0062見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2013/05/14(火) 09:45:59.88ID:S7vyc/Aq
おっさんが多い板に立てないと
0063見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2013/06/11(火) 19:39:53.27ID:K5FaWxTq
昔のアニメ映画の名前を探してるんだけど誰か教えてくれ。
内容は「子供の時友達内の1人が死んじゃって、それっきりその時いた友達とは遊ばなくなりバラバラになった。でもそれから数年後その時いた友達全員に招待状が届き、またみんなで集まることになった」って感じのストーリーなんだけど知ってる人いる?

千と千尋の神隠しの上映前CMで告知してた奴なんだけど、その年代のアニメ映画探しても見つからない
0064見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2013/06/13(木) 08:36:31.44ID:3kCyD2b5
解答募集age
0065見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2013/08/03(土) NY:AN:NY.ANID:sylN3nns
どうぶつ宝島のDVDの廉価版が出てたから買ってみたんだけど、
シルバー船長が睡眠薬で眠った後の重複シーン直ってるぽい。

比較確認できてないから、もしかしたら記憶違いかもしれないけど。
0067見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2014/10/24(金) 20:41:52.24ID:g0G1dviF
日本はトコトン最強で無敵w     rγr'' ヽ       / >        ', i
https://www.youtube.com/watch?v=YpBL_G5OK1c
                      └、=-r'   ,/ '゛              r‐γ´ニ-,
                        }t{  / ゛             /,'7`-,'´      __
──-....______      ,r ''Lj`_ヽ ___ ___  ... - - ‐== ━ ・・ ``  ̄
'' ''────----- ... '-'===ュ二エニ´、_,,、-‐''丶、        / / ./●,' /     ィ'7
                  ,,.=''",, >r ''"´       l    _     /: ,' ,/ ,' !       / ,'
              ,,.='",、-''"/_,'   _,,、-‐''"' `', ̄ ̄ < _ / ─/_ ,'  ト──‐ / .,'
            ─= ''"  ,r─ -r ‐、''"´      :::|     〉_二 ̄ ̄    ュ ̄ ̄'〈_,/
                     /   /  ',        _,ノ_,,、 -''" `', ',    ,/
               /  /    /               :  ,,、-''7
                 ,,r'" ̄フ´',    / ,r'───-,-、,,_     _,,-、'"_,,/
                 /  ̄ l´   ',、- ‐''   ゛───'- 、,,`゙r‐、-''゛´  `^、{、 
             /__|   /   ●     ,r─ ,r‐ (_(`= '_      ゝ'
           /   , 'ヽ_ ,/  r、        l( )( )!rュ= - t' ~
            /           ヽ、    _,, ゝX_ソニ ‐''"´
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 Tニニlv'ヽ| _|__   | .|  __|  ./,,____/x'、゙i,;;;;;;;;;;;;;;(();;;;;;;;;;;;;;;;;;;(();;;;;;;;;;(();;;;;;;;;;;)__)ィ^i,
  l―-lコ_ノ|  T    |   .T    l二二li)、l,,,_,,,,,_,,-- ,_,,-- ,,,-- ,_,,-- ,_,,,,,,,,,_,,,,,,,,,;;;)_.)l l(
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0068見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2014/11/14(金) 10:56:50.71ID:EfyTvNik
>>63
何か『あの花』に似ていますな
0069見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2015/09/06(日) 14:47:59.34ID:tKfM1PYY
近くのレンタルに白蛇伝があったので観てみた。
結論から言うとかなり楽しめた。ストーリーは娯楽寄りでキャラの動きが楽しい。
パンダだったかがモグラタタキされてるところが特に好みかな。
まあ欠陥もいろいろある。敵役の和尚のキャラが、いらんお節介ばかりするところが
現代の視点から見るとかなり鬱陶しい。ヒロインが神様にお願いに行くシーンも唐突。その他いろいろ。
まあ重箱の隅だけどな。若き日のパヤオを惚れこませただけのことはある。
さすがに絵柄などは思いっきり古いけど。
0070見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2015/11/30(月) 23:10:06.77ID:yJSMYm6W
さようなら昭和のシンボル鬼太郎(-_-)/~~~
0072見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/06/18(土) 01:14:25.38ID:m1mCCh2r
もしかしたら海外アニメかもしれないけど、
76年か77年頃に昼間にテレビで見た宇宙冒険もの。
主人公の邪魔をする敵にトランプのカードを擬人化したようなのが沢山出てくる。
分かります?
0076見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/09/28(水) 20:51:35.90ID:Mcpk6X0f
東京モーターショー2016で話題になったダイハツ美人
https://t.co/zSARhqVckB

【見逃し注意】スーパーフォーミュラ第6戦のレースクイーン画像50枚!
https://t.co/OvstHqhpKH
0077見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/09/29(木) 05:55:13.27ID:TFWBBDxh
東京モーターショー2016で話題になったダイハツ美人
https://t.co/zSARhqVckB

【見逃し注意】スーパーフォーミュラ第6戦のレースクイーン画像50枚
https://t.co/OvstHqhpKH
0078見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/09/29(木) 12:52:28.88ID:aexPuNir
東京モーターショー2016で話題になったダイハツ美人
https://t.co/zSARhqVckB

【見逃し注意】スーパーフォーミュラ第6戦のレースクイーン画像50枚!
https://t.co/OvstHqhpKH
0079見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/09/30(金) 14:33:52.95ID:BxiCi/kd
Facebook、Amazon、Google、IBM、MicrosoftがAIで歴史的な提携を発表
https://t.co/EdOyEmq7jD
0080見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/10/01(土) 13:55:49.09ID:zPShRlV2
「YAMAHAのコピペ」ってどこまで本当なの? ヤマハ本社に聞いてきた
https://t.co/9tIIVhDYJq
0081見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/10/15(土) 14:22:07.60ID:9GW4nRHo
東映の「わんぱく王子の大蛇退治」をレンタルしてみた。
冒頭のスタッフロールで、原画監督森康二
原画大塚康生、動画大田朱美、小田部洋一(誤字かよ)
演出助手高畑勲といった派手な面子がぞろぞろ。人に歴史ありだな。

ストーリーはスサノオのあちこちでの乱暴・岩戸隠れ・ヤマタノオロチ退治といった
日本神話の有名エピソードが元になっているので、安定といえば安定。
ただアマテラスを岩戸からひっぱりだすシーンに主人公たちが全く関わっていなかったり、
ヤマタノオロチ戦が律儀に一匹ずつ大蛇を倒していって冗長だったりと、突っ込みどころもたくさん。
天才演出助手は仕事してたんすかと尋ねたくなる部分もある。
絵の動き方はとても楽しい。氷の兵隊のアクションがかなり個人的に好み。
海底から月読の国へ下る際の坂道も美しい。

白蛇伝は1年前に見たとき90点の楽しみをえられたが、こっちの大蛇退治は75点。
レンタルで見てまあ損は無いって出来。
0082見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/10/28(金) 02:53:54.05ID:sAyOa2oc
白蛇伝はテレビでやっていたのを見たが、キャラが綺麗で面白かった
でもヒロインの妹は失恋する流れなので、ヒロインよりも妹を好きになった人はつらいね
昔のアニメ映画は恋愛の結末に対して逃げないのが潔くて好きだ
0083見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/11/07(月) 23:18:08.77ID:RPkKVR8X
わんわん忠臣蔵をレンタル。。滅多にないくらいバランスの悪い作品だった。

オープニングでいろんなキャラが右から左へと行進していくさまは
『となりのトトロ』を連想させるが、トトロと違って創意工夫というものがなにもない。
ただ歩いていくだけ。そこから始まって、とにかく序盤から中盤にかけての出来は、退屈のひとこと。

絵柄は漫画映画的で、パヤオに相当よく似てる(というか彼のほうが東映動画の絵柄に影響を受けたんだろうが)。
動きもそれなりにまともに描けている。でもパヤオと違って面白くない(後半までは)。
都会のシーンはそれなりだが、森での動物たちのシーンはルーチンワークだとしか思えない。
顔ありの人間が物語の半分を過ぎてから初めて出てくるのも疑問。
出すならもっと序盤から出せよ。さもなきゃ出すな。世界観にぶれが生じている。

だがラスト20分、雪の討ち入りから追跡劇、ジェットコースター上での決闘シーンは東映動画の面目躍如だった。
アクションシーンがコミカルかつ派手に描かれていて、ここに関する限りほとんど退屈しない。
お約束とはいえ、ジェットコースターがだんだんバラバラになっていく中での殺陣はハラハラさせられる。
この面白さの半分でも、前半20分にまわしてやれよ。

パヤオが『折り返し点』の中で、上映時に子供たちが退屈して、劇場を走り回っていたと述懐してたけど、
このつかみの弱さじゃそれも当然だろう。でもレンタル100円で、中盤まで三倍速で見るつもりなら悪くない作品。
0084見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/11/16(水) 13:19:40.00ID:w796NDnW
最近の地上波では昭和の頃のアニメ映画をほとんど放送しないですね
今と比べて男の子が主役で勇ましい内容が多いからでしょうか?
人が多く死ぬ内容もありますし
絵柄は今の主流のものとは違いますが、内容はとても面白いので放送してほしいです
0085見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/12/01(木) 23:04:52.02ID:77qrpCik
>>84
人が溶けて死んだりとかしているから、今では放送が無理なのかもしれない
昭和時代に見たほとんどの子供達は悪影響を受けていないのにね
0086見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2016/12/12(月) 14:22:55.22ID:tKPpItqm
仮に今、国策で一千億円を投じて2−3時間の超大作劇場用アニメを
作るとしたら、どのようなものが作れるかなぁ。3DCGになるのかなぁ?
0089見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/01/03(火) 05:51:28.22ID:GHpYXmEz
日本のアニメーション史上、歴史的には「白蛇伝」は
「クモとチューリップ」や「桃太郎海の神兵」などと並んで
記銘されねばならない作品だが、そのお話はつまらない。
声優の使い方もしょぼい。そもそもなんで中国の題材の話を、
しかも実写映画が先行して既にあったのにわざわざ作ったのか。
映像ありきの東映動画のその後の姿勢を象徴するような作品だ。
0090見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/01/05(木) 11:31:44.74ID:oA/EF7Rc
仮に名作「クモとチューリップ」を現代の技術の粋でもって完全に
一から絵を描いてリメークをしても、やはりオリジナルには及ばない
かもしれないなと思うが、どうだらうか?
0093見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/05/15(月) 18:05:53.65ID:bDR1nqgE
DVD『ガンバの冒険 劇場版』をレンタルする。
収録作品は、『冒険者たち〜ガンバと七匹のなかま』、および大賀俊二監督作の二本。
後者は悪くはない出来ってだけなので省略。

前者は出崎統監督。
何でこんなにわくわくしながら観れるんだろうと、見終わったあとつくづく思う。
話はかなり穴もあるんだ。敵役のノロイの催眠術とか、イカサマが船に乗り込んだ経緯とか。
(総集編的だから仕方ないんだろうけど)
でも勢いや哀しみや叙情があるから、とにかく90分客の目を画面に釘付けにさせる。

真にパヤオに対抗できたのは高畑を除けば出崎統だけだったと、大昔誰かが言ってたけど、
本当にそうかもしれない。海や船旅に尺を割きすぎな作品だけど、
それも出崎が海のロマンというものに心底惚れ込んでいたからかもしれないと、
そう思わせてくれる。20年ぶりくらいに見たので、ストーリーなんか完全に忘れてたけど、
去年最高に見ごたえあったキンプリや片隅をも上回る満足度だった。
現代にもこういう作品作れる若手が出てこないかなあ。
菱田正和が最高のスタッフを手に入れるか、吉成曜がさらに一皮剥けるか、
今石洋之がパンスト最後みたいな驕りを捨てるかすればあるいは・・・
まあいいや。とても楽しかったです。

あとオーディオコメンタリーは、出崎も相方もかなり朴訥とした喋り方なので、人を選ぶ。
0095見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/05/25(木) 11:38:28.49ID:jfXBuzid
>>89
当時まだ日本のアニメーションは技術も演出法も稚拙で試行錯誤だった。圧倒的な差があった
ディズニーやソ連アニメを参考にしたくても洋風の風俗の資料も少なく、作ってもみずぼらしいパチ物に
なるのがわかっていた。知られていないが当時中国のアニメは日本より技術的にも演出的にも進んでおり、
東洋風アニメを始めて作る参考として最適だった。そのため最初が中国風になった。
ケチをつけるのはいいがそれなら少しは調べてかけよ。
0096見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/05/25(木) 16:55:06.61ID:2igvXq4l
>>94
93だけど違うよ。100円レンタルで駄作を罵るくらいならとっとと忘れるだけだし。
ノルダはともかく、前作の陽なたのアオシグレは十分に楽しめた。電車内を飛行するシーンとか。
0097見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/08/09(水) 22:46:22.86ID:pqCwCDwr
今だと白蛇伝、TUBEで公開されてるね!
しばらく前だけど、面白い映画だったよ

パンダ…が珍しくて注目の存在みたいだけど、
ぼくとしてはむしろレッサーパンダ?らしきミミーの方が驚きw
ぼくの世代じゃ、ジャアントパンダは有名だけどレッサーパンダが有名になったのってずっと後の時代だと思ってたから
0098見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/08/09(水) 22:48:23.88ID:pqCwCDwr
この映画を見て驚いたのは、舞台になる中国の街並みの風景の再現度だね
昔の時代って海外の資料を得るのってむずかしいんじゃないっけ?
かの三国志の横山先生も苦労したらしいけど

どこかで見たことあるようなこの風景……、
あぁ、大好きなジャッキーの映画で見た景色や建物に似てるんだ!と
0099見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/08/09(水) 22:54:41.40ID:pqCwCDwr
それから、このアニメに驚いたのは、悪人がいないこと!だね
主人公と関わる人物は、パイニャンはもちろんシュウセン様に対する好意だし、
僧も妖怪にとりつかれてるから助けなきゃって善意じゃん?
役人だって、悪意なんかあるわきゃない、職務に忠実なだけだ

これがすごく新鮮だった
だいたい、おとぎ話って鬼とか意地悪じいさんとか、悪い奴がこらしめられてめでたしめでたし、
おとぎ話じゃなくて、ヒーローものでも時代劇でも何だってそんなのばっかだ

だから、そう思いこんでた
悪い奴をやっつけてめでたしめでたしwてのはお話としてすごく当たり前

そうでない、悪意をもった奴が一人として登場しないというのは本当に驚きだったよ
昔の時代だからかなぁ

誰も悪人じみたような描写や演出されてないよね
0100見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/08/09(水) 22:59:10.85ID:pqCwCDwr
それでいて、もちろん衝突やドラマはあるんだけど
善意を持った人物しかいなくても、誤解や行き違いから衝突することはもちろんあるよね

だからこそ、それらが解決するクライマックスのあのシーン、僧の叫びのシーンは最高のカタルシスがあった!
あの 今こそ〜 のシーン、本当に燃える名シーンだと思うんだけど、どうでしょ?


それから、原典ではいくつかパターンがあって、本来は悲恋ものなんだって・・・?
すごいね、このゆとり仕様(言葉の誤用
ハッピーエンドじゃんw(未見の方ごめん!

昨今、おとぎ話がゆとり仕様に改変されてるって怒ってるみたいな話題見かけることあるけど、
何のことはない、60年前から既にゆとり仕様です!!!!!
こういう人は実に見聞が浅いなぁと思いました
(この人らがオリジナルだと思ってるものだって昭和なり明治なりに改変されて伝わってるものだしね
0101見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/08/09(水) 23:01:40.65ID:pqCwCDwr
まぁ、本当は今日ここに来たのは、『わんぱく王子の大蛇退治』を見たからなのよ
すごく面白くてw
痛く感銘を受けて、なんかどっか書きなぐりたくてw
それらしいスレ見つけられなかったらここに漂流w

王子の感想もいつか書きたいと思うけど、昔のアニメってすっごかったんだなー!
美術面の力の入れ具合がだんちだわ
0102見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/09/13(水) 01:05:01.85ID:lQm4GAeM
空の神兵に同梱されてた「くもとちゅうりっぷ」を観る。
政岡憲三監督の作品も、商業白黒アニメも初体験。渋谷のツタヤに寄ったら置いてあった。

なるほど、作画の見事さは語り継がれるに足りる。
糸を使った蜘蛛の空中サーカスなどは、現代で同じ動きを描けるスタジオはいくつあるだろうか。
(さすがに同時期のディズニーの名作には一歩を譲るが)

そして悪役の蜘蛛の造形もかなりのものだ。
この部分については、同時期のディズニーを上回ると思う。
蜘蛛がてんとう虫を捕獲するのは予想できたが、まさか他のものにまでその攻撃欲を発揮するとは思わなかった。
嵐のシーンも美しい。非カラーである弱みを逆手に取った、荒々しさと美しさを同時に表現できている。
時間は16分と短いし、たいしたストーリーがあるわけでもないけど、観られて良かった。
ちょっと甘めかもだが90点。
0103見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/09/13(水) 01:05:59.77ID:lQm4GAeM
ついで「桃太郎 海の神兵」を観る。
とにかく思ったのが、テンポと動きがいいと言う点。
テンポの良さは宮崎作品や片隅やキンプラと同等か、それ以上。基本的にとても観やすい。

登場人物は鬼(白人)と桃太郎を除き、すべてサルやゾウやワニなどの動物。
桃太郎のキャラデザはまったく現代風ではないが、
白人たちは無様でコミカルだが現代でもそこそこ通用しそうなキャラデザ。
動物たちはみな可愛らしさや凛々しさを見事に描写できている。

動きのよさは、名作ファンタジアやバンビにかなり肉薄している。
(ディズニーのはカラーで、海の神兵は白黒って違いはあるけど)
作品の設計思想が、ジブリあたりを含めた現代の作品群とはまったく違うんだろうなという印象。
とにかく本当によく動いて楽しい。白黒映画を本気で美しいと思ったのは、これがはじめてかも。

ストーリーは単純。後半で米兵を打ち負かすところは、まあご都合主義のきわみ。
でも国策映画でそれを言っても仕方ないよね。
85分がとても短く感じられた。95点。

ついでに高畑の実写「柳川掘割物語」も渋谷ツタヤで借りる。
諸事情で音量オフで鑑賞したが、画面が大変華やかで美しい(部分もある)。
高畑だからもっと地味な作品だと思ってた。お見事。
0104見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2017/09/25(月) 19:30:50.08ID:CdctZVKU
今号の芸術新潮が「日本アニメベスト10」なわけだが
映画だけかテレビシリーズだけかに決めて
特集を組んで欲しかったなー
0105見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/03/04(日) 21:58:22.77ID:RSw0y5TN
「地球へ…」を観る。駄作だった。
原作漫画は白黒なので、宇宙空間や超能力戦闘の想像力を程よく高めてくれているが、
アニメで色がつくとダサくなる。でもそれに代わるカラーの美しさは、
エンディングの一枚絵などごく一部を除き、発揮できてない。
また、原作にあった美少年趣味やメカ設定の凡庸さの欠点が、映画だと増幅されてる。
本当に昔はこんな劇場版が名作扱いされてたの? 原作はそりゃ良かったけど。

「少年猿飛佐助」を観る。
作画はよく動いて楽しく、ストーリーはいまいちという東映動画の一典型。
動物たちの挙措動作は、ファンタジアやバンビを日本の林野に移し変えたような見事さ。
ストーリーは、ラスボスと主人公の対決シーンが長すぎない?
(せっかちな現代人の感覚かもだけど)
そりゃアイデアは詰まっているけど。70点。

押井守「立喰師列伝」を観る。
娯楽性ゼロとの評判だったんで怖いもの見たさだったが、案外面白い。
平賀源内のエッセイに、勃たないチンコを(冗談めかして)
やたら文学的に語った作品があったけど、ああいう路線だ。
現代で言うなら筒井康隆の小説のブラックジョークとか。
ただ筒井よりもずっと一般性は低い。あと戦後日本史の知識も少し必要。
鈴木敏夫がネギ抜きのソバを食べた挙句殴り殺されたのは笑った。
カリオストロの城のルパンジャンプにも。
まあ悪い冗談みたいな映画だな。面白がれる超少数派にとっては価値がある。
0109見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/06/11(月) 17:24:03.67ID:Am0HyN8J
【大地震なら、W人工″】 プーチンは知っていた <46分> は、核の起爆時刻、電子制御だから、正確
http://rosie.5ch.net/test/read.cgi/liveplus/1528509829/l50
【気の弱い方、注意″】 2010年 3万人増加△  <累計死者200万人!>  2011年 26万人減少 ▼▼
http://rosie.5ch.net/test/read.cgi/liveplus/1528680727/l50

原発事故警告アニメ、風の谷のナウシカは、公開日が311だった!?
0110見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/06/12(火) 16:06:40.16ID:Agy1RAxY
『空飛ぶゆうれい船』を観る。結構いい加減なストーリー。
作画監督小田部羊一、原画に宮崎夫妻はじめそうそうたる面子が並んでるから
絵は楽しく動けている(シーンもある)。冒頭で主人公が崖を登る際に、
きちんと三点確保が出来ているなど、楽しさだけでなく確実さも欠けてない。
でもどんなに絵に魅力があっても、脚本がお粗末ならどうしようもない。
国防軍の兵器工場に主人公が迷い込むあたりの展開は、客が赤面して下を向いてしまうほど稚拙。
まあ100円レンタルなら見るのもいい作品。迫力の戦車シーンはパヤオ謹製だし(信者視点)。

『安寿と厨子王丸』もレンタルした。俺の素人目には、作画は抜群によいように見える。
(たしか作画汗まみれで、大塚氏がぼこぼこに叩いてた気がする作品なので警戒してたが)
森の火事など炎に関するシーンは、アニメーターに空襲経験者がいたのだろうかと思わせる迫真の出来。
崖っぷちに降る雨や霧、屋敷を襲う暴風雨なども、絵描きがきちんと自然ってものを
直視してないととうてい描けないほどの出来だと思う。
矢が画面奥から手前に飛んでくる戦闘シーンも圧巻。これだけで見る価値がある。
で、シナリオは・・・まあ陰気なのは原作が原作だし仕方ないか。でも憂鬱。

パヤオがエッセイ集出発点のなかで最低呼ばわりしていた『指輪物語』も見る。
なるほど、彼みたいな理想主義者は毛嫌いするだろうなという内容。
底の浅い闇をえんえんと見せられたという印象。深ければまだ見ごたえはあっただろうが。
でも背景美術はなかなか好き。
0112見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/07/11(水) 20:00:18.58ID:tu5ueCKk
「Fantascope -tylostona」を観る。
内容は、天野喜孝の白黒一枚絵の羅列といった感じで、ストーリーが熱を持って成立してない。
墨っぽい絵柄という点では、高畑のかぐや姫を連想させるが、あっちは見事だったんだけどね。
この内容なら、いっそファンタジアみたくストーリーをほぼなくしたほうが良くない?
まあモノトーンの美しさもあまりないけど、天野氏らしくもない非力だ。
監督は天野氏じゃないから、そっちの責任かもしれないけど。

「西遊記」を観る。手塚治虫監督、東映動画作。
おおむね良く出来ている。動きは楽しく、アイデアも盛り込まれている。
牛魔王の部下に西洋妖怪らしきものが混じっていたり、そいつらが宴でトランペットを吹いたり、
牛魔王退治に闘牛っぽく赤布を使ったりするなど、
あえて異国のミスマッチを作品にねじ込むことで、それなりの新鮮味を確かに出せている。
その意味で、東映動画所属の凡百の監督の作品よりはだいぶ見ごたえがある。
手塚氏がアニメ監督としては無能だって説があるけど、別にそれが100%事実だとは思えない。

だが、喉に小骨が引っかかるように、細かいところで気になるところも多い。
パヤオも酷評してたらしい、悟空の恋人の扱いの雑さもそうだが、
実際には大して悪事を働いてない金角・銀角・牛魔王の殺し方とか、芭蕉扇の扱い方とかが。
舞台が中国だから、残虐さも大陸っぽくおおらかさの中に溶け込むと考えたのかもしれないが、
そういう広がりなどを作品から感じたわけでもないし、その他色々と。
まあ、難しいことを考えなければ今でも楽しめる作品かも。
それだけでも充分、偉大といえば偉大だ。
0113見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/07/11(水) 20:00:40.69ID:tu5ueCKk
海外アニメをいくつか立て続けに観た。

「とび★うぉーず」は、子供たちが秘薬で人魚に変身して冒険するというお話だが、
冒頭部分の人間時の子供たちがクソガキすぎて、あまり真剣に鑑賞する気になれない。
たとえば「千と千尋の神隠し」では、冒頭部の千尋はぶーたれた愛想無しだが、
子どもに対する愛情が作り手に充分にあるから、それが丁寧な描写を生んで
観客をひきつける展開になってるけど、そういうのがあまりない。
絵はなかなかだけどね

「ペイネ 愛の世界旅行」は、制作スタッフが充分な絵の才能を持ちながら、
結局美しい作品を創り上げることがかなわなかった失敗作。
異文化に対する低次元の無理解を捨てなければ、どんな才能も苦心も徒労に終わる。
画面全体の暗さもかなりひどい。

「ぞうのパパール」は、ほんと子供だましだけどそれなりに楽しい。

「パリ猫ディノの夜」は、絵柄が相当苦手だったが見てよかった。
いずれもう一度観た時に、感想も最終的に固まるだろう。オチの一部には納得いかないけど。
0114見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/07/19(木) 18:27:33.67ID:vuwu/bX0
「MIDNIGHT ETE ゴクウ」を観る。川尻善昭作品はこれが初体験。
原画に竹井正樹、黄瀬和哉、背景に男鹿和雄、山本二三、動画に尾崎和孝など。
ハードボイルドミステリーに近未来SF要素を加えた娯楽作品だが、シンプルさがいい。
ごく当たり前の素材を、丁寧に楽しく調理したというイメージ。
主人公の義眼はチートだが如意棒はほどほどの強さなのが、バランスが取れている。
次の作品も見てみようと思った。

「ヴァン・ヘルシング アニメーテッド」を観る。これも川尻作品。
吸血鬼ものでギャグシーンも突出してないのに、良くも悪くも軽い印象。特に動きが。
絵柄からもっと重厚な雰囲気を予想していたけど、これはこれで楽しい。
なぜか清涼飲料水みたいなさっぱりした印象。見て損はしなかった。

「火の鳥 宇宙編」を観る。原作手塚治虫、監督川尻善昭、脚本高屋敷英夫・金春智子。
原作は未読だが、アニメ単体で見る限り、キャラクターの心情が成立してない。
一行で言えば「組織を離れた個人ってそう簡単に殺戮に走れないし、愚かにもなりきれないよ」だった。
人類の歴史上最悪の殺人鬼って、アンドレイ・チカチーロ(だっけ)とかそのあたりだと思うけど、
彼らでさえ二桁しか殺人を出来てない。それが個人の悪の限界だ。
この作品みたいな殺戮は、言葉の本来の意味での人間性からは逸脱している。失敗作だと思う。

「ハイランダー ディレクターズカット版」を観る。川尻作品。
不老不死の男ふたりの、2000年にわたる戦いを描いている。舞台は近未来の崩壊したニューヨーク。
劇画っぽい絵だが安心・安定して見れる絵とストーリーだが、そのくせ安易さはあまり感じない。
質が安定しすぎている創作物は、たいてい何かよどんだものを感じるけど、この作品は少し違うかも。
ごつい青年だった頃の主人公が、岩みたいな顔を情けなく歪めて泣くシーンがぐっとくる。
北斗の拳みたいなところもあるけど、見る価値はあった。
0115見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/07/19(木) 18:29:28.22ID:vuwu/bX0
「海のトリトン オリジナル劇場版」を観る。

まずトリトンの育ての爺さんの表情が、能面みたいに
動かないところから始まって、絵が現代の劇場版のレベルに達してない。
数十年前の作品(それもテレビ放映版の総集編)を
現代のオタクの肥えた目で判断するのも、残酷なのかもしれないけど。

ドラえもんみたいなコミカルな絵柄のイルカとかと、主人公の真面目系手塚漫画の絵柄と、
迫力を必要とする場面の劇画調の絵柄が、おおむね調和していない。
特に劇画調の絵柄をカラーのアニメで見せる場合、
杉野昭夫くらいの力が必要だってことは、この作品を見ていて良くわかった。
絵以外にも、シナリオもキャラ造形もいろいろとひどい。ラストのオチを除いても。



「こわれかけのオルゴール 劇場版」を観る。

・いじめイベントで、ヒロインの背中に「ポンコツ」と嘲られた紙が張られていたが、
 それをいじめっ子が実行するには、紙とペンとセロテープがなければならない。
 あの状況でどうやってそれを用意したか、脚本家は考えているのか。
・どうせ男湯なんか見せるなら、モブにショタの裸でももっと入れとけ
・タイトルがタイトルなんだから、オルゴール音にノイズでも混ぜれば
・主人公のシャツが、黒地にドクロ柄ってセンスひどすぎない?
・主人公の名前はけいいちろう。監督は川口敬一郎。なんじゃこりゃ。

べつに萌え絵もべたべたな泣きストーリーも嫌いじゃない。
でも、感動するって言うのはこっちの心の防壁を一部分解くってことなんだから、
いい加減な作品相手にそんなことしたくない。
エクストラエピソードは平凡だけど良かった。
0116見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/12/03(月) 16:06:02.06ID:3reJvdOz
チラシの裏。
時間が出来たんで、アニメミライの13本を片っ端からレンタルしてみた。
なぜか該当スレが板にないので、しょうがないから類似スレっぽいここに書く。

アニメミライの本郷みつる「キズナ一撃」を見る。
平たく言えば、13歳の格闘幼女のお話を、クレヨンしんちゃんの絵柄でつづった良作。
アクションシーンは漫画的な誇張が激しいが楽しく描けていて、
その描写の楽しさがギャグにも繋がっている。
完全オリジナルで、キャラもシリーズものでない分、先の展開が読めないのも好感触。
格闘幼女はしんのすけほど歪んだ骨格ではないので、可愛らしさもなかなか。

ただラスボスの処遇はいまいち。
あと木を植えた男とけいおんとガンダムだかのパロディー要らない。
キャラはじじい以外かなり魅力あるんだから、
パロで費やした2分を、キャラへの手厚い描写にまわしてほしかった。
いろんな絵柄を若手アニメーターに勉強させるために、パロシーンを入れたのかもしれないけど。

なにはともあれ観てかなり満足。85点。



「たんすわらし。」を観る。監督・原案は黄瀬和哉だが期待外れ。
要するに20代後半のおねーさんが、ショタ4匹ロリ2匹と同棲したかったって話かね。
水彩画っぽい絵柄も効果を発揮してない。鍋物のシーンとかは美味しそうだったけど。
55点。
0117見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/12/03(月) 16:06:46.24ID:3reJvdOz
「万能野菜ニンニンマン」を観る。

作画はさすがにそれなりだが、ストーリーは凡庸で穴も多い。
パパの棒読みぶりは、庵野や糸井重里を上回るインパクト
(棒読みはオウム返しばかりする父の象徴だろうけど)

女子小学生に、どろっとした白いソースがぶっかけられた食材をむりやり食べさせる
女子小学生の個室のベッドに、家族以外が偉そうに腰をかける
女子小学生のあごをつんつんし、おさげに頬ずりし、唇を奪いそうになる
女子小学生がトイレから出てくるシーンをわざわざ描く
気絶してぶっ倒れた女子小学生の、スカートの奥の太ももを狙う
気絶してぶっ倒れた女子小学生の、頬を仔犬がぺろぺろ舐める
(気絶から目覚めたあと再度舐められ、嬉しそうに笑う)
女子小学生の小さなベッドで、四人一緒に寝る
女子小学生が妖怪の触手に羽交い絞めされ、唇を狙われる
女子小学生が保健室のベッドでうなされる
トトロのメイのかぼちゃパンツを久々に拝む

・・・そういったシーンに価値を覚えるなら85点。そうでないなら20点以上マイナス。
そのくせ主人公の女子小学生が走るシーンは、パヤオの爪の垢を煎じて飲ませたいほど類型的。
「一般紙」でエロを描きたいのかもしれないけどさあ。
あと海岸の描き方が雑。ああいう港(桟橋?)と砂浜と大規模ホテルが両立し、
しかも海岸沿いに商業施設がほとんど見当たらない市街地ってありうるの?
0118見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/12/03(月) 16:07:58.52ID:3reJvdOz
「BUTA」を観る。
主人公格は、凄腕の浪人ブタと狐少年のふたりだが、後者のキャラが成立してない。
脱獄する際の抜け目なさと、おむすび強奪時に見せた青臭い良心は、ふつうは両立しないはずだ。
(二面性を両立させるには、25分という尺は原則短すぎるだろうし)
そのあたりを無視して物語を進められても、観客は置いてきぼりにされるだけ。
浪人ブタがあそこまでネコを怖がるのも、いくらなんでもご都合主義過ぎだし。
作画や構図は見事なんだから、練り直せば良作になったろうに。50点。

「アルモニ」を観る。
場面の7割が校舎内で描かれ、教室の窓の外は微光に覆われていて景色が映らず、
教室内でのカメラワークは通常より低めの胸〜腰位置に設定されている時も多い。
その辺りが、高校生の世界観の狭さをきちんと表せているようで、好感が持てる。
人物やストーリーには、個人的にあまり興味が持てない(キャラは地に足がついてたけど)。
この作り手たちで、もっと動きのある物語が描けるかは観てみたい。70点。

「おぢいさんのランプ」を観る。
田舎の描写は宮崎や片渕須直を連想したが、
両者があまり描いてこなかった(?)日本家屋の薄暗さが、的確に描けている気がした。
(ランプを題材に選んだのだから、暗闇を上手に描けて当然かもだけど)
作画はテレコムの本領発揮という感じ。女や少女も淑やかさをそなえている。
ストーリーはラストシーン以外は充分予測できるが、ラストはかなり見事。
初回ではこなごなになるが、二回目では消えきらずに残ったところが泣ける。

出来は80点。タイトルの「おぢいさん」がてらっているように感じたので、5点減点。
たまにはこういう文芸作品も良い。
0119見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/12/03(月) 16:09:44.59ID:3reJvdOz
「パロルのみらい島」を観る。
内容は未来少年コナンや、とりわけ宮崎版ホームズを強く連想させる。
人間たちの街は魔女の宅急便っぽい。パヤオがまだ強烈な娯楽性を備えてた頃の作品群に似てる。
楽しく華やかでよく動き、ストーリーもシンプルかつ17分でよくまとまっている。
ケチをつけるところがほとんどない。強いて挙げれば、CGの花火がやや華やかすぎたところか。
ストーリーに新鮮味は薄いのかもしれないが、勢いがあるため気にならない。95点。
まあ短いからボロが出なかった側面もあるかもだけど。
とりあえずキャラデザ作画監督の亀田祥倫と、監督の今井一暁の名前はおぼえた。

「龍」を観る。
冒頭部の、北海道の雪の船上の寒々しさは、とてもよく描けていると思う。
その他は知らない。なんか美少年美青年の武士ばかりで、
人を殺せる凶悪さを備えた外見じゃないよね。
女性客を当て込んでいるならそれで構わないけど、アニメミライの趣旨は違うんでしょ?
江戸時代末期なら写真もそれなりに残っているんだから、参考にくらいすればいいのに。
メインキャラの美形ぶりを活かすためにも、脇役にむさいのが大勢いるべきだと思う。
45点。

「クロノス」を観る。
作り手がなにを観客に提供しようとしてるのか、それさえ見えてこない作品。
現代日本が舞台で、現代青年っぽい黒スーツの美青年たちが、でかい死神の鎌を持って
五ぼう星魔方陣で死者を迎えに来る設定が、そもそもリアリティーを感じにくいんだから、
そこを乗り越えるためにキャラデザひとつとっても練りこむ必要があるはずなんだけど。
点数をつけるレベルに達してない。
0120見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/12/03(月) 16:10:09.00ID:3reJvdOz
「大きい1年生と小さな2年生」を観る。
主人公たちの語彙の豊富さが低学年らしくないとか、空想シーンの混ぜ込み方が
赤面するほど下手だとか、欠点はいろいろあるが、それでも微笑ましく見ていられる作品。
(後者については、赤毛のアン・片隅・アイマスといった有名作でも100パーセントは成功してないし)
ヒロインがトトロのメイっぽい表情をするのが愛らしい。花畑は綺麗だしタコのオチも笑った。
次は原作なしで勝負したものが観たい。75点。

「わすれなぐも」を観る。
冒頭部の火災シーンに怖さがない。初期の東映動画作品には、アニメーターが空襲経験を生かして
迫真の炎上描写が時折見られたけど、ああいうのを参考にすればいいのに。
そこから始まって、山道や廃墟の描写に納得できない部分が多い。
まあロリな女郎蜘蛛をゆるく眺める短編としてはなかなかいい。
ストーリーは、あるべきエンドのフラグを立てきれなかったまま突っ走った感じで、かなり個人的好み。
IGの作品としては、これまで視聴した中で一番好きかな。75点。

「デス・ビリヤード」は90点。「リトルウィッチアカデミア」は95点。
他の人々がネット上で色々良さを指摘してるので、付け加えることは何もない。
でも後者は、敵役の迫力を巨大さに頼っている気がする。テレビ版はまだ観てないけど。

スレ汚しの長文失礼。
0121見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/12/03(月) 16:18:38.42ID:3reJvdOz
「ヴィナス戦記」安彦良和監督を観る。
美術や作画の見事さは突出しているし、メカのデザインは仰々しくて嫌いじゃない。
でも、絵柄やメインキャラの性格に、時代が刻み込まれすぎている。そんな印象。
現代の目で数十年前の作品にあれこれ言っても仕方ない面はあるけど、時代を超えた作品ではないと思う。

「遠い海から来たCoo」を観る。
南国フィジーの美しい自然を描いた美術、善人と悪党がキャラデザ段階でわかりやすい物語、
主人公のショタの可愛らしさを楽しむなら、別に悪い作品じゃない。
作画監督補佐に細田守なんかがいたりするし。それ以上を期待しなければ佳作。
期待してしまえば評価は辛くなる。
0122見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/12/30(日) 16:52:30.54ID:Zd8UgZTz
「エリア88 劇場版」を観る。
原作は読んだことがないが、原作者の新谷かおるの作品は大昔にいくつか読んだ経験がある。
その記憶から類推すると、アニメ版は原作の長所をおそらく生かせていない。
たとえば、おおむね白黒で描写されるマンガ媒体は、戦闘機などのメカの硬質さを
表現するのに適しているわけだが、アニメで色をつけるのは難しい。
この作品もそこを失敗している。
あと、マッハ1だの2だので飛ぶ飛行機の迫力とかも。
ホーム通過の新幹線の突風とかは相当なものだけど、超音速戦闘機なら
それを大きく上回るはずだが、そのあたりをなにも感じない。
その他欠点多し。

白黒のマンガ媒体で美しいシーンを描くのは、
作り手にセンスと創作経験が充分に足りていれば、なんとかなる。
でも、カラー媒体で美麗な画面を生み出すには、作り手が現実世界をどのように捉えているかが
否応もなく重要になるために、作り手の世界観の広さ・深さの問題をも問われることになる。
なぜなら現実世界は白黒じゃなく、カラーだから。
そんなことを視聴中ぼんやり考える。
0123見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2018/12/30(日) 16:53:56.25ID:Zd8UgZTz
「砂の薔薇 雪の黙示録」を観る。青木康直監督、J.C.STAFF作
こちらも新谷かおる原作だが、上のよりもずっと出来がいい。
色彩設計が有能だってのが理由のひとつなのかな。
主役たちの女傭兵部隊の制服が、いい感じのワインレッドだったり、
無機質なビルの中に適度に観葉植物の緑が配置されてたり、
生活感もある爽やかな台所が描写されていたり、
マンガをアニメにする際に要する濃やかな想像力が、見事に働いていると思う。
50分に満たない作品内で娯楽要素も充分に味わえたし、良作といっていい。
傭兵の動作とかに素人っぽさがちらつくが、まあ重箱の隅だろう。



「吸血鬼ハンターD」を観る。川尻善昭監督のではなく、芦田豊雄監督バージョン。
川尻監督のほうは、感想を書くことで自身の評価を
確定させることが惜しくなるほど素晴らしい娯楽作品だったが、
芦田氏のこっちの作品も相当に出来がいい。原作者の菊池秀行は恵まれてるな。
(原作は両方とも未読)

娯楽性は五分五分か、わずかに川尻版に軍配があがる。文学性は川尻版のほうがずっと高い。
ヒロインはどちらも充分に魅力的だが、個人的には芦田版のほうが好み。
まあ両方とも、満足度のハードルは楽に飛び越えている。こういう作品をもっと見たい。
0124見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/02/01(金) 02:26:51.09ID:+tCkl04q
「劇場版アンパンマン ブラックノーズと魔法の歌」を観る。
原作のやなせたかしは、子供向けにもかかわらず「攻めた」テーマを持ってくることも多いが、
この作品ではアダルト・チルドレン問題をとりあげ、優れた娯楽作品にまで昇華させている。
おそらく、子供向けだからこそシンプルな形で事象の本質に切り込めるし、
また切り込まなければ子供たちに失礼だと考えていたのだろう。

やなせを始めとしたスタッフたちの、的確で愛情深い人間理解が心地よいシリーズだ。
(そこまで辿りつけてない作品群も、もちろん多いけど)
この作品においては、それはゲストヒロインのカーナが夜の公園でケンケンをするシーンや
カーナの実家探索のための張り紙をアンパンマンたちが貼り付けるシーンなどに現れている。
カーナ役の中谷美紀の演技も悪くはない。歌唱力はもっと欲しかったが、
生まれて初めて歌を唄った小鳥だという設定を考えれば、プロ声優よりもふさわしいかもしれない。
(主題歌を中谷でなくドリーミングに歌わせたのも正解だろうが)
52分と短いのに中身が詰まっていて、充実した読後感を得られる。

宮崎駿とともにやなせたかしを得られたのは、日本の子供アニメにとって幸福な成り行きだったと思う。
とこしなえの安らぎが氏とともにあらんことを。

脚本は金春智子、音楽はいずみたく・近藤浩章、キャラデザ兼作画監督は前田実、
美術監督は石垣努・小山田有希、色彩設計は原田幸子、撮影監督は白尾仁志、
編集は鶴渕和子・鶴渕允寿、音響は山田知明・鈴木清司・糸川幸良、
演出は山内東生雄、文芸担当は小野田博之、担当プロデューサーは岩崎和義、
監督は矢野博之、原作絵本はやなせたかし。
……良作のスタッフ名を事細かに知ることは、観客にとり本来重要なこととは思えないが、
このシリーズに関しては、出来の見事さに比してスタッフの知名度が
おおむね低すぎる気がするので、ここに記しておく。
0125見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/02/01(金) 02:28:08.25ID:+tCkl04q
「劇場版アンパンマン シャボン玉のプルン」を観る。
やなせたかしの薫陶が行き届いているのか、劇場版アンパンマンシリーズは
安心して楽しく観られる作品が多いが、これもそのひとつ。
ゲストヒロインとクリームパンダが子供のけんかをしている時に、
画面をのんびりと二匹の蝶が横切っていくシーンが、個人的好み。
真剣かつアホらしく微笑ましいけんかに対し、スタッフたち大人が
愛情を持って見守っているのが、その蝶によって観客にもきちんと読み取れる。
千と千尋の神隠しで、しょげきっている千尋の背後に、美しいアジサイや
可憐なサヤエンドウの花が咲き誇っているシーンにも、通じるものがある。

「天使のたまご」押井守を観る。
眠い。一言でいえばそうなる。
作画は相当頑張っているし、豪華なメンツでもあるけど、天野喜孝の原画の魅力を再現しきれてない
(そんなの不可能だから仕方ないけど)
それになんか、小林七郎の美術にも負けている気がする。
メインのストーリー抜きでも、とにかく絵の豪華さでぐいぐい読ませていく作品って、
サテュリコン・プロスペローの本・劇場版ウテナとかいろいろ覚えがあるけど、
その高みには達してなかった。ウテナは小林氏の美術も抜群だったけど、
作画(というか絵?)はそれ以上だったなあ。
かぐや姫の物語みたいな感じでやればよかったのに、とど素人として無責任に思う。

『アンデルセン物語』を観る。一言でいうと、どうでもいい作品。
静止画だとそれなりに映える場面もあるが、いざ動かすとなるとなんか魂が抜けてる。
0126見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/03/01(金) 04:12:16.88ID:A7EHdSvU
大川隆法センセイの『太陽の法』を観る。
期待外れだな。良くも悪くももう少し狂った作品だと思い込んでた。
悪魔や聖人が色々出てくるが、迫力がない。ごく一部を除き、神々しさや禍々しさを感じない。
結局、監督を含めた現場の人間に、力がなかったってことなんだろう。
「こんなインチキ仕事に本気出す気になれねえ!」って意見は、それは至極当然かもだけど、
狂うためには作り手の尋常ならぬ才能が必要なんだと良くわかった。
(全裸の中性的な少年少女の群れが、仏のハンドパワーで美青年・美女美少女に
 成長するところと、動物が疾走するシーンの一部だけはかなり良かった)
ストーリーにも動きがなく、演説ばかり。あらすじだけを語られた気分。
予算が足りなくなったのか、後半は劇場版とは思えないほど止め絵が多い。

「せかいのえほん ムーミン谷へのふしぎな旅」を観る。
主人公の少女スザンナはジト目メガネ美少女で可愛かったし、絵にも魅力があるし、
見て良かったとは思う。前後編で20分しかなく、絵も一枚絵ばかりだけど。
100円レンタルなんだから別に構わない。

「おいら宇宙の炭鉱夫」を観る。
この手のロボットものアニメを見るたびに、「宇宙の魅力」と「異星の魅力」の区別が
このジャンルの作り手にはついていないんじゃないかと言う気が沸いてくる。
俺を含めた(おそらく)多くの一般客は、宇宙空間にも、宇宙船内のメカにも、
船内の人間関係などにも、大して興味を感じてないのだろう。
一木一草生えているわけがない、彗星とか隕石それ自体にもな。あんなのは地上から眺めるものだ。
ナウシカや未来少年コナンが今なお俺の心をひきつけるのは、それが「異星」の物語、
現実のこの地球とは違った姿の星の物語だからだろう。
小松・星・筒井などが活躍してた初期日本SFの魅力とかも。
0127見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/03/01(金) 04:13:32.76ID:A7EHdSvU
「ARIA 〜ARIETTA〜」を観る。31分のOVA。
脚本・絵コンテ・監督は佐藤順一。演出は竹下健一。

ARIAの第一期を今さら観て、なかなか楽しめたのでこれも借りてみたが、やや期待はずれ。
出来は実際悪くはない。相応に丁寧に作られているし、
作品の熱心なファンなら多分合格点をだしていただろう。
でも直前に、佐藤監督のきんぎょ注意報!やプリンセスチュチュに初めて触れて、
その出来の見事さにおおいに唸った人間としては、今作は首をかしげるところが多い。
OVAを劇場作品と同じ眼で観るのはフェアじゃないのかもしれないが・・・

原作は確か、ベネチアみたいな水上都市を爽やかで精緻な絵柄で描く、穏やかな作品だったから、
それを丁寧さ一辺倒でアニメ化したら、薄味すぎることになりかねない。
アニメの第一期はその弊には陥ってなかったと思うが、OVA版はどうもいけない。
ラストで主人公が先輩の腕にそっとすがりつくシーンは、丁寧でありながら
センシュアルな情感を漂わせる良シーンだったが、あのレベルが30分の中であと4箇所は欲しかった。
佐藤監督ならそのくらい高いハードルでもないはずなんだけどな。
せっかく冒頭部の「悪夢」のおかげで、主人公と先輩の距離感が縮まるフラグは立ってるんだから。
0128見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/04/16(火) 18:55:10.57ID:TQxm5JyS
予備知識ゼロで「妖精姫レーン」を観る。大地丙太郎監督(デビュー作らしい)。
似た方向性としては、尾鮭あさみ作品やぶるまー2000が挙げられる。
とにかくやたら勢いがあり、シナリオの細部なんてどうでもいいと観客に思わせてくれるラブコメ作品。
たまたまレンタルビデオ屋の棚から手に取っただけだけど、本当にとても良かったよ。
でもどうも打ち切りエンドみたいだったな。
それと、DVD75分のうち、ラスト15分は監督インタビューだから注意。

「神秘の世界エルハザード2」を観る。岩崎良明監督。
予備知識ゼロで鑑賞したが、作品の軽やかさを下支えできるだけの
センスや地力が伴ってないという印象。それ以前に志がうかがえないけど。

「ラーゼフォン 多元変奏曲」を観る。総監督出渕裕、構成・監督京田知己。
前情報ゼロで観たが、メカ好きなオタクのためのどうでもいい作品という印象。
0129見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/04/16(火) 18:55:53.18ID:TQxm5JyS
「青い文学シリーズ 桜の森の満開の下」を観る。
マッドハウスにしては低レベルな作品。
監督の浅香守生って人が小さくしかクレジットされてない時点で、厭な予感はしてたけど。
久保帯人のキャラデザは生かしているが、アニメ作品の中に
漫画的描写・小説的描写を上手に溶かし込むことに失敗していると思う。
猪の無用にコミカルな描写とか、突然SD化するキャラとかさ。
まあメガネロリが可愛かったからいいや。

「迷宮物語」を観る。りんたろう・川尻善昭・大友克洋各氏の短編が、一本ずつ。
川尻・大友両氏の作品は眠い。技術的・センス的に見るべきところは多いとは思うが、
なんで冴えないおっさんどもの苦悶の表情などを延々と見なければならないのか?
両氏の才覚をもってしても、一観客の俺にこの疑問への答えを与えてはくれない。
りん氏の短編は、物語の狂言回しが可愛らしい童女(絵柄はやや癖がある)と猫なので、
腐り姫や植芝理一ふうの見ごたえがあるエキセントリックな小品に仕上がっている。
りん氏を正直見直した気分だ。やるじゃん。ただし作品自体は短い。
0130見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/10/05(土) 16:06:13.77ID:9bfge1G+
「テイルエンダーズ」を観る。27分のレース物。
企画・監督・脚本・アニメーション制作はピコグラフ名義。
題材にふさわしく、勢いについては十分ある作品で、楽しい時間をすごせた。
脚本だのヒロインの性格造形だのに甘い部分は多々あると思うけど、
それもさほど気にならない。

「ヴァン・ヘルシング アニメ―テッド」を観る。海外作品。本編は33分。
展開が良くも悪くも速い。日本の手書きアニメではあまり見ないカメラワークが目立つ。
洋ゲーや実写洋画の影響がかなり強いのだろうか。
実写とアニメとゲームとCGの間に、映像的な断絶が少ない国の作品だという気がする。
見せ場やオチの作り方も結構実写っぽいので、アニメばかり見てるオタとしては結構新鮮。
ストーリーは単純だが見せ場は結構多い。なかなか満足。

「ブレンダンとケルズの秘密」を観る。アイルランドの作品。78分。
「ソング・オブ・シー」の監督の過去作なら
水準は突破してるだろうとは思っていたが、予想以上だった。
文芸寄りだが、観たあとあれこれと語る気になれない類の傑作。
外国人たちが「かぐや姫の物語」を観たあとは、こんな気分になるのかもしれない。
バイキングの襲撃がらみの展開とか、院長の運命とか、正直アラはあると思うが、
でもそんなミスは小さなものだと感じさせてくれる巨きな力が作品に備わっている。
またロリコン的には妖精がとても可愛らしい。
・・・というか、ソングオブシーより出来が良くね?今度見返してみるか。
0131見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/10/05(土) 16:06:33.97ID:9bfge1G+
「放課後ミッドナイターズ」を観る。95分。
元気突撃派・知性派・ツンお嬢様の三人の幼女が、人体模型やお化けたちと一緒に
夜の小学校で冒険をするみたいなお話。監督は竹清仁、脚本は竹清仁・小森陽一の両氏。

どうやら原作なしのオリジナル作品で、あらすじも手垢まみれで、
しかも監督の名前を失礼ながら初めて聞いたので、たいして期待してなかった。
だが幼女が消化栓にヒップアタックをかますところでピンときて、
その後の冒頭部のホルマリンウサギやいたずら書きシーンで、センスの秀逸さを確信。
シナリオも王道を踏襲しつつそこそこの意外性も盛り込んできてくれて、本当に満足。

複数シーンを同時に進行させる局面で、
シーンのつなぎ方がややぎこちない箇所が複数ある部分と、
電算室あたりの中盤で、ややだれた部分が見受けられた(それは長所でもありうるが)。
それ以外は目に付く欠点は、個人的には見受けられない。
全編3DCG作画で本気で楽しめたのは、ディズニー含めても今回が初めてだった。
カメラワークが基礎と応用を手堅く押さえつつ、華もあった感じだ。
ラストシーンの幼女三人そろってのあれは、お約束なんだろうが心が震えた。90点。
パッケージ絵より実際は人体模型の出番が多かった点には留意。

この作品を見る直前に、Youtubeの公式配信でプリパラ第一期第一クールを見返したときも思ったが、
丁寧に勢いよく描かれた王道というものが、どれほど観客をひきつけ楽しませるか、改めて感じ入った。
同時に偉大なる宮崎監督が、幼児のいたずら好きな側面をほとんど描かなかったことにも
ついつい思いを馳せてしまう。本作は三人ともみんなやんちゃで微笑ましかったから。
0132見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/10/09(水) 21:44:38.08ID:urTPNuP/
東映チャンネルで放送中の劇場長編の4Kレストア版に
誰も言及しないのかね?
0134見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/10/10(木) 03:03:25.07ID:OOyVvZad
え〜、そんな意地悪なレスされると思わなかった…
ネガスキャンして、フレームの1枚1枚からキズやゴミを取り除き、全体の色のグレーディングを施した
現行では最高画質です。今出てるDVDの比じゃないよ
今のところ、白蛇伝、少年猿飛佐助、ホルス、わんぱく王子、4作が放送済み。11月にどうぶつ宝島、12月に長靴をはいた猫、の予定。
発色もエッジのクリアさも、素晴らしいです。
白蛇伝は確かラピュタで上映してましたね。
0135見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/10/10(木) 17:48:02.78ID:1q8We9N7
ttps://www.toeich.jp/special/anime_theater
ここか

以下今後の放送予定
わんぱく王子の大蛇退治 10月19日の1500から
ホルス 10月26日の1500-1630 および11月16日の1500から
白蛇伝 10月22日の2000-2120
どうぶつ宝島 11月2日の1500からと、11月23日の1500から。

および12月に、長靴をはいた猫、わんわん忠臣蔵、どうぶつ宝島が放映予定。
この三つはまだ詳細スケジュールは未定。

どうでもいいが、東映動画のリンク先にはジブリはないんだな。
あと考えたくもないけど、いずれパヤオも亡くなるんだろうから、
その頃にまた放送されるのかな。
0136見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/10/12(土) 01:11:53.26ID:s+5lJff4
ちょっと高めのブルーレイBoxが出るね
0138見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/11/10(日) 23:35:12.43ID:95usVUVo
来年に上映される、キングオブプリズム総集編にそなえて、
「プリティーリズム オールスターセレクション」を観返してみる。48分。
プリリズシリーズの3年間のテレビ放映から、3DCGのダンスシーンを抽出し大胆に編集した総集編。
総監督菱田正和、総合演出依田伸隆、CGディレクター乙部善弘、プリズムショー演出京極尚彦。
プリズムショーCGタツノコプロ、オリジナルCGモーション制作シンソフィア。

世に腕利きのアニメ監督はいろいろいるが、こと「観た俺を幸せにする」という一点において、
菱田正和with乙部・京極・タツノコCG班オールスターズに敵う者は誰一人いないと、個人的に確信している。
宮崎や出崎のような、娯楽特化の巨匠たちを含めても。
観終わって映画館を出た後、脳内麻薬が暴走したのか空気中に光の粒子が
本当にきらきら輝いて見える幻覚を起こしたのは、後にも先にもこの連中の作品だけだ。
今作でも菱田たちのその力量は遺憾なく発揮されている(菱田は時折大コケもする監督だと思うけど)。

尻から蜂蜜だのプリズム妊娠だの無限ハグエターナルだの、頭のネジが吹っ飛んでる要素も多々見受けられるが、
高度な技能と作品愛が根底にあるため、なぜか鑑賞に堪えうるものになってしまっている。
簡単に言えば気が狂ったアイマスだ。やよいがGetWildを熱唱するレベルのイカレポンチぶりが、
美麗なCGと腋を丸出しにしがちな衣装とともに全編を貫いている。
本来は幼女向けの朝アニメのダンスだろうに、こんな高品質でよくやるよほんと。
ストーリーはこの作品には皆無だが、このレベルならダンスシーンだけで金を払える。
0139見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/11/10(日) 23:36:16.65ID:95usVUVo
「クレヨンしんちゃん モーレツ!オトナ帝国の逆襲」を10年ぶりに観返してみる。90分。
監督・脚本原恵一。絵コンテ原恵一・水島努。演出水島努。

私事になるが、2017年1月5日(宮崎駿さんの誕生日)に、
ぶしつけな一観客として宮崎監督に、22世紀についてご意見をうかがったことがある。
「1979年生まれの俺も、1941年生まれのあなたも22世紀までは絶対に生き延びられないが、
そこで遊んでいるジブリ保育園の子供たちには、生きて22世紀を拝める者も数名はいるだろう。
20世紀と21世紀にまたがって子供向けの大きな仕事をいくつも成し遂げたあなたは、
その点について何をどうお考えなのか?」というように。
それに対する氏のご返答は、謙虚さと自負心に支えられたとてつもなく力強い口調だったが、
先日(2019年5月)菱田正和監督「キングオブプリズムSSS第四章」を観て、
クライマックスの決め台詞に22世紀という単語を見つけ、
ようやく未来を見出すための機が、劇場用アニメという大衆芸術において熟し始めたのだろうかと感じた。
その確認の一環として、しんのすけが21世紀の防人を志願したこの作品を再視聴するにいたる。

この傑作を見返していて連想したのが、永井豪の「ススムちゃん大ショック!!(だっけ)」だ。
洗脳されてまともな反応ができなくなった両親に対して、しんのすけはなすすべもなく怯えていた。
小学生や幼稚園児にとって、親(あるいは大人全般)は
本質的には理解不能の他者であり、恐怖の対象なのかもしれない。
同じ2001年に公開された「千と千尋の神隠し」でも、主人公にとってあの両親は不気味な豚ではあった。
0140見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/11/10(日) 23:37:38.58ID:95usVUVo
千尋とオトナ帝国の違いのひとつは、「おじいちゃんおばあちゃん」が主人公のサポートをしてくれるか、だ。
千尋は釜爺、銭婆、あと一応湯婆婆がサポートしてくれてる。オトナ帝国にはそういう人物がいない。
「20世紀/21世紀」という長期に渡る対立軸を持ち出す以上、そのくらいの年長者がいても良かった気はする。
だが夕日町には(その性質上当然とはいえ)、大量のモブキャラの中にさえ子供たちがいない。
角のタバコ屋のばあさんみたいな「老婆・老爺」はいても、「祖父母」が存在しない。
あくまでもこの作品は「オトナ帝国の逆襲」であって「大人帝国の逆襲」ではない。
カタカナでない大人の中には、孫を持った祖父母たちも当然含まれているのだから。
・・・そのあたりの作品構造は、30年後においてこの傑作のウィークポイントになりうるだろうか。
そんなことを考える。
0141見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/11/11(月) 20:16:35.82ID:e1JB8eF6
「なつぞら」の影響で「白蛇伝」が注目されているけど。ハッキリ言ってそんな面白くない
初期の東映長編映画で面白いのは「わんぱく王子の大蛇退治」「太陽の王子 ホルスの大冒険」「長靴をはいた猫」「どうぶつ宝島」だよな
0142見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/11/26(火) 00:31:58.99ID:sBPV50SE
「劇場版かいけつゾロリ ZZのひみつ」を観る。監督藤森雅也、脚本吉田玲子、原作原ゆたか。
このシリーズは完全初見だが、本作は出来が結構いいときのクレしん劇場版くらいのレベルに到達してる。
アクション・ギャグ・(子供向けとしての)ロマンス、叙情などが
なかなか高いレベルで上手に配合されている印象で、見ていてシンプルに楽しい。
もっとも、オトナ帝国やヘンダーランド、また同じテアトル配給のアンパンマンのいくつかの傑作のような、
大人の心を深いところでわしづかみにするプラスアルファは混じってない。良くも悪くも安定しすぎてる。
まあいいや。キャラ設定も知らずに観始めたのにすんなり作品に入り込めたのはGJだ。
またラストシーンで砂浜にダブルゼットが描かれた後のくだりは、かなり意表を突かれた。良作。

「河童の三平」を観る。原作水木しげる。監督は平田敏夫。美術は龍池昇。
内容自体は、公開当時はともかく、今現在見ても仕方がない。
出来の良し悪し以前に、作品が成立するための諸条件を数十年の時の流れが押し流してしまっている。
だが美術には一見の価値があるかもしれない。
草木の美しさを、鄙びたしょぼくれぶりを失わずに描けている部分が、随所にある
(全箇所ではない以上偶然かもしれないし、登山が趣味だから気づけたのかもしれない地味さだが)。
かぐや姫の物語みたいな淡彩というのとも違う、アニメでは自分は初めて見た表現だ。
田舎描写ではジブリのツートップや男鹿和雄さんがあまりに有名だが、彼らとも違う感受性のなせる業かもしれない。
この作品を視聴中にふと、新海誠の背景では日本の過去を描けないかもなあと気づき、長年の疑問がひとつ氷解した。
べつに新海氏も悪くない監督だし、その洞察は彼の卓越した同時代性を裏側から証明しているとも言えるだろうが。

「浮浪雲」「ふしぎ遊戯OVA」「燃える仏像人間」「マジック・ツリーハウス」
「STARDRIVER劇場版」「バトルアスリーテス大運動会OVA」「パタリロ スターダスト計画」
「鉄コン筋クリート」「ねむれ思い子 空のしとねに」
も観たが、語るところなし。
0143見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/11/26(火) 00:35:54.94ID:sBPV50SE
「永遠の法」を観る。製作総指揮大川隆法尊師。監督は今掛勇(カウボーイビバップ)。
音楽は水澤有一(大河ドラマ)。SFXはロードオブザリングだかの有名スタッフたち。

説法が嫌なので音楽はほぼミュートし、BGMにアロマゲドンとかを流しっぱなしで視聴する。
ストーリーは主人公たちが天界と地獄を巡るってだけなので、それで充分理解できる。
だが以前見た「太陽の法」よりは、アニメとしてだいぶ見ごたえがある。
才能ある現場スタッフが充分な努力を重ねたんだろう。
また、冒頭部の主人公の大仰などアップとかは、現場スタッフたちの
「言うまでもないけど、俺たちはここの拝み屋どもの信者ではありませんよ(仕事には手を抜かないけど)」
的なほのめかしを感じたりもして、不信心者の自分としては好感が持てる。
左隣の人物に同意するシーンで「右に同じく」とか言わせてみるひねりかたなどにも。

唐突にどこぞのバイク屋とかを天使として登場させる面の皮の厚さ(機械仕掛けのイブあたりを見習ってほしい)、
恥知らずなほど華やかな天界描写、9分以上ある尊師謹製の挿入歌?など、つっこみどころにも事欠かない。
(考えてみると、天国を真正面から長尺で描写したアニメって、これまで記憶になかったなあ)
地獄編での妙に恰幅のいい伍長どのも楽しい(これ絶対ベジタリアンじゃないだろ)。
ニーチェの扱いはもっと史実に基づいたものにしてほしかったが。
「神は死んだ」の例の喝破にせよ、実際はその前後のフレーズあってのものだし。
0144見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/12/03(火) 16:15:01.14ID:P0B/qQWF
>>137
白蛇伝の制作資料、12月7日から東映太秦映画村の文化館で展示されるよ。
先日、京都文化博物館の京都ヒストリカ映画祭で一部が展示されてた。
0145見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/12/19(木) 16:49:13.25ID:Ypp3O32a
「イワンと仔馬」を観る。57分。ジブリライブラリー。
作画については、たぶん黄金期ディズニーの影響を濃厚に受けつつ、自分なりに消化している印象。
本家を上回っている部分が多々あるところは、かつての東映動画の絵に似ている。
アニメーターが絵を動かすことをとても楽しんでいるという印象だ。
ストーリーは、通常の作劇術に慣れている眼からすると、かなり不思議で魅力的に見える。
ラスト付近での悪役やその他の人々の扱い方には、おおらかな残酷さといったものを感じて新鮮。
全然作風は違うが、江戸川乱歩や橘外男の一部作品を連想した。かなりの問題作かもしれない。
過剰なヒューマニズムに自分がどれほど毒されているか、久々に自覚できた気がする。

「灰色首の野がも」を観る。20分。「イワンと仔馬」と同時収録。
子供向けのシンプルな作品だが、こちらもとてもいい。作画はやはり抜群。
悪役の扱い方を見ていて、自分はヒューマニズムだけでなく
過剰な作劇術にも毒されているなと気づかされた。
終わり方を予想しながら観るのは観客の悪癖だと昔から思っていたし、
意識的にはそこを排除していたけど、無意識的にはそうじゃなかったんだろうな。
ともあれかなり満足。

「ごんぎつね」を観る。
なんじゃこりゃ。挿絵とナレーションのみで構成された、完全な紙芝居だ。
レンタル100円だからいいようなものを。
制作(撮影)の虫プロダクションの不実な仕事ぶりは特筆に価する。
それとも俺が何か勘違いしているのかね。

「TAMARA2010」を観る。91分。監督・脚本・原作t.o.L。
大幅に劣化した湯浅政明みたいな印象。続編も出ているみたいだし、好きな人はいるんだろうな。
小手先でごまかしているように思えて、俺はだめだったけど。

「ウォーターシップダウンのうさぎたち」を観る。海外作品。88分。
作り手であるヨーロッパ文明の住人は不幸だなと、観終わった後つくづく思った。
「もののけ姫」を作れずに、こういう作品を作らざるをえない必然性を抱えているんだろうから。
・・・具体的な内容は、パヤオと比較するくらいだから、良い部分はいろいろとある。
でも不愉快な部分も、特に前半部に多い(見応えはあるけど)。
まあブルドーザーも猟銃も生み出したのは毛唐どもだし、積悪の報いというものなんだろうね。
また娯楽色は序盤ほど薄く、後半はそこそこ濃くはなる。

「スレイヤーズぷれみあむ」を観る。32分の劇場版OVA。
原作神坂一、監督・脚本佐藤順一、演出紅優。原作やテレビアニメ版は未読。
タコ語しか喋られなくなった主人公カップルが、タコ魔人一派から海辺の町を救う、みたいな話。
ギャグ8割シリアス2割で、良い意味で中身が無く、頭を空っぽにして楽しめる。
女主人公が相方に何度もアイラブユーと囁かれて、そのたびに照れていたのがとても可愛らしい。
またストーリー自体は緩いが、作りはかなり丁寧で技巧も充分施されている。
強引な展開もあるが、ギャグ比率が高さでそこもついつい観客が許せてしまう。観てよかった!
0146見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2019/12/19(木) 16:50:50.74ID:Ypp3O32a
「劇場版アンパンマン ロールとローラ うきぐも城のひみつ」を観る。
あえて無粋なジャンル分けをするなら、本作は百合映画ということにもなる。
アンパンマンと同格の力と過去を持ち、善悪二つの心を備えた少女英雄・ロールパンナ、
その妹の可憐なレギュラーキャラ・メロンパンナ、
そして今回のゲストヒロインのボーイッシュな姫君・ローラ姫。その三者の。
(まあ多面性を備えた作品ではあるけど)

歴然たる子供向け映画にこういう難しいテーマをぶちこんでくるのは、
やなせたかしが自己の技量と子供たちを深く信頼しているからだけではなく、
その長期的な視野に基づくバランス感覚ゆえでもあるのだろう。
主役のアンパンマン、敵役のバイキンマン、キーパーソンのゲストキャラという三者だけで
映画の骨子を作りつづけていたら、5年単位で測れば重大なマンネリに陥り、
やなせは作家として死に瀕しかねない。それを避けるためのこの題材でもあろう。
宮崎駿が(トトロを一応例外として)頑として続編を作らなかったマンネリ回避を、
やなせはシリーズ物という別種のステージでなしとげようとしていた。
おふたりとも危ういほどに誠実だな、とつくづく思う。まあだから惚れ込んでるんだけど。

その誠実さゆえなのか、本作の完成度は、シリーズ中の他の傑作群よりはだいぶ低い。
だがその低さが作品の傷にはならず、善悪のはざまで揺れ動くロールパンナには
かえって相応しいのではないかという感嘆の念も、アンパンマンオタの自分は抱いたりする。
もしラストでメロンパンナとローラ姫のどちらかでもあの唄を歌えていなかったら、
ビターエンドになっていた恐れはかなり高い。
ハッピーエンドがなかば宿命づけられているこのシリーズではありえないんだろうけど、
そんなifを空想するのも楽しい。
(まあうきぐも城がまごころ草の群生地である以上、あのエンドも案外ご都合主義じゃないんだが)
そして「ハッピーエンドは物語の死である」という
厄介なドラマツルギーの真実への処方箋も、この物語には暗示されている。
0147見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/01/21(火) 02:30:47.84ID:q0AxUYgp
「劇場版アンパンマン ハピーの大冒険」を観る。これもこのシリーズの良作のひとつ。
51分。原作やなせたかし、脚本米村正二、演出島崎奈々子、監督矢野博之。
ゲストキャラは強さに憧れる(7,8歳くらいの)少年ハピー。適度に視野狭窄なお年頃だ。
このシリーズの劇場版の場合、メイン観客層と同じくらい幼いゲストキャラが、
アンパンマンたちとの絆を得てどんな「成長」を遂げるかが肝のひとつだが、
本作ではアンパンマンがラストバトルの最中に某愛用品を失ったときの、
ハピーの一言「ボクがアンパンマンの○○○になる!」に、それが集約されている。
強さに憧れるその本質は変わらないまま、たしかに一皮剥けたせりふだ。
(序盤のお助けシーンに伏線もある。アンパンマンが顔をあげすぎた後あたりの展開に)
またゲストキャラが少女だった場合、まず出てこない一言でもある。
やなせたかしという作家の力量は、少年のわんぱくさをうかつに捻じ曲げることなしに
善性へと導くことが出来るんだなと、それをとても嬉しく思った。
まあその観点から見ると、ラスボス打倒後の最終シーンは少し甘いと思うけど、
子供向け作品だしそれも作家の判断ではあるのだろう。
拳の強さが必要とされるのは非常時のみっていうのも確かだろうし。


「スケバン刑事」を観る。48分と46分の前後編。
原作・監修和田慎二。総監督・脚本ひろたたけし。絵コンテ三條みなみ。演出中村憲由。
内容は相当優れてはいるが、純然たる娯楽作品なので詳細は語らない。
ただラスボスが、逃げようと思えば簡単に逃げられるシチュエーションにもかかわらず、
あえてああいう道を選んだところは、悪のカリスマ性を強く感じた。観てよかった。


「怪-ayakashi-」を観る。
脚本横手美智子、キャラデザ総作画監督橋本敬史、シリーズディレクター中村健治
絵のセンスや技術はあるのかもしれないが、作品内容は独りよがりだというよくあるパターン。
こういう「奇想の系譜」みたいな絵柄って、アニメにはかなり向いてないんじゃないのかな。
絵柄自体が一般的であるからこそ、作画やストーリーの動きによって
作品に躍動感や魅力が付与されるというか。


「+チック姉さんOVA」を観る。
クレしんカスカベボーイズとかと同じく、水島努監督の「性格の悪さ」が前面に出た作品。
この種の気質が良質のブラックジョークを生み出すことって、Rumbleとか
相当に稀なケースでしかありえないから、やめておいたほうがよかったんじゃないのかね。
作り手が悪意をもって事物を眺めているのは一向に構わないんだが、
その悪意を自分自身に向けていないように見える中途半端さが、好みじゃない。
まあ幕張とかと同じで、好きな人は好きなのかもしらんが。


「新・破裏拳ポリマー」を観る。新房昭之監督。
変身ヒーロー物はチャイルディッシュになりかねない強い傾きがあるジャンルだろうけど、
そこを乗り越えたり活用したりするための諸要素が欠けていると思う。
絵のセンスは良いところも多いとは思うんだけどね。


「海底三万マイル」を観る。
原作石ノ森章太郎。演出田宮武。東映動画。
冒頭部の主人公のサッカーシーンは悪くない。その他の部分は、大人が見ても仕方がない。
子供を上手にだませるレベルには達しているとは思うけど。


「ヒピラくん完全版」を観る。
木村真二監督。原作は木村真二・大友克洋の両氏。
作画は悪くない。ストーリーもそこそこ。
だがたまたま放課後ミッドナイターズを観返した直後の視聴だったので、どうも印象が薄い。
3D作画、キャラデザ、舞台など偶然いろいろとかぶっていたし。
0148見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/01/21(火) 02:31:57.98ID:q0AxUYgp
「ソング・オブ・ザ・シー」を観返してみる。アカデミー賞受賞だかノミネートだか。
アートアニメ寄りだが見応えある作品だし、素晴らしい部分はとてもたくさんある。
だがこの構成は明らかにおかしいと思う。90分ほどの長さなのに、冒険に突入するのが30分以降って・・・。
その原因もはっきりしていて、おもに主人公たちの「いじわる」な祖母を馬鹿丁寧に描きすぎたせいだ。
湯婆婆みたいに意地悪さがキャラの味になる描き方にしたり、赤毛のアンのマリラみたいに、
大人の視点から見た場合に気づける、意地悪っぽさの底に潜んでいる明確なやさしさを描けばよかったのに。
あるいは祖母のキャラをまったく変えないままでも、日本のテレビアニメ的ないくつもの省略技法を使うとか、
作品自体に一切手を入れないまま、祖母の声優だけを
愛らしいハスキーボイスにでもして、好感度の減少を食い止めるとか。
もし監督がそこに気づけてないんなら、Pとかメインスタッフが指摘しろよ。絵コンテ段階で充分わかる穴だろ。
前作でも思ったけど、この監督は生身の女の描写がさほどではないよな。観察力はたぶん充分にあるのに。

馬鹿丁寧な描写にも、時代の底流に作者が応えようとしたそれなりの必然性があることはわかる。
前作「ブレンダンとケルズの秘密」と違い、現代のアイルランドを舞台にしてファンタジー冒険作品を
作るという困難に対処するために、監督さんはファンタジー世界と現実世界でキャラをダブらせる手法を使った。
祖母描写の長尺ぶりも、ひとつはそこを活かすために生じたのだろうけど、
でもこの手法が効果を発揮するのは、基本的にかなりの大長編作品だ。
90分アニメでは使いづらい手法のはずだし
(マイマイ新子などでも使われているが、あちらはさらに一ひねりしてある)
現に祖母以外にも父親描写でも不手際がだいぶ生まれてしまっている。
また、あまりダブってない主人公二人や母の描写がいささか減ってしまう弊害もあった。

まあ細かいいちゃもんをつけなければ、30分以降は素晴らしいと言い切ることも出来る。
また「サポートキャラ」の設定や扱いぶりは、この作り手たちが凡手ではないことをはっきり表している。
夜の海原描写も恐ろしく、かつ美しい。夜間遠泳とかしてみたくなった。前作に恥じない出来ではある。
0149見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/03/05(木) 02:53:29.61ID:OXB2uHC+
「逮捕しちゃうぞOVA」を観る。
キャラデザ総作監中嶋敦子。美術加藤浩。色彩設計石井健一。古橋一浩監督。
原作は未読。主人公の婦警二人がミニパトで都会を駆け巡るという設定上、
都会の背景が上手に描けているかどうかが肝だが、なかなか見事だった。
美術スタッフは都会の背景に嫌悪感を抱いてはいないのだなと、そこに好感が持てる。
(宮崎駿の看過すべからざる特性のひとつが、都会の美に呼応しないその感受性だと思う。
その部分が現代日本、あるいは後期資本主義社会全般のニヒリズムと共鳴したときに
彼の商業的な成功が最終的に約束されてしまったようにも思えるから)
夜の都会の美しさなら、ミステリーやハードボイルド題材のアニメを中心にいいのがいくつもあるが、
昼の都会をそこそこ納得いくレベルで描けているのって、
パトレイバーの一部やさらざんまい、あとごく少数しか知らないし。
主人公たちのかわいらしさも、原作を生かしつつアニメ特有の良さも加味できていると思う。
(原作者の絵は、大昔に女神さまの斜め読みでしか知らないけど)
また彼女たちの変顔を見せるときも、ガラス窓に反射させ、しかも置物の陰で半分隠したりして
観客の無用な不快感を半減させるような配慮があったり、匠の技という感じがする。
ストーリーは・・・悪くないしむしろ結構レベル高くはあるが、個人的にはもう少し地味なのが好き。
というか、派手な素材を派手に料理するときにはどこに留意すべきかという問題か。


「逮捕しちゃうぞ the MOVIE」を観る。88分。
脚本十川誠志、演出守岡博、監督西村純二。そこそこ楽しめたが、OVAの方が出来がいい。
OVA版でも仄見えていた作品構造の弱点が、劇場版であからさまになってしまった印象だ。
たとえば真犯人の設定だ。30分のOVAなら悪役の思想背景まで描く必要はないかもだが、
90分の劇場版では描く必要が出てくる。主人公たちの行動の動機は「仕事だから」ですむけど、
悪役の動機は綿密に設定しないと説得力が生まれない。特に警察物なんかは。
同じ警察物の劇場版パトレイバーなんかは、1も2も悪役を思想犯としてきっちり設定していて、
それが作品の土台の確かさとなっているけど、
当作品のスタッフは押井守たちほどひねくれてなかったんだろう。


「種山ヶ原の夜」を観る。
原作宮沢賢治、脚色・作画・演出男鹿和雄。27分。たしかジブリライブラリー。
一本のアニメとして評価した場合、いまいちだな。
岩手県の田舎を描いた背景や、味のあるおっさんたちを描く筆運びは見事だけど。
題材にふさわしい様式を見出せてないのが不満の一因だと思う。これじゃ紙芝居だ。
ライアーソフトの腐り姫とか、Project-μの忘れな草とか、テレビアニメの蟲師とか、
それ以外にも様式模索の参考になりそうな秀作はいろいろあったんじゃないかな。
この作品の発表時期は知らないけど。


「不思議の国のアリス・イン・パリ」を観る。
51分。海外作品。主人公のブロンド幼女が、スヌーピーみたいな絵柄でかわいらしい。
内容は明らかに子供向けで、しかもパヤオみたいに大人の鑑賞に堪えうるような
才気も感じられないが、妙に肩の力を抜いて見られる作品だ。
相当昔の作品みたいだが、子供向け作品って古びにくいな。
ディズニーやジブリが覇権を握った理由のひとつもそれか。
他の年齢層向けの作品だったら、この程度の中レベルの作品は20年で無残なまでに古びるだろうに。


「ミヨリの森」を観る。
106分。山本二三監督。内容はいまいち。
トトロ、千尋、鬼太郎、カッパの三平などと比べるとわかりやすいが、
二次大戦以降の日本を舞台に広義の妖怪物を描く場合、妖怪のキャラデザにおそらく工夫が要る。
「現実世界には妖怪などいるはずがない」って世界観が支配的になっているのだから、
そのギャップを乗り越えて作品世界に妖怪を登場させるには、
そこを乗り越えるだけの作家性を、キャラデザの工夫でまず示す必要がある。
トトロと仲間たち、湯婆婆たち、片目の印象的な少年である鬼太郎などがそうだ。
カッパの三平は、キャラデザを既存の河童のイメージに頼りすぎていて、
しかもぬりかべや一反木綿とは違い、メジャーすぎる河童というキャラクターを持ち出してしまい、失敗した。
この作品も同じ轍を踏んでしまっている。キャラデザ面に限らず。
0150見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/03/05(木) 02:54:47.12ID:OXB2uHC+
「劇場版アンパンマン 勇気の花がひらくとき」を観る。56分。
監督篠原俊哉、原作やなせたかし、脚本米村正二。今回で4回目の視聴。
「いのちの星のドーリィ」あたりと並んで、アンパンマンマニアのトップクラスの支持を集める作品。
20年以上続くシリーズ中、たぶん唯一の「アンパンマンの淡い恋」を描いている。

一瞬だが黒騎士モードになり、またアンパンマンを本気で火葬にかかる極悪バイキンマン、
またマニアの絶大な支持を集めるロールパンナの活躍、つるつるのハゲが露わになるジャムおじさんなど
マニア受けする部分が数多い。初心者や子供でも楽しめるだろうが、他の劇場版などで
このシリーズの方向性を知ってからのほうが、ずっと真価を味わえる作品だ。
それに鉄の星まわりの展開は完成度が高くない。雛形あきこの演技力も低い。

また初見では気づきにくい伏線も多い。
某イベントの場所が、瓶が割れた場所と一致している点や、
「キララ姫と臣下」「アンパンマンと子供たち」の関係性が呼応している点などは、
俺は二回目でようやく気づいた(だからふたりはお似合いなんだな)。
「愛と勇気だけが友達さ♪」という歌詞のアニメで、
「アンパンマンたちの初恋と勇気、そして友達以上?の関係」を
描こうとしたスタッフたちの心意気には、今回気づいたというていたらくだ。

見所は観客によって異なる作品だが、個人的にはゲストヒロインのキララ姫だ。
アンパンマンによる救済を否定した結果として、
ふたりに勇気が生まれ、恋心が昇華され、エンディングにいたる。
皮肉というか二捻りしてあるというか、力量豊かな制作陣だなとつくづく思う。
(やなせ没後の作品はどうもいまいちだけどさ。やっぱりアニメ制作にはカリスマが必要なのか)
キララ姫がスタースティックを振りかざすシーンが好きだ。星が生まれるとはこういうことかと感嘆する。
なんでスティックのデザインがここまでシンプルなのかは、よくわからないけど。
篠原監督の他作品も見てみたいが、どうも長編アンパンマンはこれだけみたいだ。なぜだ。
ともあれとても好きな作品。虎は死して皮を残す、か。

あととうの昔に過去ログになったけど、一応シリーズ専用スレを紹介。
劇場版 それいけ!アンパンマン
https://kohada.5ch.net/test/read.cgi/animovie/1241636176/
0151見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/05/08(金) 21:02:50.66ID:Fi3fHXZl
「彼女と彼女の猫」を観る。27分。原作新海誠、監督坂本一也、脚本小川成基、
絵コンテ坂本一也・太田里香、演出坂本一也・伊東優一。原作は未読。
世の中にはこの作品を必要としている若者もいるんだろう、と確かにそう思わせる作品ではある。
べつだん不出来でも嫌いでもない。ただ俺は苦手だってだけで。
新海氏について俺にわからない最大の点は「なんで完全オリジナルじゃない、他者に原作を提供したり
他者から依頼されて作ったデモムービーでも、この人がらみの映像は似た味付けになるんだろうか」って点だ。
もしそれが彼固有の何らかの「欠点」や体質によるものではなく、彼の外側の理由によるとしたら、
あまり楽しくない仮説が浮かび上がってくるかもしれない。
彼のエロゲ時代のその手の作品は、BSFやminoriがらみのムービーしか知らないけど。

「こちら葛飾区亀有公園前派出所TheFinal 両津勘吉最後の日」を観る。
47分のTVSP? しぎのあきら監督。内容はローマの休日+そっくりさん入れ替わり+誘拐もの。
内容はおもいっきり緩いが、誘拐発生以降はアクションも多くそれなりに楽しめた。

「夢の世界ノクターナ」を観る。
82分。スペインで権威ありげな賞を取ったらしい。
確かに内容は、子供向けでありながら娯楽性と芸術性を高いレベルで両立させている。
冒頭部での大胆な赤の使い方は、劇場版少女革命ウテナを一瞬連想したが、
あれとやや近い質の満足を得ることが出来た。
長所は数限りなくあるので割愛する。数少ない短所のひとつは、
サポートキャラの猫男を強キャラかつ出ずっぱりにしてしまった点だろう。
そのあたり「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」と比べると、
パヤオの老獪さが歴然とする。

旧作レンタルだった「劇場版幼女戦記」を観る。98分。原作その他は未読。
監督上村泰、絵コンテ七人、演出四人。総作画監督の下に作画監督が14人もいる。多すぎない?
内容は、ケチをつけたいところは無数に存在するが、主人公や敵少女の顔芸や声など
結構楽しめたところもあるのでよしとする。エンディングの一枚絵とかも。
でも絵柄や題材がブラックラグーンとやや似ているのが損だな。つい比較してしまうから。

桜井弘明監督「アキハバラ電脳組 2011年の夏休み」を半年ほど前に借りたら、抜群に楽しめた。
中盤までは勢いを楽しめる作品で、後半あたりからはやや叙情的な切なさが表に出てきて充実している。
視聴前はたかが萌え系とどこかで侮っていたが、自分の浅見を恥じなければいけない充実度だった。
ラスト10分のアクションは個人的にはいまいちだったけど。
レンタル屋を再訪したら廃盤になっていたので、内容の詳細は書けないが、
相当の良作としてここに書き捨てておく。IGの作品で一番好きになれた。
後半の切なさを醸し出す題材として、非常事態宣言っぽい状況でほぼ無人になった東京を
描いてしまった点が、計らずもこの作品に文学的な価値を与えている。
それが偶然の産物でなく、練り上げた脚本や演出の意図通りだとしたら、本当に大したものだ。
0152見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/05/08(金) 21:03:12.85ID:Fi3fHXZl
「エンシェンと魔法のタブレット」を観る。25分。神山監督作品はたぶん初見。
原作神山健治。脚本神山健治・土城温美。絵コンテ・副監督・演出佐野隆史。
本編であるひるね姫は未読で、しかも評判が芳しくなかったらしいが、ともあれ購入。
レンタル落ち200円ってのは残酷だな。作り手たちも相応に心血を注いだだろうに。

欠陥や未熟な部分は、この短さにもかかわらず、挙げていけばきりがない。
シナリオや世界設定には、SFとしても冒険ものとしても疑問点は多数。
作画上の凡ミスも色々ある。キャラ設定や配置にも、オリジナリティーにも、
機械と「魔法」の世界の根底にあるべき思想性にも、身体表現にも、作り手の想像力にも、
さまざまな細部の練りこみ具合にも、モブである大衆の把握にも、文句は山ほどある。

だが、それにもかかわらず、一本の作品(前日譚)としてかろうじて成立している。
理由は主人公の少女エンシェンの魅力だ。
単純に外見(特にバイクを颯爽と乗りこなす場面)と声が可愛らしく、
俺という萌え豚をひきつけたって点もたしかにある。
でもそれ以上に、19分時点で窓を開けてからの描写と言動が、クライマックスにおける
主人公として相応しいものだったからだ。作品の核が見事にできあがっているのだから、
枝葉がいかにボロボロでも、それはそれで問題ない。

なまじ作品としての完成度が低いために、かえってさまざまな物思いにふけって楽しめる。
俺にとってはどうやらそういう作品だ。
人間の清らかさや高貴さが現代で成立するとすればどういう条件のもとでありうるかとか、
道具が人間の本質的な魅力を高めうるという、現代では忘れられかけている側面とか、
優しさから生まれた愚行が、それでもいずれ賢さと偉業へとつながりうる希望とか、
そういった種類のことだ。ともあれ観てよかった。

あとどうでもいいことだが、ラストの「モーゼの海割り」については、
ひるね姫本編が車の自動操縦がらみの作品(らしい)と知らない場合、理解不能になるだろう。
その点は注意すべきかも。





「フェアリーテール 鳳凰の巫女」を観る。85分。藤森雅也監督。原作などは未読。
原作真島ヒロ、脚本十川誠志、絵コンテ藤森雅也・須間雅人、演出根岸宏樹・西本由紀夫。
かいけつゾロリ劇場版が結構良かったので、同じ監督のこれも見たが、どうも期待はずれ。

冒頭1分の奇襲描写からして、まるでなってない(俺は軍オタじゃない)。
敵をこっそり暗殺しようとするやつが、抜き身の剣を振りかざして相手に近づくか?
祭祀場を襲撃する一個小隊の兵が、あんなふうに隊列をまったく組まずてんでばらばらで突撃するか?
夜闇の中の大火がどのように目に映るか、実物なりせめて動画なりをきちんと直視したことがあるのか?
その他ツッコミにもならない常識レベルの疑問が、冒頭から最後まで頻発する。つまり安易。

雑魚が冷凍と発火解凍を繰り返すところ、祭りでのお約束、
舞台劇への乱入からのアクション演出など、創意工夫レベルはあちこちに転がっている。
つまりアニメ制作の職人として、部分部分で相当良い仕事はしている。
だがそれのみでは、作品の根本部分の安易さは消えないし、下手をすれば増幅してしまう。
もともとアニメでの魔法戦闘ものってイージーになりがちだけど、
その側面とかがスタッフたちの有能な職人ぶりと、悪い意味で共鳴してしまった部分がある。
エフェクトにかなり頼りがちだったり、効果的だからってモノクロ描写が三回もあったり。
良い部分はたくさんあるけど、どんなに飾りが素敵でも、
幹や枝葉がしっかりしてなきゃまともなクリスマスツリーは出来上がらない。
0153見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/06/30(火) 18:05:33.04ID:cTn30wxf
「Genius Party」を観る。
7本で合計102分の短編オムニバス。福島敦子、河森正治、
木村真二、福山庸治、二村秀樹、湯浅政明、渡辺信一郎の各氏がそれぞれ作成。
内容は、おおむね言葉余りて心足らずだ。センスや技術は上等だが、一般性に欠ける。
なかむらたかしの寫眞館や、パヤオのパン種とタマゴ姫みたいな、娯楽性と芸術性が
両立した掘り出し物が見つかればなと思って観ていたが、願いはかなえられなかった。

「Genius Party Beyond」を観る。
5本で合計81分の短編オムニバス。
前田真宏、中澤一登、大平晋也、田中達之、森本晃司の各氏がそれぞれ作成。
内容は、真上に記した前作よりは、一般客にとってだいぶ見ごたえがある。
少女がスカートの裾の中に蝶を閉じ込めようと試みるシーンが好み。あからさまだけど。
観ていて彫刻家のロダンだったかの「芸術に独創はいらない。生命が要る」という名言を思い出した。

「妖獣都市」を観る。82分。原作菊池秀行、監督・キャラデザ・作画監督川尻善昭、
美術監督男鹿和雄、脚本長希星、原画や動画に竹井正樹、小池健。
設定丸山正雄。1987年製作。第5回日本アニメ大賞OVA最優秀作品賞。原作は未読。
都会の夜を、ただの夜ではなくきちんと闇として描くには、監督なり美術監督なりに
しっかりした考えが必要だろうが、それが出来ている稀な作品。
ストーリーは多少の変化球を織り交ぜつつシンプルだが、わかりやすさとともに迫力もある。
物語の基礎に人間界と魔界の対立があり、その上に今作品のテーマが重なり、
その丈夫な土台の上にキャラクターの愛憎や復讐や笑いが花開いている。
だから主人公とヒロインのキャラの味付けをさっぱり風味にしても、作品から華が失われはせず、
えぐめのセクシーシーンや魔物も下品にならず、場合によっては気品さえ生み出せている。
娯楽作として相当に見事であり、時代を超えうる作品だろう。
同時にいくつかのシーンには、出来がよすぎるがゆえの危うさも感じたけど。

「魔界都市<新宿>」を観る。78分。原作菊池秀行。監督・キャラデザ川尻善昭。
作画監督恩田尚之。脚本岡村香織。設定丸山正雄。原作は未読。1988年製作。
前作の妖獣都市にくらべ、エログロが減り、より少年漫画っぽくなっている。
またそうでありながら、前作より静の演出も増えている気がして、なかなか只者ではない。
78分をノンストップで手に汗握りつつ、楽しく観ることが出来た。
だが(ネタバレは避けるが)ひとつふたつ拍子抜けな箇所もないではない。
こっちも大いに観る価値はあったけど、俺は前作のほうが好きかな。
あとラスボスの声が次元大介っぽさがかなり強い。最後は慣れたけど。

「劇場版アイカツスターズ」を観る。二本あわせて87分。
どのキャラもまあとても可愛らしい。そして同時に没個性もきわまっている。外見も中身も。
現実の小中学生(や、観客でもある?幼稚園児)に突出した個性なんて
ないに決まっているのだから、そのあたりを忠実に反映したキャラ構築だともいえる。
要するに客を舐めてるがゆえに客に媚びてるってことなんだろうね。
シャボン玉が寄り集まって人化するところとか、
ライブでカメラワークがペア描写しているところは面白かった。

「劇場版アンパンマン ゆうれい船をやっつけろ!!」を観る。56分。
1995年の作品。原作やなせ氏、脚本翁妙子、絵コンテ矢野博之・川越淳・篠原俊哉、監督矢野博之。
冒頭部でアンパンマン一行とバイキンマン一行の海水浴がそれぞれ描かれるが、
昼の砂遊びやゴムボート(年上キャラに引っ張ってもらう)などの平和な遊びは前者、
夜の打ち上げ花火連発(保護者なしでライター使用)などの、大人びた遊びは後者で描かれている点は、
子供たちの遊びの意識について、作り手たちが良く承知していることを象徴している。
そこから始まり、相変わらず最後までレベルは高い。
だが今回は複数箇所に、わずかとはいえ作画の緩みが見られる。
タイミングのコントロールについて、少しだけテンポが悪い箇所あり。
まあそれも重箱の隅か。ロールパンナの悪堕ちシーンは、子供だと怖がるだろうなあ。
0154見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/06/30(火) 18:06:59.47ID:cTn30wxf
「HELLS」を観る。
企画丸山正雄、脚本山川吉樹・ふでやすかずゆき、監督山川吉樹。
117分。マッドハウス。前半40分くらいは、冗談抜きで傑作の雰囲気だったんだけどね。
でもバレーボール大会が駆け足で終わった後の展開が、詰め込みすぎかつ則を外れている。
仲間キャラが入れ替わりすぎたり、カインとアベルの要素が前面に出すぎたり、その他いろいろ。
つまるところ構成ミス。前半は千と千尋の換骨奪胎っぽかったから、そのノリでいけば好みだったのに

「探偵オペラミルキィホームズ サマースペシャル」を観る。今回が初見。
原作やテレビ版は未読。23分。J.C.STAFF。OVA?
脚本ふでやすかずゆき、作監・演出沼田誠也、絵コンテ・監督森脇真琴。
いままで観たすべてのアニメの中で、トップスリーに入るほどテンポがいい。
(ふでやす氏の奇矯な脚本は当たり外れが大きいが、相当に大当たりの部類だと思った)
キャラクター紹介や伏線など、通常の作劇術で必須とされるものをかなり省略して、
かわりに勢いの良さや意表を突く演出で突っ走ったという作品だ。
かなり大勢のキャラが出てくるが、メインの金髪とピンクだけわかれば
作品に没入できる、短編のひとつの模範的な構成になっている。
同じ森脇・ふでやすコンビのプリパラは4クール以上の長編的な構成だが、
そのあたりをここまで使い分けられるあたり、本当に見事なものだ。楽しかった!
(ちなみに直後に勢いで観たテレビ版一期はおおむねいまいち。メインキャラの人間関係が
基本的にシリアスなのに、ストーリーのかなりの部分をギャグ色強めにしてしまったゆえに、
終盤以外の演出やギャグがうわすべりしがちだった。森脇ほどの才能でもこんなミス犯すんだな)

「劇場版プリパラ み〜んなのあこがれ レッツゴープリパリ」を観る。73分。
監督森脇真琴、脚本ふでやすかずゆき、演出佐藤まさふみ・伊藤良太・原英和、
絵コンテ・副監督佐藤まさふみ、CGディレクター乙部善弘、ライブ演出菱田正和・今中菜々。
まあもう20回くらい見ている大好きな劇場版を、あれこれ語っても仕方がない。
あじみ先生のライブは相変わらず笑うしかないし、らぁらはJSのくせして自然にヒーローだなと思う。
パヤオが「もう少年が主人公の作品しか作りません!」とか怒鳴ってた理由がよくわかる。
(その兄弟子たる高畑の遺作が、ふつーに少女主人公で突っ走れたというねじれも含めて。
たとえばなんでアニメ界ってボーイソプラノの名曲がろくにないんだろう?)
あとちゃん子のライブで足元の接地面をあまり写してないのは逃げだと思うよ。
CGでは重量感を現しにくいってことだろうけど、乙部さんたちならなんとかなるんじゃね。
あとなんでファルルの一部に作画崩れがあるんだよ。崩すんならギャグキャラのドロシーとかにしろって話。

「アヴリルと奇妙な世界」を観る。105分。海外作品。
アヌシー国際アニメ映画祭グランプリとのことだが、崩壊する橋をダッシュするシーンは
ポッピンQの感銘に遥かに劣る。東映動画創立60年記念のほうがマシな称号だな。
主人公の少女がいわゆるブスで、かつアクション要素がある程度ある傑作というと
「千と千尋の神隠し」「アリーテ姫」が連想されるが、このふたつにもまったく及んでない。
両者ともブスに設定するだけの強い必然性があったし。
(余談だがこのふたりを高畑勲の最優秀の弟子二人として捉え直すと、ポストジブリという
胡散臭いお題目が実は孕んでいた、かなり大きな希望が仄見えてくる気がする。
そもそもはじめてポストジブリという単語を耳にしたとき、
「それを成し遂げる確率が最も高いのは、宮崎駿当人じゃね?」と思ったし。
鈴木・丸山・真木・西村といった有能なPたちが集まって雑談でもしなければ、
希望が実体化する確率は低いだろうが)
世界観の構築も甘い。たとえば「幼少期の反動か?」という心理学をかじった的な物言いは、
フロイトに大して名声がなさそうなこの世界線のこの時代に、あっていいものなの?
ほか欠点は多数で、そこをくつがえすだけの熱量も感じられない。
ラストに月や火星がああなるオチだけは悪くなかった。画面が小さいけど。
0155見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/08/09(日) 18:40:49.53ID:B08XGzc2
「劇場版アンパンマン つみき城のひみつ」を観る。
原作やなせたかし、脚本岸間伸明、監督永丘昭典。59分55秒。1992年の作品。
欠点も長所も山盛りという、いまのアンパンマン劇場版にはあまりないタイプ。
たとえば少年王子は役柄的に、よほど慎重にシナリオを練らないと
アンパンマンにお株を奪われかねないキャラクターだが、そこへの配慮は見られない。
ドキンちゃんや食パンマンも使いこなせてない。
つみき城国民も、子供向けとは言ってもアホすぎる。
(というかシナリオに安易さが見られる。一時間以内に収めなきゃならない尺の問題かもだが)
だが折鶴が空を飛んだり、折り紙の風車や雲がたなびく姿などはかなりぐっとくる。
城のギミックも好み。架け橋の件もいい。強引だけどな。
子供がぼんやり夢想するような世界を、作品として結実させるって点において、
アニメでは劇場版アンパンマンが随一かもな。原作者が絵本作家だという点も関わりがあるのか。



「おジャ魔女どれみ♯」を観る。26分。テレビアニメ版は大昔に2クール分くらい見た。
キャラデザ作画監督馬越嘉彦、脚本栗山緑、監督五十嵐卓哉。
内容はまあ、一度見る価値はあったけどリピートはいいや。
大友むけじゃなく幼女向けアニメなんだろうから、姉妹の仲違いネタを持ってくるのはかまわない。
子供にとってはいろいろと切実なネタだってのは理解できるし。
でもこの短い尺に陰気なイベントを二つも挟む必要はあるの?
天界の花の扱いもずいぶんと雑だし、無理やり感動っぽいエピソードで終わらすし。
この監督さんって確か、師匠筋に佐藤順一と幾原邦彦がいたよね。あの二人に薫陶を受けてこの程度?
脚本がダメだったとしても、それを突き返したりまともに改変するのも監督の職責だろうし。



「も〜っと!おジャ魔女どれみ カエル石のひみつ」を観る。26分。
キャラデザ作画監督馬越嘉彦、美術監督行信三、脚本栗山緑、監督山内重保。
こちらは小品としてはかなりいい。たぶん企画時点から尺は30分以内と制約されていたんだろうが、
そこをクリアーしたり逆手に取ったりするための職人芸が、シナリオにうかがえる。
「かぐや姫の物語」みたく童謡をストーリー展開(および説明)に組み込んだり、
過去編の謎解きなどをたぶん意図的に放棄し、ストーリーの常道を無視している点がそうだ。
ラストの感動エピソードも、子供という生き物の特性と自然に絡めているように俺には思える。
(声の演技がすこしナニだが)
あとお面を主人公がああいう風に扱うとは予想してなかった。
なるほど長期シリーズの主人公の貫禄は確かにあると感じた。
また、子供たちが初対面の爺さんのひざに簡単に座り込むところや、
宮崎コナンも真っ青の超速ダッシュなども、子供の身体感覚を表せている。なにより観てて楽しい。
あと、美術はジブリ風田舎だがかなりいい。
よかれあしかれジブリは田舎描写においてひとつの基準を作り上げてくれたから、
2001年公開のこの作品のように、それを改良したり批判的検討を加えることで、
美術の風格は増すということなのだろう。
真上の♯と違って、夏が舞台ってことを前面に持ち出せている点も、
作品の確固とした印象につながっている。
また♯の基本フォーマットはアクション(追跡物)だろうが、カエル石のほうは
文芸ものであり、その点も尺の短さと相性がいい。
観てよかった。
0156見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/08/31(月) 21:14:17.12ID:UT5fdgZS
「サイコダイバー 魔性菩薩」を観る。神戸守監督。マッドハウス制作。
原作夢枕獏。絵に力があって見ごたえがある。
たしか上下巻の小説を60分足らずのOVAにしたにしては、破綻もあまりない(と思う)。
幼少時のヒロインが、私立小学生っぽい服装で電車内でぽつんと
腰かけている描写などは、感情移入を誘われてずるいなーと思う。
なかなか満足。



「アジール・セッション」を観る。アオキタクト監督。ピカレスクロマンとして成立してない。
ロックと高層ビルへの落書きしかしてない不良たち相手に、悪の魅力を感じるのは無理だし、
警官たちの非力さもありえない。そのくせ警官を皆殺しにすることも出来ない、中途半端な良識ぶりだし。
主人公のキャラデザもアレだ。重要な器官が集まっている顔面に、
タトゥーをあのように施す彫師はいないし、激痛や後遺症もあるんだけどな。
そのほかキャラの芝居も、炎や霧や夕焼けの描写も、人間把握も、さまざまな点が基準値に達してない。



「映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス」を観る。
71分。脚本山口亮太、監督伊藤尚往。プリキュアシリーズはこれがほぼ初見。2013年の映画。
なかなか出来がいい。
「思い出の品などが古びて忘れられる・捨てられる」ことへの憤りが悪役の行動原理だが、
老若問わず観客の心に響きうるテーマだ。まあふたご姫とかでも見覚えあるけど。
悪役を楽器のクラリネットにしたことも、音楽とストーリーを無理なく融合させる職人芸の一端だろう。
そのあたりは劇場版アンパンマンのカーナを連想する。外見のしょぼさ以外は見事だ。
また愛犬や祖母がらみの伏線の張り方や、一部敵キャラの不気味さは、子供だけでなく
大人をもほどほどにびっくりさせる効果を生み出せている。
愛犬が○○した日は、首輪のリードにほつれがあり、また雨の日で視界が悪かったことにして、
ご都合主義に一定の歯止めをかけている。「神の手」をあえて使うならこういう作品に仕上げてほしいものだ。
まあウェディングドレスの扱いとか、空飛ぶクジラのイメージの陳腐さとか
アラもそれなりに多いけど、充分に楽しめた。
作り手は手を抜いてないし、子供向けジャンルを侮ってもいない。それがよくわかる。



「劇場版機動警察パトレイバー1」を観る。99分。押井守監督。脚本伊藤和典、原作ヘッドギア
原案ゆうきまさみ、作画(作画監督?)黄瀬和哉、演出澤井幸次、録音演出斯波重治、
レイアウト渡部隆・田中精美。1989年だかの作品。視聴は10年ぶり二度目。
近現代を舞台にスケールのでかい物語を描こうとすると、「お偉方の会議シーン」が時として生じる。
風立ちぬの海軍、ブラックラグーンの三菱?重工、夜明け告げるルーのうたとか色々。
どうやったって退屈になりがちなこれらをどうこなしていくかが、監督の地力の見せ所ではあるが、
押井氏の手法もまた達者だ。枝葉の話だけど。

読後感は10年前と変わらない。娯楽性と作家性が、この監督の既読作品中では一番バランスよく楽しめる。
全体的に、きわめて丁寧な描写が多く、しかもそれが娯楽要素を妨げず、逆に後押ししている。
9分50秒前後で、シャッターの閉じるSEと零式のアップを重ねるシーン、
10分10秒前後での、搬入用エレベーターの底部を点滅させるシーン、
51分22秒時点で、後藤隊長から主人公がほんの少しだけ距離を取るシーン、
57分06秒時点の画面のわずかな揺らぎなど、ここまでやれてるのは他の巨匠の傑作でもそうそうない。
そのあたりのアイデアが、演出担当やレイアウト担当の発案ではなく、押井氏の発案だったとしたら、
この作品こそが氏の作家性の最良の発露だと思う。ほかの作品の大半には小賢しさが混じってるし。
「一部観客が小賢しさと受け取るほかないような特質」が混じっていると、そのほうが正確な表現だが。

あと、冴えない男どもが変顔を見せても、ヴイナス戦記みたいには滑っておらず、
逆にオスって生き物のどうしようもないアホらしさへの憐憫なんてものまで、呼び覚ましてくる。
そこまで計算しているんなら本当にたいしたものだ。氏の批評的知性なら計算してるかもしれないけど。
0157見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/08/31(月) 21:19:35.45ID:UT5fdgZS
「タッチ 背番号のないエース」を観る。杉井ギサブロー監督の作品は、真剣に観るのは初めて。
原作の一部の展開がひどくご都合主義らしいことは、うっすら聞き及んだ上での視聴。
で、内容は、繊細かつ粘り強い描写が多い。
後者の要素は、作り手がなにかを信じていなければ作品の表に出てこない性質の気がする。
ボクシング描写や野球描写では、スポーツらしいふつうにスピーディーな描写になっているところを見ると、
他の部分での粘り強さは意図的なものだろうな。
なるほど、この監督さんも巨匠のひとりとして挙げられるだけのことはある。

序盤でテニス部の集中砲火を浴びるところと、中盤で兄弟が小石を川に投げるところのカメラワークが、
怖い作り手だなと思う。ブラックラグーンのネオナチ回で、これとそっくりの演出と、
正反対(?)の演出が一回ずつ見受けられたが、そのとき感じた戦慄と同じだ。
(もののけ姫でもあったかな。パヤオがたぶん、この作品に限って解禁した難描写だ)
軽投擲物と投射武器の違いがあるから、タッチのほうはあっさりめの演出に仕上げてあるけど、それがまた。

まあ、それほどの力量をもってしても、後半部の例の展開は糊塗しきれていない。
いろいろと手を打っていることもわかるんだけどね。
この展開で観客をねじ伏せるんなら、君が望む永遠の体験版方式でいくか、
猫目石のように大怪我覚悟で突っ走るか・・・でもそれはこの原作で、しかも劇場版では許されないだろうしな。
まあいいや。この監督の力量の大きさは垣間見えたし。
あとでも、ヒロインがあまりにお人形さんっぽすぎるかな。原作がそうなのかもしれないけど。



人狼(沖浦啓之)
ももへの手紙(沖浦啓之)
スカイ・クロラ(押井守)
マインド・ゲーム(湯浅政明)
劇場版あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない(長井龍雪)
さよならの朝に約束の花をかざろう(岡田麿里)
ワンピース FILM STRONG WORLD(境宗久)
ペンギン・ハイウェイ(石田祐康)
台風のノルダ(新井陽次郎)
サカサマのパテマ(吉浦康裕)
ガラスの花と壊す世界(石浜真史)
宇宙ショーへようこそ(舛成孝二)
田舎医者(山村浩二)
虹色ほたる(宇田鋼之介)
ブレイブ・ストーリー(千明孝一)
劇場版機動戦艦ナデシコ(佐藤竜雄)
とある飛空士への追憶(宍戸敦)
伏 鉄砲娘の捕物帳(宮地昌幸)
ねらわれた学園(中村亮介)
蛍火の杜へ(大森貴弘)
スチームボーイ(大友克洋)
11人いる!(出崎哲・冨永恒雄)
劇場版花咲くいろは(安藤真裕)
ハル(牧原亮太郎)
マジック・ツリーハウス(錦織博)
ときめきレストラン MIRACLE6(今千秋)
紫式部 源氏物語(杉井ギサブロー)
花とアリス殺人事件(岩井俊二)
金色のガッシュベル 101番目の魔物(志水淳児)
犬夜叉 時代を越える想い(篠原俊哉)
或る旅人の日記(加藤久仁生)
戦場でワルツを(アリ・フォルマン)
老人Z(北久保弘之)
プリキュア ミラクルユニバース(貝澤幸男)
フラグタイム(佐藤卓哉)

は観たが、特に語るところなし。上8つの作品は人によっては評判がいいらしいけど。
0158見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/09/02(水) 12:16:54.83ID:IjFIUJck
キモスレage
0159見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/09/05(土) 20:45:12.56ID:GrVJzHoP
>>156
あなたのレビューをチラ見してやっと観る気になれた
ありがとう
観て良かった
0160見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/09/30(水) 19:55:47.57ID:XvR2AD2W
「魔法少女リリカルなのは theMOVIE1st」を観る。監督草川啓造、原作・脚本都築真紀。
130分。テレビ版などは未読だが、主人公格のふたりのキャラはなんとなく見知っている。
いわゆるオタクたちの間で一世を風靡したシリーズとはどんなものだったのかと思い、視聴。

序盤の出来はいろいろとひどい。
総集編映画なんだろうからシナリオの細部には目をつぶるとしても、
クリーチャーの何も考えてないデザインや、手抜きを派手さでごまかしている空中戦闘は
スタッフたちの能力や意欲を疑ってしまう。時空管理局だの次元干渉だのといったSF用語も
舞台装置とはいえずいぶんと陳腐だし、絵やシナリオに底力がないからまともに受け取る気になれない。

だが中盤の、雨の海上戦闘あたりからすこし違ってきた。
張りぼてに過ぎないけれんみと、物語世界を支えうる真正の力や華やかさと、
作品からようやく漂ってきた誠実さとが、強引に接着されて奇妙に見応えある画面が生まれている。
105分時点で挿入歌が始まったあたりで、やっと作品に没入することが出来た。
挿入歌と同時に呟かれた立ち直りのきっかけの一言が、相方の励ましの言葉のまんまであったことが、
この作品をある意味で象徴しているともいえるけど。

ふたりの子供たちの友情と救済の物語ってのは「普遍的」なテーマかもしれないが、
だからこそそれを商業作品として提出するときに、観客の立ち位置を「具体的」に問われる場合がある。
子供向けの作品ならそこがぶれるケースはあまりないし、オタ向けであっても
アニマスみたいに職業物の体裁をとっていたりすれば、ジャンルの基盤が強固だから問題ない。
でもこの作品の場合は……ということにもなる。
無限の繰り返しはいつだって永遠とは似て非なるものだし、
それゆえに無限に思えたものもいつか必ずすりきれる。観客の心も、ある種のシリーズの真価も。
縮小再生産だの閉じコンだのって単語の本質はそれだろうなと、そんなことをぼんやりと考える。



「劇場版おじゃる丸 満月ロード危機一髪!」を観る。49分。制作ぎゃろっぷ、脚本池田眞美子、
原案犬丸りん、演出六反田等、キャラデザ総作画監督渡辺はじめ、監督・絵コンテ大地丙太郎。
スタッフロールで、監督名のあとに共同制作NHKエンタープライズ、制作・著作NHKと表示された。
アニメでこういう並び順なのって見た覚えないな。NHKの大企業病ぶりの宣伝として効果的だ。

このシリーズは完全未見でキャラを一人も知らず、予告編の類も目を通さなかったが
冒頭でヒョウタンみたいなサラリーマンの、スピンしつつの珍妙な走りで、作り手の技量を見せつけられた。
直後に自転車で水上を走って壊れたのが一輪車二台に分裂し、
追いかけっこが継続されるあたりで、こっちとしては脱帽するほかなかった。
中盤はなんかBGMがラップ調になって、その歌詞とともにストーリーが展開するとか、すげーノリだ。
ウテナでの決闘BGMとか、かぐや姫でのお迎えBGMとか、あれらと同じくらい驚いたかもしれない。
ここだけで観る価値はあったと思う。

ゲストキャラの正体や最後のオチのつけかたは、ほどほどに子供だましだが、
出来れば付き添いの親たちもだましちゃうぞー的な、スタッフのゆるい情熱も
感じないではなかった。そういうのはわりと好みだ。
○○○○○こそが○○の○○だった!?と一瞬思わせてからの「やっぱり違いました」展開は笑った。
相当に楽しめたよ。
0161見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/09/30(水) 19:57:38.62ID:XvR2AD2W
「おじゃる丸スペシャル 銀河がマロを呼んでいる」を観る。54分。
脚本今井雅子、演出宮下新平、絵コンテ・監督大地丙太郎。
大人が視聴する場合、前作?の「満月ロード危機一髪!」には数段劣る。
宮沢賢治とかの下敷きがあるのにこれしきのストーリーって、相当にひどい部類だ。
こういうゆるい雰囲気のシリーズに真剣に怒ったって仕方ないかもだけど、
脚本家って手を抜いてませんか? プロの作劇じゃないだろ。演出も凡だけど。
大地監督は充分に有能な人材のはずなんだから、しっかりスタッフを統率してほしい。
(ひょっとしたら制作中に大トラブルでもあったのかもしれないが)
ラストの機関室へ向かうくだりだけは、それなりに見応えあった。


「映画スイートプリキュア とりもどせ!心がつなぐ奇跡のメロディ」を観る。70分。
監督池田洋子。脚本大野敏哉。2011年。テレビ版とかは未読。
まあ、悪くはない。石化した音楽家の夫妻が、音を奪われているにもかかわらず楽器を
弾き続けるところなんかは、えぐい上に相応の独創性もある。その他良いシーンもいくつかある。
でも全般的に、シリアスな世界の中でのギャグシーンの混ぜ込み方が下手だったり、
ヒロイン同士のいさかいのさせ方や、シナリオの細部の練りこみ方がかなり甘い。
このレベルの作品に高評価を与えてくれるなんて、ファンたちは心優しくありがたい善人なんだな。
俺はプリキュアファンじゃないから、それなりの感想しか抱けないが。
アクションシーンとか、ちんまいオレンジが復活したあとの展開は大味ながら悪くないんだが


「ガンスリンガーガール」OVAを観る。真野玲監督。原作は大昔に少しだけ読んだことあり。
原作は嫌いじゃなかったけど、アニメのほうは路傍の石だな。
ヒロインたちはそこそこかわいいけど、アクションはとろく、他の見せ場もない。
麻枝准が作詞作曲をしたエンディング曲だけは良かった。


「わが青春のアルカディア」を観る。129分。松本アニメをまともに観るのは初めて。
企画・原作・構成は松本零士、脚本尾中洋一、作画監督小松原一男、監督勝間田具治。
1982年公開で、作画監督はナウシカと一緒だが、宮崎駿がもたらした新時代の前では
退場するほかなかった作品だなというのが偽らざる感想だ。
冒頭の飛行シーンからして甘い。自分も多少のアウトドア趣味を持つからわかるが、
空の高さに一個人がまともに向き合ったときに感じるはずの戦慄が、まったく描けてない。
剥き出しのメーヴェに乗ったナウシカの震えおののく魂は、
先日初めてスクリーンで見たあの作品に、あますところなく描かれていたものだが。
絵だけじゃなくシナリオもペケだ。序盤の酒場での乱闘シーンは情けなくてあくびが漏れる。
自由や愛や友情を本気で描ききろうとするなら、それに立ちはだかる悪役の魅力も提示してくれ。
なんで酒場の兵士(それも総司令部のお膝元でしょ?)を三下のゴロツキ同然として描いたんだか。
その他もろもろがあれだ。まあいいや。不必要なものが時代の隅に追いやられるのは、
商業芸術の分野ではおそらく正しいことなのだろう。それだけ。


「ガールズ&パンツァー劇場版」を観る。120分で、見所は25分・48分の、3D中心のふたつの戦車戦。
脚本吉田玲子、キャラデザ総作画監督杉本功、3DCGI監督柳野啓一郎、CGI制作グラフィニカ、
アニメーション制作アクタス、監督水島努。テレビ版は未読だが総集編映画とOVAは既読。
内容は、戦車戦以外の廃校問題とかのパートは並。会議シーンあたりは、短くまとめてるのはいいけど凡庸。
戦車戦パートはアバンギャルドなスナック菓子を頬張っているようで、ゲテモノ食いとしては実に楽しめた。
Gガンダムとか風魔一族の陰謀とか、そういうギャグ7割のアクションものだ。
遊園地を舞台にした冒険は、ピノキオ中盤とかわんわん忠臣蔵とかいろいろあると思うが、
その手の中でも出色の出来といっていい。戦車をトライアルバイクやミズスマシ、
はたまた体操選手のように捉える発想の持ち主が、こういう奇観を生み出したのだろうか。
なるほど、あの激戦区だった2016年に名を挙げただけのことはある。見事だ。


>158 気分を害したなら謝る。精魂込めて作られた作品群が一行でなで斬りとかなんて、実際馬鹿げてるよね。
>159 こんなオナニー連投が多少でも役に立てたんなら嬉しい。
0162見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/10/30(金) 19:04:41.45ID:9f46Y0t3
「太陽の牙ダグラム THE MOVIE」を見る。原案高橋良輔・星山博之、監督高橋良輔。79分。
たぶんテレビ本編の総集編なんだろう。ロボアニメは全然見てないが、
銃火やミサイルの爆発シーンの一部に、この手のアニメで初めて死の不吉さを感じた。
(ファーストガンダムでもすこし感じたかも)
(たとえお話のなかとはいえ、人を殺す業火なんだから、それを感じさせないほうがどうかしてるんだけど)
爆炎のあれこれからして、たぶん意図してかっこよさではなく不吉さを描こうとしているのだろう。
そこに限らず、人間・政治(謀略)・革命・現実といったものを、アニメというせせこましい枠の中で
きちんとストーリーに定着させようと努め、ある程度それに成功している作品だ。
総集編ゆえなのか、ストーリーのつぎはぎ具合はひどいし、敵軍が撤退した理由は強引すぎるけど。
またダグラムの単純な○○を拒んだクライマックスの主人公の叫びと振る舞いは、
きわめて若く未熟であるがゆえに、かえってまっすぐこちらの心を射抜いてきた。
高橋氏の作品にはたぶん初めて触れたが、なるほどアニメ界の重鎮として誉れある出来栄えだろう。
同梱の「チョロQダグラム」はコロコロコミック的な作品。子供なら喜ぶだろうな。

「沈黙の艦隊」を観る。高橋良輔監督。かわぐちかいじの原作は既読かつ結構好き。
ウェラ・ガルフ戦まで一気にやる以上、原作のかなりの改変は仕方ないとは思う。
戦闘シーンは奇をてらわずに緊張感を保って描写できている。見応えある。
でも、政治シーンのトンデモぶりが、今となってはね・・・アニメ版というより原作版からの弱点だけど。
(そしてトンデモというよりは、あえて過激な展開にすることで現実世界の政情を逆照射しようとしたんだろうけど)
マンガならスルーできる過激な展開が、アニメという映像メディアになって声までつくと、直視がやや辛くなる。
たぶん作り手もそれらをある程度察していたから、日本再占領計画という単語を
米国大統領の口から言わせず、レポートのテロップにとどめたりとか、工夫したんだろうけど。
まあいいや。尺や時代状況などの限界の中、充分見るに値するものを作り上げていると思う。

「沈黙の艦隊2」を観る。高橋良輔監督。真上の続編。OVAが二本収録で合計114分。
戦闘パートと政治パートのすりあわせが、前作よりだいぶこなれたように思える。
監督及びスタッフの力量や経験が上がったのか、原作の構成によるものなのか、
それとも俺がこの作品に慣れただけなのかはわからないが。
傑作マンガや小説では、自ら作品を読み進めなきゃいけない読者の集中力は前のめりに高められ、
傑作アニメや映画では、一時停止ボタンを押さずにソファーに
横たわる観客の集中力はおおむね受身な方向で高められるものだが、
原作マンガとアニメでは、そのふたつの集中力をそれぞれ味わえた。稀有な作品だといえる。
高橋監督作品はこのレスに記された三つしか知らないが、氏はアニメ監督では珍しく、
政治というものを真正面から捉えようと努める資質があるらしい。
だから沈黙の艦隊のアニメ監督のオファーも来たのかもしれない。
良い作品を観せていただいて、一観客として深く感謝する。
また北極海の描写は作画を省略していながら迫力とリアリティーがあり、自然というものを
監督や美術監督などメインスタッフたちが十全に把握していることを表している。

「青い文学シリーズ 蜘蛛の糸・地獄変」を観る。
2話合計46分。マッドハウス。キャラデザ久保帯人。いしづかあつこ監督作品はほぼこれが初見。
内容は、あけすけに言えば、監督としての総合的な力量の物足りなさを、
題材やシナリオの味付けの濃さや、イマジネーションの豊かさによって補填した印象だ。
短編としては間違ってない作り方だろうし、不得手な側面を上手に隠すのもプロの力量のうちだが。
また原作者じたい長編型ではなく短編型作家である点も、作品にプラスに働いている。
蜘蛛の糸における地獄描写は、仏教の極楽描写を巧みに取り入れ反転させ、創意工夫となりえている。
だが地獄変における例の描写は、蜘蛛の糸と違い現実世界で起こっているのだから、
幻想描写に寄りかかりすぎるわけには基本いかないはずだが、その点に顧慮は払われていないようだ。
まあいいや。シナリオはともかくキャラデザや作画はいい仕事をしている。馬鹿殿も嫌いじゃない。
また久保帯人は以前にもキャラデザをやっていたが、アニメとの相性は案外よさそうだ。
0163見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/10/30(金) 19:05:53.46ID:9f46Y0t3
「映画ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ」を観る。2014年。71分。
今千秋監督、脚本成田良美、音楽高木洋、キャラデザ佐藤雅将・大田和寛。テレビ版などは未読。

シリーズ10周年となる本作のテーマは「プリキュアは人間を幸せに出来るか?」だったらしい。
こんなものの答えは、子供にとっては「出来るよ!」の一言だろうし、大人の観客には
「そういう素敵なファンタジーを味わうために、人間は映画館の暗闇にまで出向くんでしょ?」
でしかないはずだが、主人公のピンクは作中で、子供でも大人でもない中学生なりに、本気でこの問いに取り組む。
そういう蛮勇はかなり好きだ。作品に力が無ければ、こんなテーマは猿芝居以外の何物でもなくなるから。

蛮勇を支えるだけの技術や練りこみ具合が、作画にもシナリオなどにもきっちり備わっている作品だ。
たとえば主人公のピンクは最重要ゲストヒロインと絡み、二番手の青は次に重要な男ゲストと絡ませるバランス。
その青は男ゲストに一目惚れし、たがの外れた元気の良さで子供を笑わせ、大人を微笑ませる前半部の展開。
(ピンクとゲストヒロインとの関わりの後半部は、テーマからして重くならざるをえないから、前半部で和ませたかったんだろう)
またゲストヒロインの設定に、客の幼女たちが大好きなダンスやぬいぐるみを深く絡めてきており、
しかもプリキュアたちよりも外見が可愛らしい、黒髪ロングの古典的美少女とした点。
そしてゲストヒロインやテーマに尺を取られてもいいように、また彼女の不幸に説得力を与えるために、
ラスボスをシンプルに悪の権化にした点。どれも作品の設計図として精密だなと思う。
厄介なテーマに挑むぶん、他の部分は極力キャッチーかつ単純明快にしておきたいと
いう、作り手の明確な意思を感じる。挿入歌もとても好みだ。
それとプリキュアたちが光の矢になって突撃する最終攻撃は、風で全員の前髪がはだけて
4人の顔の印象が等しく凛々しくなる。「私たちは4人でひとつのチームなんだから」みたいな
作中の台詞を、絵の演出によってこれ以上ないくらい端的に表現できた、最高のシーンだ。
(序盤の、強風を巻き起こす敵相手のバトルとの比較もなしうる。そのための配役でもあるかも)
技巧派の作り手には、自分のテクニックをひけらかすだけのキャンディー売りも珍しくないが、
今回のスタッフたちにはそういう臭みもなく、目的のために技術を活用している感がある。
個人的に大いに好感が持てる出来栄えだ。

作品に抜群の力が渾もっているために、ゲストヒロインに真摯かつ痛切な励ましを贈る主人公を、
大人の観客は自分自身とすんなり重ね合わせることが出来る。俺にとってはそうだ。
その高みにまで至れる娯楽作品は、そうそう存在しない。
この監督さんには、以前ジャンクをつかまされたので警戒してたが、結果的には今回観賞してとても良かった。
まあ、瑕疵がないわけではない。青と男ゲストの絡みでは、取れる拍手をいくつか逃している。
黒繭内部の描写も甘い(メインふたりの会話に集中させたいって意図ゆえでもあるだろうが)。
呪いバレとその後のあれこれも、苦心はいろいろわかるがもう少し何とかして欲しい。
あとプリキュアへの変身シーンで、女子中学生4人をあえて全裸にせず
バスタオル一枚にとどめるとか、たぶん札付きの変態が編み出したアイデアだろうな。
とはいえそれも重箱の隅だ。子供向けの商業シリーズが抱える「矛盾」の結節点に自ら食らいついたという点では、
泥棒の癖になにも盗んでないからこそシリーズの金字塔となりえたカリオストロの城や、
清廉な無性のヒーローアンパンマンの初恋を描いた「勇気の花がひらくとき」を連想させる。
つまりは傑作だ。シリーズの制約内であの境地に辿り着けてしまった主人公の遣る瀬無さをも含めて。
0164見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/12/31(木) 17:20:30.92ID:YkU7OB1e
「映画魔法使いプリキュア! 奇跡の変身キュアモフルン」を観る。テレビ版などは未見。脚本田中仁、
監督田中裕太、絵コンテ田中裕太含む三人(字が小さくて確認できず)。冒頭の掌編を加えて71分。
かなり悪くはない。仏をそれなりにきちんと作って、魂も八分がた吹き込んだといった作品だ。
人型プリキュアに変身したぬいぐるみはとても可愛かったし、それで充分だとも思う。
細かく見ていったら、どのシーンもあと一言なり一枚なり追加して、キャラの感情に
説得力や筋道をさらに持たせるべきだとかは思ったけど。まあ物語の幹ははっきりしている。
またテレビ版を通読しているファンたちには、追加の一言や一枚は必要ないのかもとも思うことは思う。
つまりはウェル・メイドだ。毎年延々と送り出される超長期シリーズ物の
高品質工業製品として見れば、文句をつける筋合いもない。

シリーズ物としての枠を外して観賞すれば、比較対称は題材からすると、
魔女の宅急便や劇場版リトルウィッチアカデミアになるのだろう。
宮崎駿も吉成曜も、監督業以前にアニメーターとして一流の才能だから、
プリキュアが二人の作品ほど魅力的に動いてなくても、それはそれでしょうがない。
でも、ほうきでの飛行シーン以外にも、ごく序盤で電車の窓を開けて顔を出した時の風が弱かった時点で、
才能以前に、スタッフには子供特有の素敵な飛翔感覚を描く発想は無かったんだなとうかがえる。
子供たちにとって乗り物は、未知の場所に連れて行ってくれるわくわくとともにあるんだけど、その発想も無い。
(千尋の列車シーンの見事さの一因は、そのわくわくを裏側から描写したゆえでもある)
最終決戦のアクションも、出来はいいけどエフェクトやアイデアでごまかしている部分が多い。
カメラがロングにひいているシーンもやけに目立ったし。それもウェル・メイドのゆえんだ。
最後まで見終わったあと思い返すと、序盤の祭りシーンが作品に上手く溶けこんでない点が、
いろんな意味で「やっぱりね」という感慨を呼び覚ます。客(まして子供客)にとり、
好きなアニメをテレビでなく劇場で観れるのは、お祭りの楽しさに等しい経験のはずだから。

まあでも、上の段落なんて全部いちゃもんみたいなものだ。
ラスボスとの最初のバトルでは、巨大ほうきがラスボスに痛撃を加えると同時に、その根城を崩壊させている。
つまり二番目のバトルでは、戦いのステージが根城内部から夜空での空中戦へと
無理なく移行し、自然と新鮮味を感じさせてくれるようになってる。
・・・そういう基本的で重要な娯楽の手練手管をいろいろ押さえていて、
75点は取れている佳作だからこそ、さらなる魅力が上乗せされてればなーって感想になる。
この監督なりメインスタッフなりが、自分の所持しているテクニックを自分で乗り越えようと
足掻けるようになるのかは、いささか興味がある。次作も気が向いたら見てみよう。
0165見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2020/12/31(木) 17:20:57.56ID:YkU7OB1e
海外アニメ「スーサイド・ショップ」を観る。内容は、意欲的な失敗作(?)。
良い点はたくさんあるが、ダメな点も相当ある。見る価値はあったけど。

作画については、パッケージの絵柄に拒否感を抱かない人なら、充分に満足できるだろう。
姉ともうひとりのダンスを真上から眺めたあたりの絵面が弱いとか、
ごく少数の不満点はあるが、ほとんどの場所で大変楽しめた。
構図やカメラワークもおおむね自然だ。

キャラの配置やシナリオには、大穴があちこちに開いている。
・このストーリーなら兄はカットしていい。魅力的だがネズミなども。
・姉が吹っ切れて「成長」する流れについては、
 あと最低ふたつはイベントを起こさないと、客が納得できる流れにならない。
 それと姉がこんな重要キャラだとは、中盤が終わるまで見当もつかなかった。
 イベントを後半に配置しすぎで、バランスが悪い。
・母が主人公の振る舞いに影響される流れにも、ひとつ以上追加イベントが必要。
・ラストのトランポリンやクレープの落ちはかなりひどい。
 もう少しマシな解決策はいくらでもありうるはずなんだが・・・
・自殺がテーマの作品で、主人公の父の名前をミシマ(三島由紀夫由来)にして、
 しかもあの展開って、パロディーにしても質が相当低い。
 逆にブラックジョークの洗練にも達していないし。
・仮にあの自殺用品店一家が明るくなれたとしても、客たちまでそうそう
 気楽に明るくなれるはずがないよね。そこすっとばしてあのエンディングかよ?
・自殺シーンが直接描かれる連中は、成年男性のみで、女子供のあぼーんは描かれない。
 この重いテーマを題材に選んでおいてそれは、逃げでしかないよね。
 宮崎駿でさえ、関東大震災シーンやタタラ場崩壊シーンで、子供が逃げまどい躯を晒すシーンを
 ほとんど描かないことで、相当危うい橋を渡っているのになあ。
・重いテーマを娯楽作品に仕立て上げる場合、シリアスとギャグの匙加減も極めて重要だが、
 ほうぼうでそれに失敗している。というかテーマを作り手が消化しきれてない以上、
 そこでの失敗の多発は必然だった。
・姉の踊り娘シーンの辺り、いろいろと破綻が目立ちすぎるんでない?
・その他とてもたくさん。
  
べつに意地悪な目で鑑賞しているわけじゃないのに、どっさり問題点が目に飛び込んでくる。
平たく言うと、シナリオをこしらえた脚本家なり監督なりに力量がない。
それもアニメの作り手としてではなく、人間としての力量が、だ。
世界観や人間観、人間の歴史や他国の文化に対し、甘っちょろい部分が多い。
(作り手としてはかなり力はある。説得力が欲しいシーンを
 上手にミュージカル仕立てにしてたり、その他もろもろ)

こんなに非商業的で、しかも難しい題材を選んだ作り手には、敬意を払いたいんだけどね。
でもこの出来では無理だ。絵だけでも十分に楽しめたけど。
0166見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/01/20(水) 20:15:42.36ID:ISLdAbAP
「ガリバー旅行記」を観る。1939年公開。74分。フライシャー兄弟の作品。
シナリオは平凡だがまとまっている。作画の技術的水準は相当のものだ。
だが人間が描けていない。子供向けとは言っても戦争のアホらしさが主題のひとつで、これか。
作画にせよ「この水(海)の描写は、ディズニー黄金期の作品群でも見たような気が・・・」
とか思ったことはたびたびだ。まあ74分もの間俺の目をそこそこ釘付けには出来たけど。
ともあれ「バッタ君町へ行く」への過渡期的作品だと勝手に解釈した。


「今際の国のアリス OVA第一巻」を観る。コミック版12巻の豪華限定版の付属品。
原作麻生羽呂。シリーズ構成中村亮介。キャラデザ須藤智子。
絵コンテ及び演出松根マサト。監督橘秀樹。24分。原作コミックは既読。
原作は著名ではないがきわめて優れていて、OVAでもその魅力をそこそこ伝えられている。
コンクリ道路からの雑草の生え方とか、余計な漫画的表現とか、細部に明らかに甘い点もあるし、
シナリオの短縮・改変の仕方が一部適切とはいえないけど。
げぇむアナウンスの声質がわりあい意外だったり、アニメ化して良かった部分もある。
まあなかなか楽しめた。


「夏への扉」を観る。演出真崎守。
優れたマンガ原作を優れたアニメに移し変えるための、いくつもの手練手管が不足している。
顔のアップがやたら多いとか、色のついた濡れ場がどうしてもどぎつくなり、
それが下品さに繋がってるとか。


「サイレントメビウス」を観る。監督は菊池通隆・富沢和雄。
事前の作品知識が一切なかったので、説明をすっ飛ばしぎみのストーリーには
困惑したが、それでも不思議と訴求力のある内容。
病院シーンをほんの少し水彩っぽい絵柄で描くことで、無機質さを避けていたり、
都会の雑踏の色合いを工夫していたり、絵に力があることがその一因だろう。
だが、なぜこれほどひきつけられたのは、不可解なほどその理由がわからない。
まあ結構観てよかった作品。


「超人ロック ロードレオン」を見る。
全三話で合計90分ほどのOVA? シリーズ構成ひろたたけし。監督石黒昇。原作などは未読。
作りはまあ丁寧だがさほどの才気や完成度は見いだせない。
だがそれでいて、最後まで俺の目をひきつけることが出来た作品だ。
その感想から逆算すれば、この作品の無難すぎる展開は、
あえて無色透明な演出に徹した結果だという可能性も、無くは無い。
俺にとっては奇妙なできばえだ。単に何か錯覚しているのかもだが。


「ノートルダムの鐘」を観る。90分。ディズニー謹製。
十本かそこらしか見てないけど、俺が今まで見てきたディズニーの「名作」は、
例外なくストーリーとそれを支える人間把握に、致命的なほころびを抱えていた。
バンビはまだマシだがピノキオは噴飯物だったし、白雪姫はパヤオの言うとおりただのアホの子だ。
ファンタジアの魅力はストーリーの乏しい掌編集ってことも大きかったし、近年の評判作もあれだし。
だがこの作品は、アメ公風情としては実に珍しいことに、人間が描けている。
だから物語もさほど違和感なく展開し(ヘルファイヤの作り方とかてきとーだけど)、
その土台の上に元々の優れた画力やアイデアや感受性が花開いてる。
ブオトコの主人公が抱えた劣等感や挫折や毅然さも、現代でも充分に通じる古びない魅力だ。
俺は歴史上唯一原爆を使用したくせに正義を気取る、あのモザイク国家が嫌いだが、
この作品だけはとりあえず、やなせや宮崎と同列に並べてやってもいい。それほどの出来だ。
現在のディズニーがこれほどの高品質を作れているかはさておき。
0167見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/01/20(水) 20:15:59.17ID:ISLdAbAP
ディズニーのファンタジア2000を観る。相当に物足りない。
技術や感受性は悪くはないが、それが慣れ親しんだ手練手管になってる(と感じさせる)部分がかなり多い。
オレンジフラミンゴの描写が、キンプリSSSのオレンジフラミンゴのぶっとんだ楽しさに
相当に劣っていたり(ディズニー様がタツノコプロに負けてんのか)、
ノアの箱舟の大洪水シーンが、ピノキオあたりの大昔の海難描写にちっとも及んでいなかったり、
文句をつけたくなるシーンが無数に存在する。
作り手の喜びも、観客への溌剌とした配慮もほぼ見えてこない。

だが最後の短編の、火山から生まれた悪のフェニックスと、可愛いウンディーネの対決だけは良かった。
日本の有名アニメの終盤の展開に霊感を受けたのかな、と思える描き方だったが、山火事が怖く描けている。
アメリカには大規模な森林火災が多いと聞くが、そのお国柄を誠実に反映してる。
だからラストのウンディーネの活躍も、他の収録作には見られない力強い必然性が備わっている。
まあそれでも惜しい部分や甘い部分は散見されるが、この高みに達してるなら突っ込むのも野暮だろう。
なんだかんだでこの最後の短編だけは好きになれたし。



「ポカホンタス」を観る。81分。エリック・ゴールドバーグ監督。
シネフィルたちが推す数少ないディズニー作品という噂を聞き、視聴。
確かに相当悪くない。目の肥えた観客からも絶賛をもらえるかもしれない出来だ。
黄金期とかの一部ディズニー作品は、アメリカ合州国というごく若い国が得た、
数少ない優れた様式美だなとはつくづく思う。俺の好き嫌いはともかくとして。

「新大陸」に乗り込み金鉱を探す英国人たちと、それに立ち向かう先住民たち、
そして英国側の人望ある優男と、先住民側の少女ポカホンタスが恋に落ちる。
・・・歴史に関わるそういう図式は、子供向けのディズニーアニメでは、原則として描ききれるはずがない。
才能ある作り手がそういう無謀なテーマに挑むという意味では、もののけ姫と似ている。

パヤオが日本人としての限界を受け入れ、そのうえで乗り越えようと足掻いたように、
ポカホンタスのスタッフも、一般アメリカ人としての思想的限界を乗り越えようと足掻いてはいたらしい。
その褒むべき志は観ればわかるけど、作品として結実しきってはいない。
もし本作スタッフたちが心の底からこのテーマを成就させたかったのなら、
最低限、それまでのディズニーが培ってきた様式美の半分を捨て去るべきだった。
パヤオがもののけ姫でそうしたように。

英国人提督を悪役として設定し、シナリオをふたつの陣営の対立として描き、
これといって特殊な舞台装置を用意しなかったポカホンタス。
エボシを悪役に設定せず、シナリオを三つ巴・四つ巴以上の相克として描き
タタラ場やシシガミの池という独自の魅力ある舞台を設定したもののけ姫。
それらの違いはきわめて大きいし、より根本的な点に触れれば、
前者のシナリオは最初から落としどころを設定してしまっている。
前者の才能あるスタッフたちがブレーキを踏むところで、
後者のパヤオは逆にアクセルを踏み込むことを自らに課している。
それが「充分に優れた作品」と「ジャンルの歴史に残る金字塔」の違いを生む一因だろうし、
作品論でなく作家論として言えば、「自己の才能を信じる」という美名のもとに隠れた、
「その信じるってのは、狂信に等しいものであってもオーケーでありうるか?」って問いにも直結する。
物作りってのはほんと難事業だな。
0169見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/03/03(水) 21:16:52.09ID:4TaIcwWP
「きみの声をとどけたい」を観る。93分。監督伊藤尚往、製作総指揮植村徹、
脚本石川学、キャラデザ青木俊直・高野綾ほか。絵コンテ伊藤尚往・山城智恵、
演出山城智恵、作画監督8人、制作マッドハウス(カラーとかも協力)。音楽松田彬人。
音楽プロデューサーに木皿陽平なんてのもいる。なお完全オリジナル作品らしい。

劇場版アニメ作品の本質を見極める手立てのひとつに、
「主人公or作品or監督が、この作品において何を切り捨てたか」に着目する方法がある。
この作品の場合は、たとえば恋愛要素や地域愛だ。主人公とメインキャラは全員女子高生なんだから
彼氏ポジの少年などをふつうは一人くらい出したくなりそうなものだが、この作品ではとても影が薄い。
また主人公の未来が地元江ノ電の車掌ではなくあれだった点や、喫茶店の行く末もそうだ。
その潔さが作品を引き締めるのに大きく一役買っている。そういう決断が出来る監督と脚本家は好きだ。

脚本の大筋はおおむね、良くも悪くも安定している。
たとえば、序盤で主人公とキーキャラを交流させ(そこで脇役も自然な形で紹介し)、
ついで主人公の学友ふたりをプロジェクトに参加させ、
その後に部外者ふたりが参加し、最後に他校キャラを参加させるという展開は、
オリキャラの女子高生7人を、前知識のない観客たちに上手に飲み込ませる手法だ。
(ポッピンQや劇場版アイマスは好きな作品だが、その種の配慮には乏しかった)
またナレーションや独白が相当多用されている点も、主人公たちがラジオのDJを
こなすという展開にちゃんと溶け込んでいる。ラジオと劇場用アニメというふたつのメディアを
劇中劇にやや近い形で共振させるための技量や思慮深さを、監督や脚本家がそなえていたのだろう。
(伊藤監督の劇場版プリキュアも、映画要素が劇中劇っぽく組み込まれてたなあ)
そういうふうに綿密に練りこまれている部分も多いが、
その綿密さが仇となって、シナリオに必要量の破調をもたらせてないきらいもある。

シナリオや題材じたいがわりと「地味で平凡」なのだから
(普遍性を充分に備えているという言い方も、この作品ほどの出来ならしていいけど)、
描写で踏み込めるところは踏み込んでいかないと、劇場用商業作品に必須の華が出ない。
きみ声に限らず、「地味だが丁寧な良作」ってやつは、たいていそこをクリアし損ねているし、
高畑や片渕(名犬ラッシー以外だろうが)の図抜けた有能さは、そこをクリアできているのも一因だ。
冒頭部のラクロス試合の終了後の握手からしてそうだし、
○○○が○○されるところは、○○○で隠さずにもっと無残にあからさまにして
観客にインパクトを与えたほうが、クライマックスの喜びが高まるはずだとか、
ついそんな余計なお世話を考えてしまう。雨が降ったんなら「風立ちぬ」みたく虹をかけろよ、とか。

まあいいや。
べつにきみ声に華がないってわけでもない。藍色仮面のいくつかのシーンには声を出して笑ったし。
(この手の地味っぽい作品で大笑できるって稀だ。片隅の天秤棒とかを思い出すが
原作の有無を考えれば、オリジナルのきみ声のほうがある意味さらに驚くべきかも)
カエルやシャボン玉の使い方には、正直ファンタジー設定と
現実世界とのすりあわせが充分でないとも感じたが、
それを完璧にこなす軽業は高畑でさえ失敗する時があるから、指摘してもしょうがない。
(それにプリリズADのARDみたいに、けれんみを恐れない大胆さも感じないことはなかったし、
この「地味」な作品でそれをぶっこんできた演出の志に、けちをつけたくない。
それに最初は主人公だけが言葉を信じていた(シャボン玉が見えていた)のが、彼女たちの奮闘により
友達やご近所さんたちまで言葉の力を信じるようになっていったとも解釈できるし)
ともあれ言葉と歌、それに人間を信じている作り手が到達した、素直でとても愛らしい小品だ。
アイマスTVアニメ版の千早の約束回をやや連想したシーンもある。
アイドルアニメが玉石混交で量産されてきたここ10年の
カオスな歴史も、それでは無駄というわけではなかったんだな。
宮崎・高畑・富野・出崎・庵野といった巨匠たち、また片渕・幾原・川尻・新海・森脇といった俊才たちの
作品は、どうしても強い作家性がにじみ出てしまい、ここまで初々しいスマッシュは飛ばせない。
その意味では巨匠たちにも比肩する希有な読後感を得られた。本当に見事だ!

あと本スレの過去ログに目を通したら、「(良作だけど)期待値上げて見ちゃダメなタイプの作品だね」
という意見があった。作風的にもっともだとも思うのでそれを付記しておく。
0170見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/03/03(水) 21:17:16.09ID:4TaIcwWP
「若おかみは小学生!」を観る。94分。制作マッドハウス。原作令丈ヒロ子。
脚本吉田玲子。監督・絵コンテ・演出高坂希太郎。原作やテレビアニメは未読。

世間的にはマイナーなこの作品への賛辞は、本スレの過去ログにはいくらでも記されている。
それらの大半は、本当にもっともだと思うし、高坂監督の実力は「茄子」のときより
明らかに大きく伸びたとも思う。それはそれで、とても嬉しいことではある。
観る価値が充分にある作品だ。ファッションショーの場面など、着た切り雀のエプロン師匠には
たぶん絶対に描写できない、華やかで少女らしい現代性といえるだろう。
(ラピュタでのムスカの言動から推測すると、少女にドレスをプレゼントするのは
後にそれを男が脱がせるためという欲望が透けて見えるから、純情なパヤオが避けた、という話かもしれないが)

個人の感想としては、
「冒頭部で小学生主人公の両親に事情が出来て、祖母の旅館で若おかみの修行を始める」
という原作(?)の設定自体に、強い危うさと警戒心を覚える。
児童文学の限界と存在理由を頭に入れてもなお。
平たく言えば「これっていわゆる、ためにするストーリーなんじゃないか?」と。
その危うさを、イ○○○○○フレ○○って心理学的解釈を持ち込むことで回避・軽減し、
同時に一本の劇場版として筋の通った見ごたえある作品にしようとした、脚本家や監督の意図もわかる。
その誠実な意図は俺以外の大多数の客にとっては、充分に成功しているのだろう。

この劇場版の特徴のひとつは、イ○○○○○フレ○○の設定を導入することによって、
大人向け作品へと大きく舵を切ってしまったことだ。
それを念頭においてしまうと、可愛らしい鈴鬼の存在や、ピンフリ個人の名言引用ぐせが
明らかに子供っぽく見えて浮いてしまう。ヘロドトスやウォルト・ディズニーやジョブズって人選もそうだし。
(幽霊とイ○○○○○フレ○○は近接した概念だから、よけいに厄介なことになる。
 『出発点』の中でパヤオが蛍の墓に指摘していた点と、似たようなものだ)
「バッタ君町へ行く」の後半部の、建設中のビルを登る展開をパヤオは賞賛もしつつ、
「本来はビル登りじゃなく、街を出る展開を選ぶべきではなかったか」と苦言を呈しているが、
イ○○○○○フレ○○ネタは俺にとって、バッタ君のビル登りの展開と同じだ。
間違っているとはいえないが、真実の道は別のところにあったのではないか、という点で。
そしてまた、導入したならしたで、主人公たちの激情と運命を支えるだけのどんな画面を作りうるか、という点もある。
「この世界の片隅に」が例のシーンの直後にシネカリを使ったのと同じ意味合いで。
・・・パヤオなり旧東映動画なりのキャラデザは、親しみやすさとともにキャラの激情をも表現できるが
(たとえば父がらみでのナウシカの激昂シーン。高坂氏も参加してる作品だけど)、
劇場版若おかみの子供向けすぎるキャラデザでは、主人公の決定的な悲苦を表現しきれない。
その弱点が、よりにもよって作中最大のクライマックスで足を引っ張っている。

まあいいや。
たとえば転校した主人公が、黒板に名前を記して級友に自己紹介するって「ごく当たり前のシーン」がある。
で、「となりのトトロ」も同じく転校した小学生の物語だが、そのシーンを描いてない。
俺にはその意図(というか、そういう取捨選択をパヤオが作品内で繰り返した理由)がなんとなく
想像はできるが、吉田氏や、パヤオの高弟である高坂監督が、そこをどう判断しているのか興味がある。
(また、転居した関織子とかのことを「転校」した「小学生」と見なす心性自体への判断も)
そして真上の「きみの声をとどけたい」の感想と絡めるなら、
おふたりがこの作品において何を切り捨て、あきらめたのかにも。
どうも吉田氏の脚本とは、根っこの部分で俺とは相性が悪いな。
0171見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/06/08(火) 00:22:59.33ID:gkarmEBY
「創聖のアクエリオン劇場版 壱発逆転編」を観る。監督・脚本・絵コンテ河森正治。
28分。テレビ版などは未読だが、珍妙な主題歌だけはどこかで聞き覚えあり。
なんかガンダムみたいなのがいろいろやってるけど、要するにギャグアニメらしい。
音痴とか開花とか「声が小さい!」とか笑えたからとりあえずそれでいい。笑いはいつだって貴重だし。



「ジブリがいっぱいスペシャル ショートショート1992-2016」を観る。
宮崎監督のOnYourMarkは10年ぶり以上に再視聴したが、7分足らずの癖に見応えがある。
軍ならざる警察が(特殊部隊だろうが)、ああも派手に重火器を用いたり、
行動の機敏さが軍人そのものだったりする設定の緩さは、たぶんパヤオの意図したフェイクだろうな。
ジブリ美術館上映の作品もそうだが、短編作家としてのパヤオって言及されること自体少ないよね。
Genius Partyの収録作や、天使のたまご、アニメーター見本市あたりと比べて、
読後の満足感が高かったよ、正直。
他の大半の男性監督が「少女ないし女への欲望」を抱くところで、パヤオは「少女への憧れ」を抱き、
しかもそれを「空への憧れ」という別種の柱などとも融合させてきたのが彼なんだから、
才能以前にほとんど誰も彼に太刀打ちできないのも当然というわけか。さびしい話だ。
ハウス食品「おうちで食べよう。」キャンペーンのCMや、どれどれの唄、鳥獣戯画も楽しかった。



「エヴァンゲリオン新劇場版 序・破・Q」三作を、今年三月に連続して観る。総監督庵野秀明。
広義のロボ物は苦手だから、これまでこのシリーズは一切見たことがなかった。
超有名作品だから、メインキャラたちにはなんとなく見覚えあるけど。
で、どうやら最終作が公開されたらしいので、それを観るか決めるために
視聴を勧められた過去作三つに手を出した。映像特典に字コンテ?がついてたのに驚く。

観終わった感想は「作品も、そしておそらく作り手も、まあくっそ面倒くさい代物だな」だった。
魅力も欠陥も多いようだけど、それを記したところで盲人が象を撫でた感想と変わらないだろう。
・・・面倒臭い監督はアニメ界に色々いるけど、たとえば押井・高畑両氏の
ややこしさのほうが、俺にとってはずっとわかりやすい。
その理由のひとつは、両氏のややこしさはインテリ気質に由来する部分が大きいから、
ほんの少し似た気質を持つ俺には、いくらか思考パターンをなぞりやすいからだろう。
だが庵野氏の面倒臭さは、少なくともその一部は、優秀な絵描きとしての気質と関わっているんだろう。
そして俺には絵の素養はまったくないので、この三作には面食らうばかりだ。
(総監督だけでなく、監督の前田・鶴巻・摩砂雪三氏って全員メーターあがりじゃないっけ?バランス悪い気が。意図して安定を捨てた可能性もあるけど)

俺にとって一番内容の収まりがいいのは、三つ目のQだった。
その大きな理由は、前二作で多かった学校シーンの削減と、
ストーリーテリングにおける王道(≒臆病者のための余儀ない命綱)をある意味で捨て去り、
その空白の一部をピアノなどの音楽で埋めているからだろう。
要するにQは「訳が分からないけど惹かれる」って作品になっている、と思う。
とりあえずシンとやらも見に行った。
0172見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/06/08(火) 00:24:48.94ID:gkarmEBY
「マイマイ新子と千年の魔法」を観る。監督・脚本片渕須直。原作高樹のぶ子。
キャラデザ総作画監督辻繁人、演出香月邦夫・室井ふみえ、作画監督尾崎和孝・藤田しげる、
画面構成及び作画監督浦谷千恵、草笛演奏河津哲也、エンディング主題歌コトリンゴ。
約8年ぶり三度目の視聴。原作は未読。2009年作。レンタルDVDには充実したオーコメ同梱。

内容は傑作だ。ただし突き刺さらない人々にとっては、路傍の石でしかない作品でもある。
彼らにとっては「丁寧だが地味な作品」でしかないだろう。ミツバチのささやきみたいなもんだ。
「ひとりの心に火を灯す 別のひとりに欠伸をさせる」だったかの、堀口大学の詩吟も思い出す。
まあ俺には刺さったからどうでもいいけど。

作り手が大人として、深い部分で人間を赦している。そんな安らいだ印象の作品だ。
女教師が結婚にいたるまでのいきさつを、小学生である主人公たちは難じているけど、
「でも少しくらい軽率な決意だったとしても、その後に誠実な努力を重ねれば、自然と運も向いてくるよね」
みたいな声が、ラストの見送りシーンの優しさからは聞こえてくる気がする。
過ちも正しさも叙情のうちに溶かしているというか。
どれほど力量豊かで人格識見ともに突出していようとも、結局、人を裁く作家には苦々しい思いを抱いてしまう。
そういってまたもや「千と千尋の神隠し」を思い返している。
厨房の奥に大根・人参・玉葱・卵・ジャガイモを描写しながら、豚父への料理にそれら健康的な食材をほぼ提供せず、
カウンターに灰皿、箸、調味料、取り皿を用意しながら、ふきんも水もつまようじも花瓶も用意しない。
そして対照的に、カオナシに提供された料理には、野菜の煮付け、林檎、ソラマメ入りのご飯、
そしてほうれん草のおひたしっぽい、滋養ある食品群が描写されている。
オシラサマ→生きた大根→果蔬涅槃図→伊藤若冲→青物問屋の跡取り、という連想ゲームが仮定しうる作品で、
豚になる食事の中に野菜がほぼ入っていなかったのは、作り手の意図的なものなんだろう。
人間としてのパヤオが俗物の千尋父を赦せてないのは、職業人としてのパヤオが絵筆の力を使い誤ったからだとしか思わないし、
彼のその「冷酷さ」は、未来少年コナンにおけるテリットの処理の仕方から、この点だけは本当になにひとつ進歩してない。
で、マイマイ新子にはそういう作り手の偏りを感じない。ストーリーは結構危ない橋を渡ってるのにな。

作り手の技術と情熱が画面から鮮やかに香り立つのは、このレベルの作品なら当たり前の話だけど、
その二者だけでは到達しえない高みにも、何回か達している内容でもある。
たとえばスタッフロールで蝶が波打ち際や近海をはばたくシーンの、自然な幻想ぶりだ。
千尋の最序盤で、トンネル内部には枯葉しか落ちてないのに、
トンネルから異界へ吐き出される風には緑の若葉のみが舞っているシーンと、同じなんだろうな。
打算ではなく計算としてしか作品内で論理は組み立てるべきではないし、その計算からさえ、
どこかのタイミングで身をもぎ離さなければならない、ということかもしれない。
0173見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/06/08(火) 00:33:37.14ID:gkarmEBY
ディズニーのシリー・シンフォニーシリーズを、70本中65本ほど観る。
ディズニーが1920〜30年代に制作した、10分未満の短編アニメシリーズで、
すでに著作権切れのため、合法的にyoutubeやニコニコ動画にアップロードされている。

作画は驚異的な出来といっていい。1世紀前なのに、古色は帯びていても古臭さは感じさせないのだから。
趣向に富んだアイデアやシンプルなストーリーに裏打ちされ、有意義な一時をディスプレイの前で味わえる。
のちのち豊かにも発展するジャンルの黎明期とは、これほど熱と魅惑を湛えた作品群に支えられていたのかと思う。
あくまで作画は、だけど。

どこぞの巨匠がディズニー作品を、入り口と出口の高さが同じだから観客の精神性を
高みへと連れて行けないと指摘していたが、それはこの短編群にも当てはまる。
観ている間は相当に楽しい(それだけでも充分凄い)けど、それだけだ。連続で観ると飽きるし。
ジブリ美術館の短編なり、ラクガキ王国のEDアニメみたいな
田辺修のいくつかの掌編なりのほうが、ずっと俺の好みだな。
同年代の作品なら、ベティ・ブープや動絵狐狸達引とかのほうが好き。技術話は置いとくにせよ。

ディズニー長編の業病であるストーリーや人物造形の甘さは、短編群のほうでも解決されてない。
単に尺が短いから、ボロが出にくくなっているというだけの話だ。
(ただしバージョンによっては微小な残酷描写・差別描写が含まれており、その毒が甘さを緩和してはいる。
また「森の妖精」ほか数編のように、森林火災などの切実な火の恐怖を描いているものは、ストーリーがややひきしまってる)
映像面でのアイデアや腕前が質量ともにべらぼうに優れているから、
本来ストーリー本体で穴埋めすべき部分が、全部それで間に合ってしまう。
つまり装飾体の小説が陥りがちな罠の大半に、ジャンルは違えどやすやすとひっかかっているということだ。
オールドナインたちには、自分らの卓越した画力をストーリーの独自性ある構成力に変換する、って発想はなかったらしい。
同じS級アニメーターであるパヤオの場合、たとえば千尋では、「ドア」をくぐる時に
小さな「イベント」をほぼ必ず表現ないし暗喩しているし、それは未体験の場所に
対する子供たちの新鮮な感受性に、彼の画才が呼応したものなんだろうけど。

かつてウォルト・ディズニー青年は、自ら志願して衛生兵としてフランス戦線の地獄へ従軍し、
結果「いつでも掃除が行き届いていて、おいしいものが食べられる。そんな夢の世界を作りたい」と志した。
彼にしてみれば、ポップコーンを頬張りながら座席にもたれかかっていられる映画館は、
すでにして充分に高い入り口だったのだから、これ以上出口を高める必然性も薄かったのだろう。
だが彼の大志とパヤオなり現代人なりの大志とは違う。そしてシリー・シンフォニーは一般人からは完全に忘れ去られた。
世界の著作権を薄汚くもてあそぶディズニーとかいう営利企業も、この作品群を打ち捨てて進む道を選んだ。

まあいいや。時代背景その他が違いすぎるものを比べるのは、アンフェアの極みだし。
この時代は実写映画が大衆娯楽として広まっていたと聞くから、
それへの対抗としてもシリー・シンフォニーは、いろいろと革命的な意義があったのだろう。
実写では撮影しづらい鳥獣の世界を、比較的リアルっぽく描いた短編があったりとか。
それと、ディズニー(及びアメリカ)の根幹には幼児性が巣食っているから、
そこを題材と絡めて上手に生かした「子供の夢」「童話行進曲」や、
職人たちの仕事風景を楽しく動かして幼児性を中和したいくつかの作品、
また舞台をアメリカじゃなく中国に設定して新風を吹き込んだ「桃源の夢」などは良い出来だし、
逆に大人の視野を背景に求められる「ノアの箱舟」などは、目をそむけたくなる惨状となっている。
また「小鳥の冒険」などの数編は、鳥獣が言葉を使わない分、完成度や芸術性が高まっている。
へたに人語を解してしまった作品は、ストーリーの低レベルさが余計気になる側面が浮上しているし。
まあ俺がディズニーアニメを嫌いだから、どうしたって辛い評価になるけど。
また、優れた作品を一本だけ挙げろといわれれば、「風車小屋のシンフォニー」が候補に挙がるだろう。
誰が邦題を決めたのか知らないけど、シリー・「シンフォニー」のタイトルが冠されているのは、この一本のみだ。
アカデミー短編賞作品の一つでもある。
娯楽作として優良なのもいくつもあるが、「モスの消防隊」は100年前のメスガキの描写がいい。
そのボーイフレンドのショタが敵役に尻を掘られた挙句、水道で冷やすっぽいシーンも笑えた。
0174見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/07/14(水) 18:11:58.49ID:a7H6XgZD
「地下幻燈劇画 少女椿」を観る。監督・脚本・演出・作画・製作(!)は原田浩(絵津久秋)、
原作丸尾末広、音楽J・A・シーザー。1992年。原作は未読。なお作画監督は置かれてないらしい。
原画のすべてを監督ひとりが描いたという噂だけど、ほんとかね? スタッフロールはそれっぽいけど。
あとwikipediaでは、ゲリラ興行や映倫との角逐、税関でのマスターフィルムの没収と破棄など
目を疑うエピソードが縷々綴られているが、話を盛ってないとしたら表現の自由への死闘だな。
そして公開場所が映画館でなく、東京都武蔵御嶽神社となっているんだが、一体全体なんだこりゃ?
で、内容も相当に凄まじい。人間の生命力がそれじたい怖さと醜さを孕んでいて、
その猥雑な土壌からこそ力の渾もった美が生まれもするって真実をこうも描けた点は、
逆襲のシャアとウテナをさえ上回るかもしれない。地下幻燈劇画の麗名にふさわしい出来だ。
セルではなく水彩画で作画したらしい点もそこに寄与している。シーザーの音や声優の怪演もな。


「二度と目覚めぬ子守唄」を観る。製作・脚本・作画・助監督・監督は原田浩。1985年。27分。
きわめて烈しい怨恨を抱え込まされた人々が、その激情に流されきらずに
なんとか創作欲に昇華なしえた、そういう種類の作品だ。
小説や漫画、絵画などでは同族をたまに見るけど、基本的に集団制作のアニメってジャンルでは初見だな。
(パト1における押井氏の、東京のビル群への憎しみは、かすっているかもしれないが)
時代設定は三里塚の闘争あたりだろうが、2021年現在観ても相当のインパクトがある。
人間の憎しみを掬いうる作品のひとつだ。
オカルト板のかつての名スレ「本当にやった復讐」とか、既婚女性板のとびぬけて
やばかったいくつかのスレみたいに、こういう怨念は時代を超えて不滅なんだろうな。
現代の本職のアニメ作家は、このジャンルに誰一人手をつけられてないけど。おそらくもののけ姫でさえ。


「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」を観る。96分。10年ぶりくらいに二度目の視聴。
脚本・監督押井守、演出西村純二、美術監督小林七郎。高橋留美子の原作は、大昔に少しだけ読んだ。
問題作だし、嫌いな作品じゃ全然ない。でも偉大なる某言霊使いの酷評も分かる気がする。
夢邪鬼やメガネに語らせすぎるのが、この監督の重大な弱みのひとつだ。俺の凡人な視点からすれば。
パトレイバー2の後藤隊長とかもそうだけど、結局それは作り手が
物語を(あるいはそれを成り立たせるダイナミズムを)信じ切れていないからだと解釈するから。
夢邪鬼がラムに惚れ込んだんなら、抱きつくなり肌身を触れ合わせるなりさせればいいじゃん。
「世界が虚妄だ、というのは一つの観点であって、世界は薔薇だ、と言い直すことだってできる」
って三島由紀夫だかの言葉をついつい思い出す。胡蝶の夢だのって言葉にせよ、
なぜそれが「胡蝶」「邯鄲」という美しい表象で語られてきたのかって話じゃないの?
「ビューティフル」ドリーマーっていうタイトルにひきつけるならば。
あとオーディオコメンタリーはかなり興味深かった。エッシャーを構造ごと本作に取り込んだあたりの
押井氏の物言いは面目躍如だ。それと劇場版アニメのレンタルDVDに監督のオーコメが
ついてたのって、これとマイマイ新子の片渕とガンバの冒険の出崎くらいしか覚えがない。
全員超実力派だな。サービス精神も兼ね備えていてありがたいことだ。


「劇場版銀魂 新訳紅桜篇」を観る。95分。高松信司監督。原作などは未読。
かなり笑えるシーンが散見できたし、これはこれで充分だと思う。
なんか冗長な台詞が多かったけど。


「しあわせの王子」を観る。19分。
演出富野善幸。原作オスカー・ワイルド。作画監督辻伸一・広野正之。
この短さで作画監督がふたりもいるってのは、海外作品を含めて初めて見た。
大半は止め絵だが、ツバメの飛翔だけは綿密に、軽やかに描きこまれ、爽快感さえある。
他のパートをすべて捨ててでもそこの絵だけは生かしたいと、たぶん演出家が望んだんだろう。
教育アニメとかいうどうしようもないジャンルでも、志ってのはきっとそういうことなんだろう。
ラストの、満月の周り以外はかなり夜闇に包まれている一枚絵も好きだ。意思を感じるから。
0175見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/07/14(水) 22:24:15.83ID:RkPLvb30
247:名無し募集中。。。:2021/07/14(水) 17:55:00
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0176見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/07/19(月) 17:25:48.75ID:yeJhdjTZ
「スパイダーマン スパイダーバース」を観る。116分(本編は102分)。実写でなくアニメ。
内容は、当代のスパイダーマンが序盤で消え失せ、未熟な次期スパイダーマンが困ってるところに
他の5つの次元からそれぞれのスパイダーマンがやってきて……みたいなの。
作画は3DCGで、冒頭15分の凡庸さには頭を抱えたが、それ以降のアクションは相当なものだ。
またジャパニメーションの超萌える豚向けキャラや奇形犬みたいなのも、アメコミとの絵柄の違いを
調和させないまま無謀にもぶちこんである。そういう無茶苦茶モードには好感が持てる。
当シリーズは完全初見でキャラも全員知らなかったが、最後までとても楽しく鑑賞できた。
ガルパン劇場版みたいな珍味だな。音響監督だかは岩浪美和氏だし。なお吹替も高レベルだが字幕を勧める。
高橋季依は無能ではないが、海外産の貴重な最萌えキャラは英語声優のほうが新鮮に味わえる。


「劇場版キノの旅」を観る。2本で合計45分。原作その他は未読。渡部高志監督。
キャラデザや背景は相当にアレだが、ストーリーはそう悪くもなかったし、
一回くらい見といてよかった。バイクに乗った美少女は好みだし。


「うる星やつら オンリー・ユー ノーカット版」を観る。101分。初見。文芸担当伊藤和典、
脚本金春智子、脚色・絵コンテ・監督押井守、演出安濃高志、美術監督新井寅雄。
面白さも見応えも、部分部分ではちゃんとある。だが押井氏の若書きなんだろうな。
実写映画を観て培った感受性をアニメ制作で効果的に生かすって意味では、
この監督のいくつかのアニメ作品は相当なレベルだし、本作も例外ではない。
縦・横・斜め・上下・奥行きなどさまざまな動きを扱う手際の見事さとか。
でもこの脚本は、出来のよしあし以前にとっちらかりすぎてる。
脚色って肩書きがかなり不穏だし、そもそもハーレム願望の男主人公の脚本を、
(原作者以外の)女に任せるべきではない。つまり物語の幹がきちんと出来てない。
次作のビューティフル・ドリーマーは、主人公とラスボスがヒロインに惚れ込んでいて、
そしてラスボスがヒロインに肩入れして騒動が巻き起こるという、ロマンチックな幹がきちんとある。
で、ヒロインの願望とラスボスの能力が呼応した結果が、ああいう前衛世界を作り上げたって仕掛けに
なってるから、枝葉で前衛的な演出を存分に繰り広げても、幹の太さできちんと作品を支えていけている。
でも本作のオンリーユーは、そういう緻密な構造が出来上がってない。
まあ制作期間が極端に短かったって舞台裏は聞き知っているから、同情の余地はあるけど。
あと異星の美術とかは相当良かったと思うよ。
それと、いつもは半裸のビキニ姿のヒロインに、本作も次作もたいして理由もつけず
上着を着せかけてやりもするこの監督の含羞は、なんだかんだでパヤオの友達だけあるなーと微笑ましくもなる。


「ダーティペアの大勝負 ノーランディアの謎」を観る。57分。1986年。原作高千穂遥、
脚本伊藤和典、監督・絵コンテ・演出奥脇雅晴。テンポがかなり良いが、やや詰め込みすぎでもある。
だがなかなか好みだ。アクションの作画は少々弱いが、不快なほどではない。
原作小説は大昔に数巻だけ既読だが、良くも悪くも原作のテイストを受け継いでいる。
某小説道場のへんへーが指摘した、幼児性の問題とかな。まあ楽しけりゃいいともいえるが。
また悪役が薄っぺらなニーチェリアンなのはなかなか新鮮で、かつ道理にかなっている。
超人思想ほど誤解されやすい考え方もそうはないし。伊藤氏の練達ぶりが窺える。
まあ「優れた脚本」それ自体が内包しかねない欠点も多少見受けられたし、
のちのパトレイバー1・2で伊藤氏はそこを払拭したかったのかなあともうっすら思う。
この作品の最大の穴は、主人公たちとゲストヒロインとの関わりが薄かったために
終わり方があっさりしすぎてる点なのだろうが、パト1ではヒロインの影の薄さにも関わらず
きっちり満足いく終わり方な娯楽になっている点、とか。


「ダーティーペア 謀略の005便」を観る。59分。
原作高千穂遥、演出高松信司、脚本五武冬史、監督滝沢敏文。まあそれなり。
1時間を飽きさせずに観終えられはしたが、色々と手練手管に頼りすぎてる。
あとルーシファって、原作ではもう少しスケールが大きい組織だった気がするが。
0177見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/07/19(月) 21:21:18.61ID:NB8GvT1P
426:名無し募集中。。。:2021/07/19(月) 15:19:02
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0178見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/08/03(火) 17:20:53.95ID:jf0aQRc7
「おねがい♪マイメロディ 友&愛」及び「映画ジュエルペット スウィーツダンスプリンセス」を観る。
二本はひとつのDVDに同梱。どちらのシリーズも初見。長さは13分及び58分。前者は監督大久保政雄。
前者は楽しく気軽に観られる短編。悪役に対する主人公の振る舞いが適度にブラックで笑える。
後者は監督桜井弘明、絵コンテ桜井弘明ほか、演出島崎奈々子・桜井弘明・ほか(解読できず)。
登場人物の8割が二頭身のぬいぐるみ(淫獣)で最初は戸惑ったが、どうやら幼稚園児っぽいキャラを
メインキャラ群に据えるための方法論らしいと気づいてからは、すんなり朗らかに観ていられる。
つまみぐい・お泊り会・夜の散歩・姫君の箒への横座りなど、園児の生態をなかなかよく把握できてもいる。
また声変わり前の芦田愛菜は、良い意味での素人っぽい声質と、
そこそこプロっぽい滑舌の良さが両立できている。
全体として、最後の「やりきったよー♪」って台詞にふさわしい幼児映画といえよう。
この二作の最大の欠点は、タイトル画面だな。ジュエルペットは50匹以上のキャラが描かれているのに
マイメロは3匹しか描かれていない! 格差社会ここにきわまれり。


「世界名作劇場 完結版 レ・ミゼラブル 少女コゼット」を観る。上下編合わせて90分。
監督桜井弘明、シリーズ構成金春智子。おそらく4クールのテレビアニメの総集編。
見応えがない。同一監督の映画ジュエルペットや映画アキハバラ電脳組の満足度には達してない。
子供向け・オタ向けの題材だったそれらに比べ、ヴィクトル・ユゴーの原作はアニメ化に
ずっと大きな力量を求められる(その分成功した時のインパクトは巨大なはずだ)が、
このスタッフ諸氏は、過酷なテレビアニメ制作の中でそれだけの金剛力を発揮できなかったんだろう。
最初の悪役のキャラデザをコミカル寄りにしすぎたのは、題材を考えると俺には逃げとしか思えないけど、
そこから始まって全編ずっとだ。まあ高畑たちから始まったこのシリーズは、長年続けていくにも
高畑に肉薄する力量が必要かもしれず、だとしたら作り手を論難する気にはなれないけど。
幼女時代の主人公の姿はとても可愛らしかった。それだけでも見て損はしなかったよ。


「ムント劇場版 天上人とアクト人最後の戦い」を観る。京都アニメーション。82分。
監督木村益治。テレビアニメの総集編みたいなものらしいが、そっちなどは未読。
べつだん悪くない画面を作れているとは思うけど、どうにもこうにも。
ラピュタからたぶん強い影響を受けているのはかまわない。本家だってルネ・マグリットが元ネタだろうし。
でも核となるイメージに、他の要素をどう有機的に絡ませていくかが肝なんじゃないのと思う。
空飛ぶ島がヒロインの故郷なら、主人公は大地にもぐる炭鉱夫にしよう、とか、
空飛ぶ島は高所を飛ぶから、義賊たちには地を這うように低く飛ばせて見ようとか、
もっと高所のイメージとして宇宙を持ち出してみよう(ポム爺さんと炭鉱の奥で)とか。
なおレンタルDVDにはTVCMスポット・劇場用スポット・舞台挨拶・メイキング・それとオーコメもついてくる。
相当の大盤振る舞いだし、レンタル客みたいな薄利の細い客に対するこのスタジオの態度もそれと知れる。


・劇場版ハイスクール・フリート(中川淳・信田ユウ)
・ずっと前から好きでした 告白実行委員会(柳沢テツヤ)
・ストレイト・ジャケット劇場版(ウシロシンジ)
・絶対可憐チルドレン 愛多憎生(川口敬一郎)
・コルボッコロ(糸曽賢志)
・よなよなペンギン(りんたろう)
・甲鉄城のカバネリ 海門決戦(荒木哲郎)
・サクラ大戦 活動写真(本郷みつる)
・Dance with Devils-FO(吉村愛)
・劇場版王室教師ハイネ(菊池カツヤ)
・リズと青い鳥(山田尚子)
・たまこラブストーリー(山田尚子)
・聲の形(山田尚子)
・人魚の森(水谷貴哉)
・星界の断章 誕生(鍋島修)

は観たが、個人的には特に語るところなし。
0179見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/08/03(火) 18:38:26.26ID:B30sUwGC
954:名無し募集中。。。:2021/08/03(火) 16:58:10
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0180見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/08/18(水) 17:33:19.84ID:F3Zy/hUs
「劇場版gdgd妖精s」と、同時上映の「なりヒロ」を観る。2014年。監督はふたつとも菅原そうた。
後者は14分でどうでもいい作品。
前者は61分。こっちはそれなりに笑えて妖精たちも可愛い。アドリブも多いらしく無難に楽しめた。


「豆富小僧」を観る。86分。監督河原真明、総監督杉井ギサブロー。原作は未読。
子供向けに無難にまとまっている。60か65点というところか。
対象年齢層なら充分に楽しめる工夫も結構あった。それはそれでいい。
ヒロインのパジャマ姿はなかなか可愛い。


「劇場版アイドルマスター 輝きの向こう側へ」を観る。121分。錦織敦史監督。
劇場版は数年ぶり3度目の視聴。素敵なテレビアニメ版は既読だがゲームはやったことがない。
ストーリーはまあ・・・ほぼ一列に並んだ人気のヒロインが13人ほどいる前提で、
劇場版でさらにサブヒロインを6人追加するってのは、無謀を通り越して自殺行為だよね。
何人か殺したり退場させるんならともかく、19人出ずっぱりで良作に仕上げられるお筆先なんて存在しない。
ズビグニュー・リプチンスキーがアカデミー賞とった短編アニメみたいな、ひどい搦め手使うんなら別だけど。
(そしてサブヒロイン追加の愚は脚本家の責任じゃなく、上層部のごり押しだとも聞くけど)
クライマックスの歌とダンスは、相変わらずとても好きだ。スパイダー・バースやタツノコCG班の
S級3DCGを見慣れた目でも、全然色褪せて感じない。それで本当に充分だと思う。


「劇場版ヤッターマン 新ヤッターメカ大集合」を観る。原作などはほぼ未読。93分。2009年。
脚本高橋ナツコ・渡邊大輔・菱田正和。キャラデザ上北ふたご、総監督笹川ひろし、監督菱田正和。
画コンテや演出は、菱田氏含めて5人ずつ。作画監督5人、メカ作画監督2人(補佐2人)、作画チーフ3人。
シナリオの不要部分を刈り込み、残った重要部分を膨らませる作業が、明らかに必要だったと思う。
絵の要素は絵コンテ含めおおむねかなりいいんだから、それさえしてれば相当楽しい作品になってたろうな。
金箔つきの問題児らしい高橋ナツコとは初遭遇だが、なるほどかなりお粗末なシナリオだ。
まあ菱田監督も脚本に名を連ねているんだから、彼にも充分すぎるほどの責任はあるはずだけど。
でも2011年のプリティーリズムシリーズ以降、あの親分は楽しい作品をいろいろ送り出してくれたんだからいいや。
なお過去ログを観ると、ファンたちには大好評だったらしい。たぶんそっちの感想のほうが真っ当だ。
劇場版ヤッターマン
https://changi.5ch.net/test/read.cgi/animovie/1250899714/


「カウボーイビバップ 天国の扉」を観る。115分。2001年。脚本信本敬子、演出武井良幸、
監督・絵コンテ渡辺信一郎、劇場版は15年ほど前に、テレビ版は10年ほど前に視聴。内容はもう忘れた
(というか面白い劇場版アニメの場合、再視聴の楽しみを増すために積極的に忘れることにしている)
充分に見応えある作品だ。だが爽快感100パーセントの娯楽アクションってふうじゃない。
そのくらいの気だるさのほうが、俺みたいなおっさん好みだけど。
モロッカンストリートの絵づらみたく、他アニメと違う題材を選んでるから、それだけで新鮮味は増す。
武装警察官の動きはよく勉強してあるんだろうが、ナウシカのトルメキア兵や
OnYourMarkの特殊部隊、押井作品の警官や兵隊のほうがシャープで楽しい。
空戦シーンの良さもかなりのものだが、パヤオや禿には及ばない。
(アクション絵コンテの三人も充分にビッグネームだけど)
陸戦兵器と違い、三次元機動が可能な飛行機やガンダムや潜水艦の動きを、
空想上のカメラで自由自在に描きうるアニメだと、作り手の絵の才能が露骨に表れる。
高橋良輔監督の「沈黙の艦隊」では、そこを上手にごまかしている側面もあった。
ともあれこんな感想は難癖以外の何物でもないな。題材がバイオテロなので、このご時世に見合ってはいる。
この内容で文句つけてた本スレのファンたちは、ハードルを高くしすぎだと思うよ。
過去ログ カウボーイビバップ 天国の扉
https://tamae.5ch.net/test/read.cgi/animovie/1171161629/
0181見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/08/18(水) 17:39:08.36ID:t1X7fuBd
469:名無し募集中。。。:2021/08/18(水) 16:23:15
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0182見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/08/29(日) 21:48:40.92ID:8od0FLCc
「ふたりはプリキュア マックスハート2 雪空のともだち」を観る。2005年。70分。
脚本成田良美、美術監督行信三、監督志水淳史。テレビ版などは未読。
キャラデザも作画も美術も音響も声も水準以上で、物語の根幹を成すシナリオだってそう悪くないのに
なぜか面白くない。そんな気の毒な作品にたまに出くわすけど、これもそのひとつ。
本作の場合、その理由のひとつは、一画面にひとつの意味しか込められてないシーンばかりだからだろう。
そこを上手にコントロールできれば、トトロや風立ちぬみたく、
ストーリーに派手な動きがあまりなくても、客を充分にひきつけることも出来るんだが。
あと雪の背景の描き方はかなり巧い。タイトルを汚さない腕利きぶりだ。
ジブリほか国内の有名作品はさほど雪景色を描かないから、
真似できるような達者な先達もアニメにはあまり存在しなかったろうに、たいしたもんだ。


「Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!」を観る。
脚本成田良美、長峯達也監督。2007年。70分。テレビ版とかは未読。
要するに子供騙し。この尺の短さで、主人公たちの複製敵を5人も出すのは無理があるよね。
主人公一人だけコピーして、そいつが5人全員の魔力とスキルを兼ね備えているとかで良くない?
まあ本編とDVD同梱の予告編とで、ラスボスの外見も性別も様変わりしている異常さを見ると、
内部で相当ファックなごたごたがあったんだろうとは思う。次回告知のちょっと信じがたいしょぼさも。
それと芸能人ゲストの演技は、学芸会どころかお遊戯会レベル。


「映画フレッシュプリキュア!おもちゃの国は秘密がいっぱい!?」を観る。
志水淳史監督。脚本前川淳。70分。2009年。テレビは未見。
書籍におけるしおりも、DVDにおける一時停止ボタンも無しに、ノンストップで客と作品が
向き合う映画館ってものの怖さを、テレビ作品制作で育ってきた制作陣は軽視するケースがある。
客の集中力が高まらざるをえないその良環境ゆえに、集中力と記憶力だけがとりえの
評論家たちが跋扈する惨状に、映画ってメディアはかつて成り果てた。
ぼんやりとアニメを眺めながらそんな場違いな想念にふける。それほど見応えがない。あーあ。
過去作品より良くなっている点は確かにある。「鏡の国の〜」と違い、分断したプリキュアを
それぞれバラエティー豊かな試練に遭わせた点とか。でもそれらは細目でしかない。
仮初にも捨てられたおもちゃの無念を語るんなら、せめて作品内のグッズ販促シーンを減らせば。
客の子供たちを馬鹿にしてるよね。出来どうこう以前に。


「ハートキャッチプリキュア劇場版 花の都でファッションショー…ですか!?」を観る。
脚本栗山緑、美術監督本間禎章、キャラデザ馬越嘉彦・上野ケン、作画監督上野ケン、
監督松本理恵。71分。2010年。テレビ版その他は未見。
間違いなく、観客によって評価が割れるタイプの作品だ。
本作を歴代劇場版プリキュアのベストに選ぶ人々は一定数確実にいるだろう。俺は評価しないけど。
個人的ベストは1位ハピネスチャージ、僅差の2位でドキドキ、3位がスマイルだけど、
映像面での才気のほとばしりは、その三作を明瞭に上回っている。原画陣もやりがいがあっただろうな。
ことに主役のピンクと相棒の青プリキュアの表情変化の楽しさは、プリキュアに限らず
これまで観た全劇場版アニメのベストテンに食い込んでいる。でも、それはそれだけのことだ。
多岐に渡る技法を使いすぎているから、画面がストーリーやキャラの魅力を伝えるための
無色透明なものにならず、「作り手の才気」ってフィルターがかかりすぎたものになってしまってる。
このレベルの作り手なら、作り手の意図や技巧を極力削ぎ落とす画面作り(例:片隅やもののけ姫)か、
さもなきゃ作り手の意図をこれでもかってくらい押しつけてくる画面作り(例:逆シャアでの禿)に
徹するしかないんじゃないの。そのどっちにも振れない作品に興味は持てない。
また、子供向け作品におけるタブーを冒しすぎている点も大問題だ。本作をシンプルに楽しめる子供の
割合って、歴代劇場版プリキュア中ダントツの最下位かもね。そういうのは大人としても首をかしげる。
まあ、多作な長期シリーズ劇場版の中に、異色作が多少混じっているのは健全なことだ。
0183見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/08/29(日) 21:49:02.40ID:8od0FLCc
「スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!」を観る。2012年。71分。
作画監督小松こずえ、絵コンテ黒田成美・佐々木憲世・大塚隆史、監督黒田成美。テレビ版などは未見。
内容にはなかなか満足。脚本の米村正二はアンパンマンで見慣れているが、本作もそつなく高品質だ。
ストーリーの密度をさりげなく高める手練手管が随所に見られ、素直にこちらを楽しませてくれる。
細かなアラはいろいろあるが気にならない。
演出も上々。バトルでの浦島の扱い方が、ベテランの余裕ある遊び心だという感がある。
スタッフロールの背景絵で、主人公たちではなく、ゲスト同士の交流にかなり枚数を割いているのも好きだ。
「毎年納品される、超長期シリーズのありふれた娯楽映画」の中にも、
作り手たちのはっきりした意思が見られるから。それなくしては惰性と商業主義に流れがちだし。
その背景絵のすべてが笑顔なのもいい。スマイルプリキュアという題名にふさわしい。観て良かった。
……劇場版アンパンマンが傑作をいくつも輩出できたのは、ある意味で「当たり前のこと」だ。
やなせの才能と志はそれほど大きく、版権料をなかば投げ捨てたその遣り方は
金勘定において清廉で、アニメスタッフ陣も充分に有能なベテランぞろいだ。
だがプリキュアシリーズは最初から、骨の髄までマーケッティングと商業主義に浸っている。
DVD映像特典の予告編のすべてに、グッズの販促が付け加えられてるシリーズなんて、これ以外にあるの?
そして、現場にとっては随分劣悪なそんな環境で、なお良作を送り出せたスタッフたちに、俺は大きな敬意を払う。


「映画GO!プリンセスプリキュア 3本立て」を観る。合計76分。2015年。テレビ版は未見。
短編は貝澤幸男監督。長編は脚本秋之桜子、監督座古明史。中編は監督宮本浩史。
短編は、たった5分の長さのをまともに言挙げしてもしょうがない。
トランポリン的なジャンプを子供が大好きだって点を生かしたシーンは良かった。
長編は、子供の感受性を見くびる作品を、大人の観客が重んじねばならない理由もない。
必殺技の命中後に、脈絡なく花火がたくさんあがる点は悪くなかった。
中編は、他の二本よりはずっとマシ。テレビ未見の俺が最低限楽しめるレベルには達している。
3DCGで全編作画をする場合、立体を作ろうとする作り手の感受性が悪影響を及ぼし、
客にキャラやストーリーでなく空間を見せるって意識が
過大に膨れあがる失敗例がままあるが、その弊に陥ってないだけでも上出来だ。
ゲストの声は、声優では出しにくいっぽい魅力で好み。13歳とからしいが。


「キラキラ☆プリキュアアラモード劇場版」を観る。70分。2017年10月公開。
脚本村山功、監督土田豊。テレビとかは未見。シリアスひかえめでギャグ重視路線。
冒頭の掌編(ポッピンQの監督さん)も含め、ぬるいけどほどほどに笑えて、これはこれで楽しい。
剛速球で沢村賞を取れるタイプの傑作はアニメ映画にいろいろあるんだから、
インチキ風水魔球で甲子園を目指すみたいなタイプの良作は、なかなか新鮮ではある。
舞台が同じパリで幼女向けのギャグ映画が、2016年3月にも出てた気もするが、まあ偶然ってことかね。
あと、プリキュアシリーズの明白な穴として、主人公たちの専用移動手段がろくにない点が挙げられそうだが、
(プリリズRLのトレーラー、タケコプター、アンパンマン号など子供向けの名作はそこが揃ってる)
本作ではパリ市街でプリキュアたちがタクシー活用してて笑った。
0184見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/08/29(日) 21:53:09.25ID:8od0FLCc
「映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターメモリーズ」を観る。
テレビ版その他は未見。宮本浩史監督。74分。
美味しい料理にひとつまみの砂が混じっている、そんな印象を個人的に強く受けた作品。
別に砂利や毒薬が混じっているふうでもないし、あまりに微細な違和感だから
自分の感じ方が精確なのかさえも、自分自身で判定できない有様だが。
それは序盤で言えば、5分01秒時点での場面転換のわずかな唐突さ、
6分08秒時点でハムスターがソースまみれになる箇所の、発声のわずかな先走り感、
13分07秒で白と黒がピンクをかばうシーンの、わずかなタイミングの遅さといったシーンになる。
まあ作品の出来の問題というより、きっと俺とこの作品の相性が悪いだけなのかもな。
他のジャンルの作品にも、たまにそういう不幸な出会いはあるし。
それにそもそも子供向けのシリーズ相手に、こういう些細な違和感を根拠とした文句をつけても始まらないかも。
あと、ボス敵の設定は古来からのつくも神っぽくありながら、かなり現代的で工夫を凝らしていると思う。
声や造形も含めて、宮崎駿のカオナシを少し連想させた大物敵キャラって
俺の経験ではアニメでは初めて出会ったから、そこも含めて瞠目すべき作品なのかもしれないが。


「映画スタートゥインクルプリキュア」を観る。脚本田中仁、監督田中裕太。71分。
テレビ版未見の身からすれば、絵もシナリオも緩んでいる。でもウユニ塩湖はとても綺麗。
最後のあたりのボーカル曲も結構聞き応えあったし、終わりよければってことでいいと思うよ。
どうせ100円レンタルだし。
もっときつい感想を言うなら、沖縄なりウユニ塩湖なりギアナ高地なりといった、
「実在する鮮烈なモチーフ」にもたれかかりすぎた作劇だよね。
真に優秀な監督なら、そういうのを用いるとしても依存しすぎないように、かなりの創意工夫をぶち込んでくる。
片隅における柔らかな筆致の戦艦大和や、かぐや姫の登場の仕方や、また風立ちぬにおける大地震の諸描写とか。


プリキュアの単発映画を計13本(今回9本)通読して驚いたのは、
「感想を記す気にさえなれない作品」が、ただのひとつもなかったことだ。
(一本かそこらちょい危ういのがあったが)
尺・予算・納期・題材・スタッフの才能などに相当の制約があるだろうに。
その理由も色々あるんだろうが、第一に、現場がおおむね並々ならぬ努力を尽くしているからだろう。
敬意を払うに充分な仕事振りだと思った。


単発映画を見終えたあと、大量のオールスター映画も、古いのを中心に8割がた観てみる。
テレビ版は全シリーズほぼ観てないので、まともに評価できる立場じゃないけど、
デラックスの1と3の出来は水準を大きく越えていて、2は少し越えている。
ニューステージの1と2は水準作で、3は大きく越えている(ただしニューステージの1と2を見ておくことが前提)。
それ以降のオールスターものは大半がナニという印象だ。
デラックス三作は監督がすべて共通、ニューステージ三作は脚本家がすべて共通している点を
かんがみると、このシリーズでオールスターものを良作に仕上げるには、
相当戦略的な視点が必要なんだろうなーと勝手に想像している。
それにしても主要メンバーが50名くらいいるのに、非優等生が数名しかいないシリーズって凄いね。
ひねくれ者の自分としては眩暈がする思いだ。
0186見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/10/14(木) 21:51:48.83ID:qgzPDSAH
「劇場版少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」を観る。原案・監督幾原邦彦。TV版は既読。
これが数回目の視聴。相変わらず幾つもの点で凄まじいとしか言いようのない問題作だし、
アンシーが鍵を手にした以降の展開に面食らわされるのも変わらないが、
今回の視聴では「千と千尋の神隠し」との類似点を幾つか見つけた。
たとえば鍵以降の展開でチュチュをアンシーのお供につけなかったのは、
千尋がボイラー室への階段を降りる際に、ハクが式神とかを護衛につけないって展開の潔さ
(それは意気消沈する千尋の背景にアジサイを咲かせる、パヤオの作家としての愛情と連関している)
と相似のものだといまさら気づいた。
また鍵以降で別作品みたいにテンポなどが激変するのは、「千尋」の電車以降の展開での変化と等質かもしれない。
それと赤の使い方だ。「千尋」では美術に派手に赤を使いながら下品さを免れてるが、
ウテナにおいては、質・量ともに前代未聞のレベルで赤を多用しながら、
上品かつ濃厚・妖艶なまでの画面作りに成功している。
この点において、幾原邦彦・小林七郎のタッグは、
宮崎駿・武重洋二(小林七郎の孫弟子)のタッグwith男鹿和雄を、明らかに凌駕してる。
パヤオも七郎さんとまた組んで、ボールペンを投げつけられてれば良かったのに。
あと薔薇の奔流のシーンは、細田守の歴代の最良の仕事のひとつだ。
それと決闘場は、アイドルアニメでのステージの用い方の先駆けのひとつだったのかもな。


「WakeUp,Girls! 七人のアイドル」を観る。51分。テレビ版やこの監督の諸作品は未読
脚本待田堂子、原案・絵コンテ・監督山本寛、
なにやらかしたのか興味ないけど、この監督には相当粘っこい批判者がついてるとは
知ってたが、脚本が待田氏なら最低限の質は保てているのかなと思い視聴
内容は、悪い意味でもいい意味でも、恥ずかしい作品だ
欠点は無限にあるが、他の観客が幾らでも指摘してるんだろうから割愛する
長所は、冒頭部でサイリウムの輝きが急激に増えていくシーンがひとつ
ラスト直前で、雪降る仙台の屋外で、少女たちがああいう形で制服の衣装姿になるところがひとつ
その直後のライブで、少女たちががっつりパンチラやへそチラしながら、
それでもなぜかさほど視聴者に媚びている印象も無く、悪くない歌と踊りを見せたところがひとつ
あのポスターソードを装備したザ・オタクも嫌いじゃない
雪の中でカバーもせずに紙のグッズをむき出しにしないだろうとは思うけど


「劇場版ラブライブ!サンシャイン!!」を観る。100分。
監督・ライブパート絵コンテ酒井和男、キャラデザ総作画監督室田雄平(総作監は計8人)、
ライブパート演出酒井和男・八木郁乃・安藤尚也。原作やテレビアニメは未読。
本編のストーリーはお話にならない。見所はライブパート。
冒頭、39分、58分、75分、79分、93分の6箇所だが、冒頭以外はどれも出来がいい。
特に4つ目のライバルチームのダンスは、高校生?のメスガキ二匹のケツの振り方がそそられる。
舞踊ってセックスでもあると思うんだけど、タツノコや東映の3Dダンスは子供向けアニメだから、
そのあたりの魅力を全然引き出してくれないんだよね。アニマスとかも真面目だし。
それに禿ガンダムや川尻・出崎あたりを除いて、そもそも有能なアニメ監督ってみんなお上品な作風だしな。
そのスカートやスパッツをひきずりおろしたい!と思わせるバッカスの巫女に出会えて嬉しい。
そうやって長所のみに着目するならいい作品かもしれない。
あと作り手は、虹が出る条件と紙飛行機の飛ばし方を、風立ちぬあたりから学んだほうがいい。


「劇場版ラブライブ!」を観る。99分。ライブパート演出京極尚彦・河野亜矢子・安藤尚也、
監督京極尚彦、脚本花田十輝、CG協力に乙部善弘とタツノコのデジタル制作室。
2年ぶり2回目の視聴。原作などは未読。テレビ版は第一期を半分くらい見た。
ストーリーパートは、オーソドックスな画面作りに徹している。
そこそこの面白みしかないが、9人の少女たちをおおむね均等に立てて、
しかも画面をごちゃつかせないのは、口で言うほど簡単ではないのも分かる。
それさえ出来てない劇場版アニメってとんでもなく多いし。
(あと、見知らぬ街で迷子になる主人公≒進路に迷う主人公で、そこをああいうキャラが
導いてくれるっていうダブルミーニングくらいはきちんと仕込んである。そこも相応に堅実だ)
6曲あるライブパートはどれも充分魅力的だ。まあ京極氏にはタツノコに出戻って
森脇・菱田両監督の下で、乙部さんともどもCG演出でこきつかわれてほしいってのが卑しい本音だけど。
0187見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/10/20(水) 21:50:55.24ID:de48ORPg
「マクロスΔ 激情のワルキューレ 劇場版」を観る。監督・絵コンテ河森正治(原作や脚本の一部も)。
119分。2017年。テレビアニメなどは全マクロスシリーズとも未読。たぶんテレビの総集編映画。
以前観た「創聖のアクエリオン劇場版」と同じく、わりと訳がわからないけど魅力的ではある作品だ。
俺にとってはその理由はふたつ。通常の作劇術を結構無視したストーリーなためと、
いろいろな意味で青年向け(あるいは青少年向け)な作品であるため、だろう。
前者は、たとえばエヴァ新劇場版4作も似たような風味ではあるが、
あっちは私小説のフォーマットを流用しているから、本の虫としては理解の手がかりは多かった。
後者は、俺の好きな映像作品は子供向けか大人向けかどちらかの場合が多いから、
中間の青年向けの作品を的確に捉える論理が、個人的にあまり出来上がっていない。
まあ俺ごときに理解できてしまう作品なんて底が浅いケースが多いし、
このシリーズが物凄く長く続いているのも由無しとはしない。楽しかった。見事だと思う。



「赤色エレジー」を観る。26分。音楽監督あがた森魚、音楽鈴木慶一、原作・原画・脚本・監督林静一。
監督はロッテのお菓子の小梅の人だな、確か。あの絵は可愛いけどこの作品はどうってことない。
あと東映アニメーションの作品で、大塚康生氏をチョイ役の悪役で使ったのはどういう了見?
「動画の神様」ってキャプションがあったところで、そんなに気持ちいい展開じゃないよ。



「ある街角の物語」を観る。原案・構成・製作手塚治虫。39分。1962年。
パヤオが「出発点」の中でけちょんけちょんにけなしてたけど、実際観てみたら、
あれでも舌鋒を緩めていたんだなと判った。それほど荒涼たる出来だ。
だから以下はネタバレを気にせず書く。

・最後が戦火による(ほぼ)バッドエンドで終るのに、9分30秒時点まで不吉な要素が
 なにも出てこない。タイトル単体でも不吉さがない。しょっぱなからひどい構成ミスだ。
 しいていえばアパートの壁の黒さや、雲が少ない青空が不安をそそらないでもないけど、
 でもいくらなんでも、そこまでの深読みを観客に求めてほしくはないし。
・10分時点でようやく、悪役っぽい軍人ポスターが一枚だけ出てくるけど、
 それだけであれだけ陽気だったポスターたちの騒ぎが、ぴたっと止まってしまうんかい。
 それは軍人ポスターの側の問題じゃなく、ひ弱な陽気さしか持てなかった善キャラたちの問題だろ。
・たった一瞥で善キャラポスターたちの陽気さを鎮火させたにもかかわらず、
 悪役ポスターはそれ以降ずっと暴虐を振るってみせない。そして終盤28分以降でまた唐突に活躍する。
・舞台が都会の雑踏にもかかわらず、(準主役の少女を除き)本物の人間たちがしばらく全く出てこない。
(これは、序盤はほぼネズミ視点で話が進んでゆくから、出す必要が無いと考えたのかもしれないが)
 12分時点でやっと出てきたと思ったら、葉っぱなどを踏み潰す無神経なモブとしてのみの登場。
 そしてそれ以降また全然出てこなくなる。
・9分30秒時点までは頻繁に出てきた少女やネズミたちが、軍人ポスター以降唐突に舞台から失せる。
 そして18分時点で前触れ無しに出てくる。キャラの出し入れが恣意的すぎる。
・ラストは、基本的には少女やぬいぐるみは殺すか、あるいは大怪我を負わせるべきだった。
 そうしない展開をこのストーリーで選ぶというなら、相当に説得力ある演出が必要になるはずだ。
 でも本作品のレベルは、その高さにまで到達してない。
・最後の若芽は客を舐めくさっているとしか思えない。

全編これ安易。映像面の細かなアイデアは、なかなか面白いものも多いんだけどね。
短編用のアイデアとしての面白さ、だけど。
もともと15分程度の短編だった企画を、むりやりに39分の中編に引き延ばしたのではと疑う出来だ。
パヤオが「いちいちそれ(=批判)を言葉に挙げていうのはしんどいから言いませんが」
って書いてたのは、本心だったようだ。あれでも批判の筆を抑えている。
戦争観も、いくらなんでもこれは・・・福田恒存あたりの名が売れて15年くらい経つでしょ? 1962年なら。
原画や動画に杉井儀三郎や林重行(りんたろう)がいたけど、手塚氏を止められなかったのか。
杉井氏については、内心いろいろ思ったからのちに「タッチ」を監督したのかもしれないけど。
0188見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/10/20(水) 21:51:51.11ID:de48ORPg
「科学忍者隊ガッチャマン 劇場版」を観る。鳥海永行監督。
たぶん初めてこのシリーズに触れたが、いまとなっては古くて退屈。
マシンガンの連発を、大車輪で避けるところだけは少し笑えた。
0189見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/10/20(水) 21:52:06.99ID:de48ORPg
「劇場版トリコ 美食神の超食宝」を観る。81分。脚本村山功、監督座古明史。
原作その他は未読。ごく平凡なバトル物アニメなんだろうが、なかなか満足感は高い。
なにやら上映時は途轍もなく客入りが悪かったらしいが、
そんな不名誉を押し付けられる内容じゃないはずだな。
脚本は劇場版プリキュアで勢いある佳作を送り出してきた人だけど、今回もいい仕事をしている。


「Missing Halloween」を観る。作り手Mike Inel。10分。
Youtubeでの再生数2000万、コメント10万はちょっとした数字といえる。
きわめてインパクトがあり、素敵で、そして俺が心の底から嫌いぬいているごく稀な作品の一つだ。
そして俺にとっては、その素敵さゆえではなく、その激しい嫌悪感を引き出してくれたがゆえに、大いに価値ある作品だ。
火垂るの墓の偉大さと、パヤオがハッピーエンドにこだわった理由が、これを観るとよくわかる。
また、とある理由により、特に若おかみファンなら観て損はないかもな。
なお本作のニコニコ動画での視聴は、コメントを消してもネタバレがあるので非推奨。


「Draw with Me」を観る。3分。ニコニコ動画でsm6478087(俺はよそでの上映を観たけど)。
作り手Mike Inel。この人の作品のいくつかは、俺にとっては異常に強い訴求力を持つ。
その理由の一つが、恋愛関係でもないのに主役二人の距離感がやたら近い点だろう。対幻想、か。
商業アニメでの類似例ならふたご姫やラピュタだ。前者は双生児の主役二人の掛け合いで物語が彩られ、
後者のラピュタ絵コンテには、冒頭でパズーが屋根から墜落して起き上がるところに
「シータ、パズーを好きになる」と早くも記されていて、パヤオの人間把握に驚愕する。
(乙事主とモロを昔いい仲だったとアフレコ現場で突然設定して、俳優の演技に艶を持たせたその解釈とかも)
だが歴戦のプロの佐藤順一や宮崎駿と違い、Inel氏はアマチュアに近い立ち位置なんだろうから、
その距離感の近さは劇薬にもなりうる。具体的にはたとえば、パンチの腰の甘さや、
精神病患者以外が鏡文字を記すことの至難さへの無配慮が、どこ由来かって話だ。
あけすけに言えば「強烈な飛び道具をひとつふたつ持っているからって、それで作品が成立すると思ってるの? 甘いよ」だ。
「Missing Halloween」における警察描写・大樹描写・母の腰の抜かし方とかもそうだけど。
まあ15年後に、日本の興行収入でこの人が30億円を叩き出していても驚かないけど。


「アンドロメダ・ストーリーズ」を観る。演出佐々木正光。
公開当時ならそれなりに観客も満足できた作品だとは思う。
駄作ではない。いい部分もいろいろとある。
だが現代の目から見ると、爆発シーン、メカニック描写、ファンタジー要素の描写の陳腐さが目につく。
また、竹宮恵子の漫画版にあった、男性外見のバリエーションの乏しさが、
アニメになっても克服なりフォローなりがなされていない。
背景美術も、ジブリ以前の作品だなと強く思う。
吹雪のショボさはどうしたって風立ちぬやホルスの凄さと比べてしまう。
パヤオは冬景色をめったに描写しない作家だし、ホルスはこの作品より昔だけど。
ともあれ、手抜きとは言わないが、絵の省力化が全編通じて見受けられる。
表情アップの多用とか、さまざまな漫画的手法とか。
凶悪なスケジュールに追われているテレビアニメならともかく、劇場版でそれは見たくない。
別にあら捜ししているわけでもないが、作品の傷が自然といろいろ目につく。
絵はおおむね竹宮恵子の絵柄に似せられているし、ストーリー自体は悪くないんだが。


「レゴ バットマン・ザ・ムービー ヒーロー大集合」を観る。70分。2013年。
レゴ関連アニメもバットマンもスーパーマンなどもほぼ初見。
世評が高かったが、なるほど娯楽作としては充分以上の出来だ。ファンを多数生み出したらしいのも頷ける。
でもアンパンマンやプリキュアの上位作品のほうが、ずっと俺の好みだ。予算は二桁違うだろうに。
結局のところスコセッシの指摘通り、映画ではなくテーマパーク的な楽しさのみをもたらす内容だ。
それはそれでいいと思う。「それこそがいい!」って雄叫びとは縁がないし、目指してもいないだろうけど。
なおおまけムービーのティーン・タイタンズは、健全なロリショタ趣味なので悪くなかった。
0190見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/11/19(金) 13:04:23.30ID:XE4PhkgJ
「魔女の宅急便」を観る。102分。宮崎駿監督。10年ぶりくらいで、数回目の視聴。原作は未読。
いまさらこの作品の素晴らしさについて、語る必要もないだろう。
たしか二回目に観たのは中学生の頃だったが、感動と満足とは別に
「テレビ局やトンボの描き方が、この監督にしては甘いな」
と思った感想は、いまでもあまり変わってない。俺も本当に進歩がないな。
後者については、パヤオの中にいたずら好きの明るい悪ガキ要素があまりないからだろうな。
禿とかリトルウィッチアカデミアは、そのあたり巧いなーと思う。
34分42秒前後の、舞台となる街の全景も少しだけ甘い。未来少年コナンよりはずっと進歩してるけど。
(つーかハイハーバーの全景のいい加減さは、あの傑作の数少ない欠点のひとつだったはず)
51分前後の、重い荷物を抱えて運ぶキキの手つきも気に食わない。
ダンボール箱の下に手を回したほうがずっと楽なはずだし、13歳までああいう家庭に育って
たまにキャンプもしていたようなら、そのくらいわかっているはずだが。
雨に降られて困ってるシーンが二回あるのも、二回なら許容範囲内ではあるが、パヤオにしては苦しい。
(ラピュタで、要塞襲撃と王城攻防の印象がかぶってると思われがちなのとは訳が違う。あれは物語の根幹にかかわりかねない要素だし)
ほうきでの飛行にとって雨は本当に大敵なはずで、もう飛び始めて何年もたつんだから、それなりに注意や対策はあってもよくない?
51分58秒の描写と57分55秒のを較べればパヤオの意図はある程度理解できるが、あくまである程度でしかない。
まあそんなのは全部因縁つけてるだけだからどうでもいい。
カラスに好かれるウルスラ(たしかパヤオのオリキャラ)は、魔女の血を遠くひいている可能性がなきにしもあらずだし、
キリスト教において聖ウルスラは女子教育の守護聖人だってことを踏まえると、パヤオの遊び心もいろいろと推測できる。

「リトルウィッチアカデミア」「リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード」を観る。
26分と55分(テレビアニメ版とは別)。二本は一枚のレンタルDVDに同梱。数年ぶり4回目の視聴。
原案・キャラデザ・監督吉成曜。「面白い娯楽作品」と「楽しい娯楽作品」は、わずかだが明らかに違う。
前者はそこそこ見かけるが、後者は俺にとってはかなり稀にしかお目にかかれない。本作は後者だ。
そのレベルに達した作品に、あれこれ講釈を垂れる野暮もいらないだろう。
二作目において主人公の精神的な復活が、自力ではなくまあ師匠のおかげ
(形見の杖に魔力が突然ふきこまれたため)であるところが好きだ。
元気いいけどとても未熟な(そしてだからこそ将来が楽しみな)この主人公に相応しいと思うから。

「映画レイトン教授と永遠の歌姫」を観る。98分。企画・プロデュース・ストーリー原案日野晃博、
原作レベルファイブ、脚本松井亜弥、キャラデザ総作監杉光登、監督橋本昌和。
絵コンテや演出にも結構な面子が揃っているが省略。原作その他はすべて未見。
内容は、カリオストロやラピュタを本気で真似ようとしているらしい。それはそれで稀に見るふるまいだ。
作り手が自分の才能をねじ伏せ、膝下に置けるようになれば、いずれはその「目標」もかなうんだろう。
とりあえず監督やってる人の名前は記憶の片隅にとどめておく。
本作の重大な手抜かりの一つは、謎解き形式を採った子供向け作品でありながら、中盤までのメイン面子において、
大人に較べて子供キャラの人数が少ない(又その子供キャラが、小林少年ポジ以外は全員少女しかも文系である)点だ。
子役にどういうポジションを与えられるかとかって問題があるから。
(なんで車の荒っぽい運転ごときで文句つける少年が、あんな超アクションを繰り広げられるのか、とか)
そしてそれは、最終的にはこのジャンルの存在意義にまで話が及ぶ。

・ルー=ガルー(藤咲淳一)
・劇場版NARUTO 雪姫忍法帖だってばよ!(岡村天斎)
・天空のエスカフローネ VISION1(赤根和樹)
・劇場版エスカフローネ(赤根和樹)
・バースデー・ワンダーランド(原恵一)
・河童のクゥと夏休み(原恵一)
・涼宮ハルヒの消失(石原立也・武本康弘)
・映画中二病でも恋がしたい! Take On Me(石原立也)
・WakeUpGirls 青春の影(山本寛)
・忍たま乱太郎の宇宙大冒険二編(吉田光春)

は観たが、個人的には特に語るところなし。
0191見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2021/12/30(木) 19:48:10.85ID:ln11ndt0
「映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ」を観る。104分。監督・絵コンテ宅野誠起。
サッカー絵コンテ石井輝、サッカー作画監督増井俊介、演出臼井文明・宇和野歩・宅野誠起。
3DCGレイアウト門沢奈緒美、脚本高橋ナツコ、原作新川直司。原作その他は未読。
(3DCGの制作スタジオが記されてないっぽいけど、まさかライデンフィルムにそこまでの実力があったの?)
地味かもだが、かなりの出来だ。真実にかすっているか、あるいは手が届いている。
背景美術の一部などが甘いから、作品が真実それ自体にまで高められているとまではいえないが。
(また終盤のイベントは本来かなり強引だから、そのくらいの高品質でなければ見るに耐えなかっただろう)
存外な掘り出し物だ。個人的には21分12秒前後の、主人公のカモシカのよーな足が好きだな。
あと女子中学生主人公のサッカー少女と、部のマネージャーの少女が、部活動で健全にひっついているのが
ちょい百合っぽく、そのくせ唇がふっくらしたキャラデザで、仕込めば幸せなフェラが堪能できそうなのがツボ。
同時にその唇が、しょせん二次元にすぎないはずのキャラに肉感や実在感をもたらす一助となりえている。


「らき☆すたOVA」を観る。42分。原作その他は未読。監督武本康弘。
萌えアニメなので大して期待してなかったが、結構よく出来ている。
キャラクターの「感情」ではなく「気分」を描く作品の場合、ストーリーの構造に頼れないから
細かな芸をたくさん披露してくれなければ個人的にそっぽを向くが、充分に及第点だ。


「ノラゲキ!」を観る。24分。監督安藤裕章、原案・脚本佐藤大。
なかなかシャープでシニカルな短編。旨い酒を一杯軽く飲んだような満足感がある。
オチ自体はありふれてる点とかは、俺は気にならない。あと初回視聴時は一時停止は非推奨。
スタッフロールでキャラ名が「好青年」「オタ女」「中年男」などと
カテゴリー名でのみ示されているのもそれっぽい。個人的好みはオタ女と猫。


「レゴ・ムービー」を観る。100分。ややネタバレあるので注意。
色々と気合入った作品だ。相当優れている、のかもしれない。
実際評判はきわめて良かったらしい。でも俺は、嫌いとは言わないまでも実に苦手だ。
長尺の上映時間を8割がた消費した時点に来て、ああいう似非パヴェル・コウツキーな禁じ手を使うのはありなの?
いかにも「レゴ」の映像化に相応しい作劇とも言えるけど、でも伏線を一箇所くらいしか張ってないはずだし、
そもそも伏線が伏線として機能する種類の展開じゃないよね? 物語世界を統一できてさえいないんじゃないの。
たいていの観客の善男善女はあのインパクトに素直に騙されてくれるんだろうけど、
ガワを剥げば使い古しの親子ネタだし、剥がなくても細部のつくりこみがじっくり見ると甘いし
(子供向けレゴブロックの収納箱まわりとか)
相当ハイレベルとはいえ、要するにウェル・メイドでしかないと思う。
それは例の禁じ手それ自体だけじゃなく、物語中盤のもろもろの傷や、また禁じ手以降の画面作りの緩み方にも言える。
(だから「作品の完成度が大幅に落ちるのを覚悟の上で、子供向け作品として年少者に真正の衝撃を与えたかった」って弁も通用しない)
たとえばハピネスチャージプリキュア劇場版(全71分)では、ラスボス撃破後の66分30秒時点、
主人公とゲストヒロインとの最後の会話で、「出来るよ、つむぎちゃんなら絶対!」と言われたとき、
ゲストヒロインつむぎの横顔に髪がかかり、瞳が見えなくなる。
物語の最終盤においても遠景でそこを描写するって発想を抱けることが、傑作の傑作たるゆえんだし、
他の名匠たちの傑作群も全部このレベルのテンションが保てている。でもこのレゴ・ムービーはそこが弛緩してる。
(ついでに、主人公とつむぎのその会話が、現実でも異世界でもない謎空間でなされている点も、
レゴ・ムービーにおける異世界の取り扱いと比べて、作品と自然に融けあっている)
最近の代用食はずいぶんグルメ志向なんだな、と冷ややかに思う。スタッフロールのいいかげんさも含めて。


おまけ。文化庁メディア芸術祭の、短編アニメの最終選考から、気に入った歴代作品八十数本の雑感。
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1632347113/357
0192見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/01/01(土) 22:50:18.88ID:66rew4S8
「鉄人28号 白昼の残月」を観る。95分。監督・脚本・絵コンテ今川泰宏、演出古川順康。
原作その他は未見。充分によく出来た作品のはずなんだけど、なぜか好きになれない。
娯楽においてなぜ苦手なのかを客の身で分析しても不毛だから、(初見で見抜けるレベル以外の)理由はわからんが
あえて言えば、作品ないし作り手が時代と向き合ってない気がする。
舞台となる高度成長期にも、作品の制作時期である平成時代にも。
片隅・マイマイ新子・風立ちぬ・少女椿・二度と目覚めぬ子守唄・あしたのジョー・カッパの三平など
そこそこ似た舞台の良作傑作は色々あるから、それらと無意識に比較しての感想なんだろう。
復員軍人でごったがえしている汽車の中の描写の、なんとはなしの違和感や密度の乏しさとか
19分16秒の人ごみとかのややコミカルな描写が、かなりリアル寄りの背景とあまりに不調和な点とか
(それをいうならそもそもの絵柄のコミカルさからして、だが)
21分06秒で兵隊の行進をコピペで描写した点とか、
生身で戦闘機にしがみついたのに背広を脱ぎ捨てない点とか
(強風に無駄に煽られて超危険だし、そこをスルーできるギャグ映画じゃない)
過去っぽさを演出するための彩度の乏しさが、逆に足を引っ張っているシーンの多さとか、
最後に「完」の文字を、筆書きで画面いっぱいに「力強く」記したことのこけおどし感とか。
Gガンダムはかなり好きだったんだけどな。



「預言者」を観る。84分。海外アニメ。
予告編を見た段階では相当期待できそうだった。だが本編は好きになれなかった。

たとえば10分28秒前後で、少女が机の下に隠れる動作が甘い。不要に滑らかすぎる。
魔女の宅急便の冒頭でキキが枝折戸をくぐる描写や、千尋が息をとめて橋を渡った直後に前庭にもぐりこむ描写や、
釜爺の部屋を出る際にお礼を言うあたりの描写と比べて、だ。
似たような違和感を本当にあちこちで感じる。それは単に作り手の技量不足ではないだろう。
雑魚には決して描けない場面も同じようにあちこちに転がっているのだから。

この作り手は何かを信じすぎている、という印象を受けた。
自己の力量をか、題材をか、言葉をか、2Dと3Dをある程度融合させたらしいその技法をか、
そこを詳らかにするほど、この作品への愛着もないけど。

他人が生み出した技法を自分の作品内にぶち込んで調和させるには、
いくつかのやり方があるが、どれも相当の手続きが要る。たとえばBDにおける押井氏にとっては、
エッシャーという他者(画家。しかも特異な)が生み出した美の構造を探ることが必要だったのだろう。
(氏がアニメーター出身の監督だったら、別のアプローチを用いたかもしれない)
でもこの作品はそれを充分にやり通していないと思う。
それは絵の技法だけではなく、言葉の技法についても同じかもしれない。

それと主人公格の少女がどうも不細工で、そしてその必然性が薄いのも嫌だ。
千尋やアリーテ姫にはブスである必然性があったし、そんな傑作と比べなくても、
たとえば同時期に鑑賞したチェコのテレビアニメ?の「アマールカ」だ。
あれの主役の妖精の少女は稚気ある絵柄だから、整った顔立ちを必要としていない。
作品が作り手に求めてくる様式を踏み外していないかが、そのあたりの調和の成否の分かれ目なんだけどな。
一部の文芸作品って、主役級を軽々しくへちゃむくれに描くよね。思慮が足りない。

よそではまずお目にかかれない、素敵でなかなか独創的な映像表現も多々見受けられたから、
観てぜんぜん損はしない。俺みたいな喧し屋のマニアにその満足を与えてはくれた作品だ。
だがそこどまりだな。相当いい線いってるんだけど。
0193見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/01/04(火) 06:32:20.78ID:8iefRE+I
「ほしのこえ」を観る。監督新海誠。2002年の作品。24分。たぶん初見。
ある意味で評価に困る作品だな。理解は出来るが納得は出来ない内容だが、
その納得のいかなさが、作り手の相応に優れた感受性や「技術」から生まれていることもわかるから。

舞台設定は2047年だそうだが、描写はレトロに寄せている。
制作時の2002年時点で、各国である程度電線地中化は実用化されていたと思うけど、
当作品では、地球の空には遠慮なく電線を描いてある。
たいていの絵描きは空に架かる電線を描きたがらないものだけど、
冒頭部の非常階段の高みからの眺めさえ、画面の下部に送電線の鉄塔を描いているところからも
作り手のいくつかの意図は透けて見える。異星文明との接触で科学技術は向上しているはずなのにな。
紙媒体の新聞(動画を組み込んであるとはいえ)がまだ(こういう受容のされ方で)残っている点とか、
もっとはっきりしているのは、コンビニ入り口の小看板の内容とか。
SF要素は衣装にすぎず、本体は思春期ものだな。
その場合、俺みたいなおっさん客が作品を判断する際の最良のものさしは
「この少年少女に、未来を託したくなるか?」なんだけどね。
(だが小学校の教師みてーなこの判断基準は、それゆえに出来損ないのものさしに成り果てうるが)
その意味でも、2047年という舞台設定には相応の興味が湧く。
現実世界においても、まだ当時の観客や新海氏自身が、生きながらえていそうな年度設定だから。
あと3年で21世紀が半分終わるって時点で、今となっては日本の興行収入トップ層に躍り出た氏が、
22世紀についてなにを考えうるか、とか。

ヒロインの宇宙戦闘時に、戦友や上官や敵の実体が一切出てこず、
音声案内も機械的でしかも英語で処理した点、
3分25秒時点からや13分29秒時点からやでの、雨に濡れた足跡をほんの一部分でのみ描く点、
それらは技巧や感受性のひとつのありようだけど、個人的にそっぽを向きたくなったのも事実だ。
だが、それとはとりあえず別に、冒頭部でヒロインに「私、寂しいんだよ」と
ひとりごととして明白に言わせた部分や、3分50秒時点で自転車二人乗りを真正面からアップで描いた部分、
4分22秒時点で都会の夕映えと満天の星空を重ね合わせた部分(光害の関係で、現実には起こりえない)
のぬけぬけとぶりは、どこかでパヤオに似ている。
未来少年コナンやラピュタで、少年少女を水中呼吸させたりじゃれあわせたりし、
また千尋で夜空の月を三日月→満月→半月と変化させたぬけぬけぶりと。
そういう意味で、新海氏がのちにメガヒットメーカーになってしまう兆候は、なくはなかったんだろう。
だからこそ、本作に対する高畑監督の有名な批判は、いまだに重くありつづけてるんだろうけど。

この作品でスマッシュヒットを飛ばしたデビュー時も、君縄でのブレイク時も、彼はアニメ業界にとっては
異物たる黒船の役割を背負わざるをえなかった。東映動画の血を継いでるパヤオ及びジブリとはそこが違う。
その苦しい環境を深く直視し、その土壌に作家性を花開かせる方法論を我が身に叩き込んだなら、
黒船後にやってくる維新を、氏みずから巻き起こすことも出来るのだろう。
それが出来なければ、自身の器量を上回る過大な運命に翻弄される、気の毒な元青年のままでい続けかねない。
デビュー作をほぼひとりで作り上げた人に、どんなスタッフがついていけるのかという点も含めて。
0194見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/01/25(火) 16:06:50.78ID:lsnmU5YR
「新暗行御史」を観る。監修・プロット・脚本本郷みつる、監督・脚本志村錠児。原作その他は未見。
最悪でも小林七郎の美術だけは期待できるかと思ってたが、まさしくそれしか楽しめなかった。
冒頭部、砂漠での水の飲み方がなってない。一気にがぶ飲みすれば喉を一瞬で通り過ぎてしまい
喉のひりつきが収まらないから、舌で転がすように少量ずつ飲むに決まってる。
徒歩での旅に慣れている奴なら常識だろ。まして唇から水をこぼすなんてありえない。
監督や演出は数十年生きてきて、水道の完備されてない土地に赴いたこともないのか?
そもそもその手のサバイバルのガイドブックを読めば、最低限いろいろわかるだろ?
そこを皮切りにどうってことない描写が延々と最後まで続く。
相棒の女の外見だけは個人的なツボだった。
0195見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/01/25(火) 16:08:15.50ID:lsnmU5YR
「世界名作劇場 完結版 こんにちはアン」を観る。上下編で計87分。2009年。日本アニメーション。
監督・構成・演出谷田部勝義、シナリオディレクター島田満、キャラクター原案佐藤好春、
キャラデザ西村貴世、美術監督森元茂、色彩設計小松原智子。原作とかは未読だが高畑の名劇だけは視聴済み。
ツタヤでたまたま見かけて目を剥いた題名だ。当時の高畑たちにいまさら真っ向から挑むなんて
勇者か馬鹿だとしか思えなかったが、谷田部氏はどこかで聞き覚えのある監督名ではあった。
だが名劇なら4クールだろうし、それを87分に縮める無謀さも含め、先達の顔に泥を塗る出来なのを覚悟して視聴。

だが、オープニングの最初のシーンの影でほぉと思わせ、次のシーンでアンの疾走を二重に描写する所で
おぉっと思わせた。夢想家の彼女の特質を、こういう形で表すとは予想してなかったから。
エンディングムービーが一部明白にトトロを連想させるところも含めて、
「俺たちは高畑・宮崎たちに敬意を払いつつ、しっかりした作品を作るぜ!」的な大志を感じさせる。
テレビでその意気を貫き続けるのは本当に過酷だったはずだが、おおむねそれに成功しているらしい。

総集編だからか細部は色々と平仄が合わないが、べつにそんなのはどうでもいい。
カメラワークや色彩や美術が、相応に考え抜いて作られていることは観ればわかるし、
孤児院編では、あの年頃の少女たちがまま見せる陰険さや臆病さ、
そして内心の深い部分ではそういう自分を厭うている清らかさにいたるまで、きちんと描けている。
それに対峙する大人たちの駄目さや毅然ぶりもだ。見事というほかない。
そういう真面目な部分だけではなく、少女同士の手繋ぎの刑みたいな、やたら萌える部分も提供してくれたが。
(つーか手を繋ぎあったまま喧嘩して二人して転んでもつれ合った時、なんでとっとと離れないんだよw)

もともと、子供向けアニメであれ他ジャンルの児童文学であれ、孤児ものは明確な社会的機能を備えている。
現実世界では、相当幸せな家庭育ちの子供であっても、孤独なり、親との葛藤なり、
社会における幼い自分の無力さなり、さまざまな心のたゆたいを抱えている。
架空世界の孤児な主人公のストーリーを愛読することで、子供たちはそれらの内心を
適切に消化する一助を得る。それが孤児ものの意義のひとつだ。
(劇場版若おかみはそれを半分以上捨てた。一長一短だからいいようなもんだけど)
本作にも、歴代のさまざまな良作と同じく、それだけの力が充分に備わっている。
作り手たちは勇者だった。

あと、反省部屋を勝手に抜け出したことを指摘された時の、
テッサの表情変化をロングでもきちんと描写した点などは繊細だ。馬車のわだちの跡の描写なども。
だがアンがトーマス家を旅立つ際の、弟分4人の表情の書き分けなどは甘い。
一番下の子供などは、幼すぎて別離の意味が理解できないから、悲しみはああは浮かべられないのではないか。
似たような甘さは複数箇所に見受けられる。高畑ならまず絶対にこのレベルのミスはしでかさない。
マイマイ新子でのひづる先生の送別会だの、未来少年コナンラストの別れのオーロだのは、
そのあたり良く出来ていた。他の傑作アニメでもおおむねそうだろう。
その意味では、本作は先達に一歩譲る出来だ。重箱の隅だが、そこも一応付記しておく。
0196見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/02/03(木) 18:04:48.79ID:0I6bwiSP
「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 2人の英雄」を観る。95分。監督長崎健司、
脚本黒田洋介、キャラデザ総作画監督馬越嘉彦。原作その他はほぼ未読。

キャラデザは、特に女連中が相当好みだ。オーソドックスでありながら魅力を感じる。
原作をすこし本気で読んでみようかと思わせるほどだ。
だが肝心のシナリオなどはどこもかしこも・・・95分の娯楽アクション映画で、
敵が本格的に攻撃を仕掛けてくるのが38分時点って、そこからして致命的におかしくない?
封鎖された巨大ビル内で敵集団と戦うって、アニメでも「MIDNIGHT EYE ゴクウ」
「未来少年コナン」「パトレイバー」がぱっと思いつくし、
他ジャンルなら本当に枚挙に暇がないけど、脚本家は全然参考にしてないの?
途中から三倍速で雑に流し見してたけど、それでも唇をひん曲げたくなる描写が続発する。
レンタル100円でも損したかもって作品はそうそうあるもんじゃないよ。

劇場版のアンパンマン・クレしん・プリキュアを大量に通覧して思ったのは、
それらは出来不出来はあれど、おおむね60分なり90分なりの劇場作品になりおおせているってことだ。
どのシリーズも劇場作品を毎年作りつづける宿命にあるから、
監督・演出・脚本などの最重要スタッフがその覚悟を固め、
制作前からそっち方面の技量やアイデアをそれなりに磨き続けていたりするんじゃなかろうか。
だから、それまでの仕事がテレビ版ばかりだった監督でも、最低限の質は保たれることが多い。
制作スタジオにだって経験値はたまるだろうしな。
でも単発アニメ映画って、事前情報抜きで観賞するのは本当にギャンブルだね。



「耳をすませば」を観る。110分。原作柊あおい、脚本・絵コンテ・製作プロデューサー宮崎駿、
監督近藤喜文。10年ぶりくらいに3度目の視聴。原作は未読。
トトロの企画初期に、高畑氏が監督を務める案が流れたエピソードを思い出す。
Pとしてのパヤオと脚本家としてのパヤオ、二正面作戦を強いられて近藤さんも胃が痛かっただろうな。

まず、丘陵地帯の街を的確に描けている作品ではある。
たとえば、1分40秒時点や6分11秒時点の(やや)Y字路だ。ああいう勾配がきつい街だとT字路にしにくい。
前者のY字路は、13分38秒時点でも出てくる。ひとつの街を描く時にランドマーク(?)を
こしらえる画面作りは、片渕須直のいくつかの作品と同じテクニックだな。
Y字路に自販機を置いてあるのも、きちんと現実を観察している。坂でのど渇くから売り上げ期待できるし。
(だが晴天のマンションで洗濯物が干されていないのは、正しいのかどうか。
 曇りがちな北陸とかはともかく、東京の庶民に乾燥機が普及してる時代じゃないよね。たぶん)

人間も、それなりにはきちんと動かせている。
たとえば8分24秒時点、文章を本気で熟読しようとする時に、人間は微妙に姿勢を動かして
読書向けのベストポジションを探すものだけど、そこがきっちり見抜けている。
また8分52秒時点、友人が主人公の顔をチラ見した以後は、表情の柔らかさや口の開け方が変化するのとかも。
そういうふうな適切な描写は、全編通じて枚挙に暇がない。

本作で一番納得がいかないのは、中学生の聖司の描写だ。つーかひょっとして精通来てない設定なんかな。
そんなあらぬことを考えてしまうくらい、お人形さんな少年に見える。
いくら原作が少女漫画とはいえ、パヤオや近藤さんはれっきとした男なんだから、もう少し改稿できるはずだ。
まあ主人公の女子中学生がちっこくって可愛いから、それはそれでいいとも言えるけど。
同じように坂が多い街を舞台にした「きみの声をとどけたい」あたりと比較するのも楽しい。どっちも良作だし。
でも近藤さんって神格化されてしまってると思うな。「雲のように風のように」も観たことあるけど、
なかなか悪くないから次作にも期待、ってくらいの出来だったし。秀でて実らないのはそりゃマジ悲しいけどね。
0197見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/02/14(月) 19:49:53.41ID:45v62Olf
「寫眞館」を観る。原画・脚本・監督なかむらたかし。16分。5年ぶりくらいで二度目の視聴。
批評や感想どころか、賞賛さえつけくわえる気になれない一粒の宝石に、たまに巡り会えることがある。
前回の視聴時がそうだったし、このたびの感慨も以前から変わってはいない。
エメラルドはその傷つきやすさゆえに粋人の心を惹きつけるが、この小品もそういうことだ。


「マリといた夏」を観る。78分。韓国産で、2002年アヌシーのグランプリとのこと。イ・ソンガン監督。
まあ文芸映画のカテゴリー。良い部分は沢山あるんだけど、でも2回見ればそれでいいや。
最大の問題点は、絵と声のふたつだ。
人物の絵柄は電脳コイルをさらに地味にして、魅力も7割減らしたような感じ。これはきつい。
そして声・・・韓国語のアニメはプリパラ・プリリズの韓国放映版のチラ見しか知らないけど、
あれらは声優は相当見事な演技をしていた。クマとかを除いてやや個性に乏しかったきらいはあるが、
歌唱力は日本語の本家に肉薄・凌駕しているときも多々あったし。
でも「マリといた夏」では、どうにも声が受け入れられない。
ジブリの俳優演技さえ、ハウルとサン以外はたいして気にならない自分としては、相当珍しいことだ。
(というか、字幕での海外アニメの場合、抑揚が激しい声優演技がかえってプラスに働きうるってことか?)
音声を音楽ごとミュートしたら、そのほうが作品のよさを深く感じられた。これって大問題じゃね?


「月光宮殿」を観る。79分。2016年。韓国の劇場版アニメ。
「千と千尋の神隠し」の剽窃っぽいと話題になった作品だが、瓜二つってほどでもない。
パヤオの強い影響はうかがえるし、本家には及ぶべくもないと承知のうえなら、そこそこ魅せる。
・冒頭のリアルな慰安婦像は不要。子供向け娯楽作品にビビッドな政治テーマを組み込むなら
 最大限の注意深さが求められるが、この作り手たちにその力量はない。
・冒頭6分前後のダンスはなかなか。作品全体においても、子供たちの作画は魅力的に動かせている。
・それに関連して、千尋(仮)と坊ネズミ(仮)はわりと溌剌としている。
 前者は原典と同じくブサ可愛い。数箇所におけるあぐらが特に。
・ススワタリや蛙妖に該当する韓国妖怪たちも、おおむねきちんと描けている。
・男どもの描写はかなりダメ。ハク(仮)とかチゲ鍋で顔を洗って出直してこいって感じだ。
 千尋(仮)と並ぶシーンになると、挙措動作の描写の綿密さにも相当大きなギャップが見えてしまう。
 銀髪美青年とおっさんの腐れカップルも、終盤以外はひどい。
・アクションシーンはどうもぱっとしない。とりわけ前半部は。向うには金田伊功的ポジの
 最上級アニメーターっていないのかな。もう半世紀はジャップアニメの下請けやってるだろうに。
・背景美術は一部お粗末だが、おおむねなかなか。21分前後の桃源郷描写とか好きだな。
 水流の流れ落ちる大階段とかも。
・結論としては、主人公にキャラ萌え出来るなら、70点には到達してるだろう。まあこんなもんか。


・思い、思われ、ふり、ふられ(黒柳トシマサ)
・ゆるゆりなちゅやちゅみ(畑博之)
・劇場版BEM BECOME HUMAN(博史池畠)
・ドラゴンボールZ劇場版8 燃えつきろ!!熱戦、烈戦、超激戦(山内重保)
・雲界の迷宮 ZEGUY全集(影山楙倫)
・劇場版SHIROBAKO(水島努)
・爆裂天使 インフィニティー(大畑晃一)
・ゼーガペインADP(下田正美)
・走り続けてよかったって。(荒川眞嗣)
・劇場版響け!ユーフォニアム(石原立也)
・らいむいろ戦奇譚☆純 らいむ隊☆純

は観たが、個人的には特に語るところなし。
0198見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/03/14(月) 18:39:30.19ID:904CbkRh
「ベルヴィル・ランデブー」を観る。77分。ジブリライブラリー。
「フランスが誇る若き巨匠、シルヴァン・ショメ監督長編デビュー作」とのこと。
要するに、「凄いけど退屈」という、よくあるっちゃよくある芸術作品のひとつ。
これを「退屈だけど凄い」と捉えられるひとなら賞賛できるんだろうね。力は実際渾もってるし。
この題材と展開を選びとる作り手なら、娯楽要素への強い未練なり志向性なりがある気がするけど、
でも実際は「芸術映画」以外のものではないみたいだし、そこの齟齬に個人的には違和感を覚える。
あと映像特典の、高畑勲とショメ監督の対談はなかなか興味深かった。
会話が極度に少ないこの映画についての高畑氏の指摘は、彼が作品の形式だけではなく
本質をきっちり見きわめられる知性なのを示しており、同時にその後の部分では、
彼の作品は彼自身の洞察を乗り越えてゆけることを改めて確認できたと思う。



「老婦人とハト」を観る。22分。シルヴァン・ショメ氏の初監督作品。
上のベルヴィルよりずっと好きだ。出来もたぶんこっちのほうがいい。
(ただしベルヴィルのほうが、いろいろと挑戦してはいる。その意気込みは買う)
コスプレや帽子掛けが笑える。鳩もおおむね可愛い。怖さも笑いも兼ね備えたスタイリッシュな一編。



「コララインとボタンの魔女」を観る。2010年。100分。監督ヘンリー・セリック。原作とかは未見。
子供にとっての最大の恐怖は何か、という問いの答えは「母親」でありうるし、
それはどの文明においても重大な禁忌だ。「大魔王からは逃げられない」から。
托卵についての橘玲の調査は驚愕せざるをえなかったし、堕胎や墓守娘の問題は太古から続いている。
やなせやパヤオの炯眼はそれを勿論見抜いていたし、だからブラックノーズは衝迫力をもちえた。
千尋の両親が物語の末尾においてもなにひとつ反省や成長をしていない点にせよ、
あながちパヤオの「冷酷さ」だけに由来するものじゃない。
親子の絆とやらが大昔から、そういう致命的な偏りをずーっと内包してきたというだけの話だ。
本作タイトルロールの「in association with PANDEMONIUM」は、だから笑うしかなかった。
失楽園におけるルシファーの根城か。

ミルトンは知らないがルイス・キャロルはシュールレアリストだったはずだが、
本作でやりたかったのは「現代アメリカの少女を主人公にした、不思議の国のアリス」だろう。
それは異世界冒険物を現代日本の少女主人公でやりたがった、パヤオの千尋と一緒だ。
両者ともにブスないし十人並みの容貌なのも同じ。そのあたりは人形アニメーションの本作には向いている。

千尋やアリスよりも、本作のこまっしゃくれた主人公コララインはずっと色濃くお国柄が反映されている。
そのあたり、父母や隣人やボーイフレンドとの遣り取りの質は、個人的にはとても楽しく興味深い。
母が鈍感でありながらも、ああいう状況でも相応に娘を気にかけている描写も好き。
だいたい千尋もコララインも第一子なんだろうから、経験不足で親たちが合格点のふるまいが出来なくても仕方ないよね。
ふたり子供をこさえていて、当人も四人兄弟の育ちのくせに、そこに気づけてない可能性がパヤオにはあるけど。

魔女たちのボタンの目を、絵筆やCGではなく、実物を用いて描写できるのは説得力がある。
逆に、空中ブランコなどのシーンでは、実物の人形がジャンプできるわけが
ないという「常識」を超えてゆく驚きをもたらしてくれる。
技法と様式が心地よく調和している作品は素敵だ。下のは過去ログ。
コララインとボタンの魔女【3D】
https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1266024546/
0199見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/04/28(木) 13:02:09.49ID:P1NVcyon
「音楽」を観る。原作大橋裕之、監督・絵コンテ・作画監督・美術監督・一部脚本岩井澤健治。71分。
声などは竹中直人だの岡村靖幸だの。原作などは未読。オタワ国際アニメーション映画祭のグランプリ。
論ずるに術がござらん。一言で評するならそういうことになる。
芸風は、チェコ出身のアートアニメの巨匠ヤン・シュワンクマイエルをほんの少し連想させる。
日本の作り手なら、あえて挙げれば杉井ギサブローや押井守か。いいものを魅せてもらった。それだけで充分だ。
押見修造だの花沢健吾だの行定勲だのが献辞してたから、そういう路線ではある。


「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」を観る。118分。2009年。
原作矢立肇・高橋良輔、チーフディレクター兼総作画監督竹内一義。絵コンテ8人。
脚本吉川惣司・五武冬史・西村昌之・高橋良輔。演出6人。高橋良輔監督。
原作その他は未読。高橋監督作品の視聴は4本目。キャラなども一人も知らない状態で
まず目を通した、DVD同梱の特報や予告編がずいぶん身も蓋もない内容だった。
本編の感想もそれに準じていて、乾いた高揚感を読後に覚えた。
女はモブにすら一人も出さない点や、ネジが外れた一部挿入歌、
また手書き部分にまったく馴染ませるつもりがない3DCGなどは笑うしかないけど。
ロボット物が苦手な俺に2時間の長さをノンストップで観終えさせたのだから、
ひとかどの作品だと思う。視聴後にこの板の専用スレを覗いてみたら、ファンに随分叩かれてたけど。


「装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー」を観る。53分。1985年。
原作・監督高橋良輔、脚本吉川惣司、演出加瀬充子、絵コンテ加瀬充子・谷田部勝義。
第3回日本アニメ大賞OVA最優秀作品賞。高橋監督作品の視聴はこれで5本目。
氏の実力の高さはもう充分知れたので、ことさらに長所を褒める気も薄くなった。
ひとつの精緻な娯楽作品としては、本作も相当高い点がつけられる。
氏の作風なら、ご都合主義はかなりの部分、たぶん意図してのことだし。
でもフィアナとかいう本編ほぼ唯一の女キャラの言い分に、個人的にはたいした説得力を感じられなかった。
本編をがっつり観ている普通のファンたちなら、違う感想を抱くかもだし、
さらには「説得力を感じるか否か」という論理依存の判断基準を、
女というそもそも非論理的な連中に、適用していいのかもわからないが。
もうひとつの問題は、作り手たちに見えた(表現した)ものが、観客たちにとって必要かどうか、だ。
この作風ならその問題は避けられない。まあ30年以上前の作品らしいし、
とっくに作り手たちは、そこにけりをつけているんだろうとは思うが。


「劇場版遊戯王 超融合!時空を越えた絆」を観る。監督竹下健一。49分。原作などは未読。
ジャリ向けのお子様ランチとしては充分楽しめる出来ではある。きらきら輝く厚紙を刷って
子供たちの財布から小銭までむしりとる、ここのお商売作法にはプリキュアグッズ以上のおぞましさを覚えるけど。
あと別売り?の3Dメガネが必要とはいえ、レンタル版に3D映像バージョンがついてるのは驚いた。


「ゲゲゲの鬼太郎 劇場版VOL2」というDVDを観る。大昔にテレビアニメ版は観た覚えがかすかにある。
「最強妖怪軍団!日本上陸!!」「激突!!異次元妖怪の大反乱」の二本が同梱。
前者は49分、1986年。脚本星山博之、監督芹川有吾。時代を感じさせる出来だが嫌いじゃない。
子供だましなのを承知で観れば悪くない。ラストのお祭りは好き。
後者は47分、1987年。脚本武上純希、監督芝田浩樹。子供だましにすらなれてない内容。
こんな出来(というか不出来)で木戸銭分捕ろうとしたその根性は見事だよ。金髪ロリだけは可愛かった。


「劇場版プリティーリズムオールスターセレクション プリズムショーベストテン」を観る。
48分。テレビ版などは大ファン。総合演出依田伸隆、CGディレクター乙部善弘、プリズムショー演出京極尚彦、
総監督菱田正和。これが数回目の視聴。内容には深く満足しているから、何も言うことがない。
筐体ゲームの販促アニメだけど、スタッフロールでそっちのCGを紹介するあたりも好きだ。
本編ではお目にかかれなかった衣装チェンジ・背景チェンジとか、いろんな部分がファン視点では最高だ。
0200見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/06/09(木) 20:30:40.39ID:Wt2HoRcu
「SHADOW SKILL クルダ流交殺法の秘密」を観る。61分。原作・監修岡田芽武、監督市川量也、
脚本砂山蔵澄、絵コンテ・演出谷田部勝義。トゥーンシェンダー使用の3D。原作などは未読。
甘いなりに本気な内容なのかもね。実際嫌いじゃない。たるいところも多いけどそれを含めて。


「灼眼のシャナSP 恋と温泉の校外学習!」を観る。監督渡部高志。原作などは未読。
26分。中身はなにもないけど、キャラが可愛かったからそれでいいと思うよ。
このサブタイトルと監督名で、期待するほうが間違ってると思うし。のいぢも恵まれない人だな。


「ムダヅモ無き改革」を観る。原作大和田秀樹、脚本大和田秀樹・水島努、音響監督岩浪美和、
美術監督森元茂、絵コンテ・演出・監督水島努。26分。原作は月面決戦あたりまで読んだ。
アニメの本作は、水島氏のひねくれぶりを存分に活かしきった出来栄えだ。
前半三分の一以外はオリジナルみたいだが、原作での笑いや迫力やエグみを充分再現できている。
あと記憶が確かなら、クレしんのカスカベの頃に比べて、
演出の引き算がきちんとできるようになり、足し算も達者になってる。
ラストにプーチンが顔見世してたけど、現在ならどう描写されてたかはお目にかかりたかったな。


「キャプテン翼THE MOVIE」を観る。劇場版2本が同梱されたDVD。原作などはほとんど未読。
一本目「ヨーロッパ大決戦」はへそで茶が沸く出来だ。特に絵の部分が。
実力や納期が乏しい中で全力を尽くすも作画崩れを抑えきれなかった、という種類の絵ですらない。
三下が手抜きした、インクの染みにひとしい同情の余地がない出来といえる。
チーフディレクター光延博愛、キャラデザ作画監督岡迫亘弘、演出岡本達也のお三方は晒しあげられても仕方ない。
二本目「危うし!全日本Jr」は、演出が交代し作画監督補佐が入ったりして、気持ちマシになってる。


「劇場版銀魂完結編 万事屋よ永遠なれ」を観る。原作空知英秋、監修高松信司、監督藤田陽一。
110分。原作は少し目を通したことがある程度。
>174で触れた前作の劇場版よりはギャグ少なめシリアス多め。
あっちも悪い作品じゃなかったけど、それよりもさらに好きかな。
バッドエンドやビターエンドが商業的要請によりほぼ許されない劇場版アニメにおいて、
タイムスリップを題材にすることが、作家の職業倫理としてはどうなのかとも思いはするが。
(そういや新海氏はそこにちょびっと踏み込んでるな。それはなかなかの作家性ではある)


「TATSUMI マンガに革命を起こした男」を観る。監督エリック・クー。2010年くらいの作品。
原作者辰巳ヨシヒロは日本の劇画家の源流にあたる人だが、メインスタッフの9割は外国人。
ストーリーは趣味じゃないが、絵柄はかなり好きだな。
鬱陶しく暑苦しい絵柄という、劇画の(個人的な)短所をぬぐいつつ、良さを生かしている。
またオチ(というか物語の締め方)は好みだ。
以前の書き込みで罵った某作品のと似てるけど、こっちはさらに必然性(穏やかな)がある。
映像特典のメイキングもなかなかの出来。
それと色彩設計が、地味ながらかなり有能なのかもな。
たとえば俺のような凡人が、眼前の景色を10秒間集中して眺め、そして目をつむって景色を思い出そうとした時、
モノクロではないがフルカラーってほどでもない、淡彩の光景が脳内再生される。
現実世界が舞台の創作物においては、その淡彩を生み出す方法論は最適解のひとつなんだろう。
あとスタッフロールにプロダクションの経理の人の名前まで記載されている。
俺の知る限り、似たような例は千尋のパンフレットだけだな(千尋本編でもそうだったかもだけど、思い出せない)。
0201見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/06/09(木) 22:32:52.59ID:Wt2HoRcu
「バッタ君町に行く」を観る。演出D・フライシャー。ジブリライブラリー。数回目の視聴。
1941年。67分。その素晴らしさも欠陥も、べつだん俺ふぜいが指摘するまでもなくわかりやすい。
同時代の白雪姫あたりと比べて、ヒロインのキャラデザがコケティッシュだ。バタ臭くない。
また25分前後の感電描写は、オスカー・フィッシンガーあたりの実験アニメから学んでいるふしもある。
手鏡の上を歩くシーンは美しい。お気に入りだ。俺を酔わせてくれる作品といえる。

ついでに、本作の終り方について、パヤオは雑文集「出発点」のなかで声を大にして難詰している。
それは実に正しいが、あくまでも志ある現役の演出家として正しいだけでもある。
バッタ君の公開は1941年のアメリカで、日本人パヤオの批判は1979年だ。まず国と時代状況に大差がある。
物質文明の興隆が道半ばだった当時は、高層ビルを建築することにそれなりの充分な意義があったし
(それはシリー・シンフォニーの一部作品における、左官屋たちへの敬意を発展させたものとしても表現されている)、
その屋上に豪邸を建てるのにも嫌味の少ない健康な上昇志向があった。
また当時の都市住民の環境意識の低さが、パヤオや俺を含めた現代人の気に障ったとしても、それは罵りの対象になりえない。
ましてそれをモダン・タイムスとからめて作品論に発展させるのは不当だ。
もののけ姫が網野善彦らの学問上の奮闘を支柱としたように、
娯楽作品といえど、主題の掘り下げには当時なりの学問の手助けが必要だし、
その学問(環境学など)が発達してなければ、演出家の側にはあまり打つ手もないのだから。
それと、戯れ歌では5万ポンドだったのに、作曲家への報酬が5000ポンドだった点も、パヤオは無視している。
(カオナシがばらまいた大粒のニセ砂金とかは、バッタ君を意識してたのかなあ)

まあその程度の反論はパヤオも想定してたんだろうし
(地域や時代を無視して普遍性に寄った洞察を繰り広げるってことが、そもそもそういうことだ)、
仮に想定していなくても、現役の演出家としては、なにも問題はなかった。少なくとも1979年時点では。
千尋って作品が湯屋って建物の中での上下移動で完結せず、海原電鉄などでの水平移動を
シナリオ上で必要とした理由は、「バッタ君は高層ビルに登らず、街の外に新天地を求めるべきだった」
というパヤオ自身の批判を、原点のひとつとしているのだろう
(プロローグにおける、大都市の周りの広大なアメリカ的荒野を見る限り、それは批判として成立しがたいにせよ)。
彼のふるまいはだから誠実な有言実行だったし、そうしてジブリの傑作群は生まれ、
彼はフライシャー兄弟よりも、バッタ君作中の売れっ子音楽家よりも、ずっと暖かな財布と名誉を手に入れた。
「ベティ・ブープのそら恐ろしさ」なるものを、感嘆はしても好きとは書かず、
バッタ君の結末に演出D・フライシャーの「芸能人としての自分の成功願望」を見たがったパヤオにとって、
その世俗の報酬は重大な(あるいは決定的な)毒となりえただろうが、俺のこの文章も状況を軽視した本質論でしかない。
フライシャー兄弟はこの作品でスタジオを潰し、翻ってパヤオは、結局ジブリというスタジオを捨てなかった。
現代日本の彼の観客としては、慶賀すべきことなのかもな。




・コードギアス 反逆のルルーシュ 興道(谷口悟朗)
・天地無用!in LOVE(ねぎしひろし)
・CAT SHIT ONE(笹原和也)
・暗闇三太(仲村学)
・水木しげるの妖怪ワールド 恐山物語(佐々木皓一)
・劇場版ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(桜美かつし)
・俺を好きなのはお前だけかよOVA(秋田谷典昭)
・甲虫王者ムシキングスーパーバトルムービー(水崎淳平)

は観たが、個人的には特に語るところなし。
0202見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/06/09(木) 23:24:49.28ID:hJfBKzT4
697:名無し募集中。。。:2022/06/09(木) 21:44:21
いつもお世話になっております。よろしければ代行をお願いします。665です。

【状況】書き込み規制 【板名】アニメ映画板
【スレタイ】【白蛇伝】昔のアニメ映画総合【海の神兵】
【スレURL】
【本文】↓
0203見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/06/16(木) 18:21:46.62ID:WulJ7314
「キネ旬ムック オールタイムベスト映画遺産 アニメーション編」
を、このスレの参考になるかなと思い読む。内容は基本的に、予想をはるかに超えてひどい。
2009年時点のランキングで、長編ベスト3がカリオストロ・ナウシカ・トトロって異常だよ。
盆と正月にしか映画館に行かないそこらのおばさんのベストじゃないんだから。
キネ旬の賢い読者たちは、1984年の時点でナウシカを年間1位に選んでいたし、
別格官幣大社パヤオ天尊を崇めたいならその時点でやるべきだった。
大藤賞はカリオストロの79年に与えられてるし、30年遅れかよ。
森卓也と石上三登志の対談は、これまで読んだアニメ関連対談のなかで歴代ワーストかもしれない。
おかだえみこと叶精二は悪くない仕事をしている。また故大林宣彦のインタビューは知見に富む。




「劇場版名探偵ホームズ」を観る。青い紅玉の巻と海底の財宝の巻の二本立て(元はまあテレビアニメだが)
監督宮崎駿、脚本と演出助手片渕須直、演出補富沢信雄、作画監督近藤善文・丹内司・友永和秀、
キャラデザ近藤善文、美術監督山本二三、撮影監督高橋宏固、録音監督斯波重治、音楽村松邦夫。
レンタルDVDには友永・富沢・原画の田中敦子・Pの竹内孝次各氏らが、イタ公やパヤオの恥部を暴く座談会も収録。
いろんなイメージボードや絵コンテも素敵だ。

これで数回目の視聴になるが、相変わらず気軽で楽しい。そして同時に時代も感じさせる。
この出来を上回る作品は、現代までの最上質のアニメ群なら一応不可能ではないだろう。
実際パヤオ自身の後発作品もこれを超えている。別側面から言えば、本作の親しみやすさは宮崎作品中のトップクラスだが。

10分57秒の「ポリィの部屋を見て僕にはすぐにわかった。この子は本当はいい子なんだってね」
というホームズのせりふが、観客に向けられた裏メッセージ
(いろんな作家が、時としてこういうお遊びをする)でもあるとすれば、部屋のシーンを見返す必要がある。
(原作はミステリーだが、このジャンルは推理・謎解きってギミックがある都合上、作者と読者の対話・知恵比べの側面がかなり大きい)
(これの公開当時における、ビデオなどの録画機器の発達ぶりや、諸作品の再放送の塩梅は知らんけど)
8分55秒で、横板を隠れ家のあの場所に当てるってことは、作り手は日曜大工の知識も持ってるのかもな。
あの隠れ家の壁の写真だが絵だかが、そのかなりの部分がベッドの真上にある点も好きだ。
あの部屋の清潔さにくらべての階段部屋の雑然さ。8分49秒でのその裏路地の一瞬の深い暗さ。
その部屋でポリィの供する特製トーストもほっぺたが落ちそうだ。チェリー・ラディッシュ・卵・
オイルサーディン・チーズ・玉葱・ハム・サラミ・グリーンアスパラガスとか、どんな五重塔だよ。
英国人が美食家だと勘違いしそうだ。

子供の観客を意識するとはこういうことかと、つくづくパヤオたちには唸らせられる。
悪党の秘密基地が住宅街に極めて近く、おそらくは市内の公園の地下である点。
宝石の光が、モロアッチが盗み出したときはただ放射状の光を放ってただけだったのが(それはそれで凄いが)、
ポリィが眺めたときは光の粒子まで舞っている点(座談会の27分時点で、そこの絵コンテが映る)。
ハドソン婦人たちとの、暖かだがややフォーマルな会食でも、ポリィが物怖じしてない点。
ずだ袋に詰め込まれたポリィが、それでもモロアッチに反撃できている点。
ホームズの追跡にモロアッチがあわてるシーンで、わざわざきちんとポリィの喜びを窓から観客に見せる点。
座談会で友永氏が車をキャラクターとして描写しているという話が出たけど、
パヤオたちは宝石や隠れ家(あの忍者屋敷!)や背景美術も、モノではなく重要キャラだと把握してるんだろう。
宝石をではなく、宝石に託された憧れを描くとはそういうことだ。
ポリィ誘拐でのカーチェイスで、霧の都の未明の空がまたたくまに青空へと広がるシーンも。
0204見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/06/16(木) 21:04:00.92ID:WcbVY3Rk
「シャーロック・ホームズの大追跡」を観る。83分。高先電影有限公司なるスタジオの海外作品?
監督名も中国っぽい。なお原作?らしいアジアで売れたノベルとやらは未見。
出来は相当悪くはない。犬小屋のドールハウスかもしれないけど。
要するに、レゴ・ムービーやレゴ・バットマンと同じ性質の作品だろう。
娯楽の通俗ぶりを突き詰めれば、そこにどうしたって限界は生まれ、高い壁に作り手は直面することにもなる。
そして他人には壁としか思えなくても、当人にだけはその壁の突起がドアノブとして作用しうる。
パヤオは演出家として、泥棒のルパンと探偵のホームズ、正反対に見える二者の目から世界を眺めたが、
本作の作り手はどんな扉を見出すのか、だな。そう考える俺の立場からは、ラストのMはモロアッチで充分だ。
そして傑作もののけ姫への最初の疑問は、なぜカヤはアシタカを追いかけなかったのかって点にある。
ふたりが近代心性じゃないからって答えは、パヤオの芸風の場合は適用できないし、
東映動画って村から高畑氏が追放されたとき、小田部さんと一緒に追いかけていったのが、ほかならぬパヤオだから。
物語と現実世界の両面において、追いかけっことはどのように位置づけなしうるか、だ。



「探偵オペラミルキィホームズ Alternative1及び2」を観る。脚本伊神貴世、絵コンテ・演出・監督岩崎良明
OVA二本収録で計47分。ロリ主人公が純白の柔道着を着た一枚絵は新鮮で可愛らしかったけどね・・・うーん。
陳腐な内容だが、そのぶん程良くまとまってる。このストーリーをこのシリーズで見たいかと言われたら首を横に振るが。
以前外れを引いて以来、この凡庸な演出家の作品はなるべく避けてたけど、やはりその倦厭は正しかったんだな。
アニメ映画やOVAをこれまでそれなりの数堪能してきたけど、無名監督が有能だった試しって、
このジャンルでは昼間の星に近いな。マジで。



「幸福路のチー」を観る。商業台湾アニメを見るのは初。ささいなネタバレあり。111分。
監督・脚本ソン・シンイン。文芸作品であり、日本アニメで言えば「この世界の片隅に」の路線に近い。
ストーリーの前提に歴史上の重大事件や潮流などが存在し、
それに主人公が翻弄されつつ生きる、という意味で。
同時にパヤオあたりへののオマージュが感じられる作品だ。

実際色々と見応えある作品ではある。
映像美は見やすくなった湯浅政明みたいで、個人的にはかなり好みだ。
だが色々と甘いところも多い。一点だけ挙げれば、「片隅」ではお絵かきくらいしか
客観的なとりえがない女主人公が、そのために大切なアレをなにする羽目になるが、
チーの女主人公はそこまできつい運命を背負わされてない。
そこの処理のしかたが作品上の弱みとなってしまっている。
チーの女主人公は、後半で妊娠が発覚しているしさ。
そりゃ若い女にとっては、子供を孕むことはいつだって普遍的かつ大きな希望だろうけどね。
なぜ片隅の女主人公や「風立ちぬ」のヒロインが、作品内で実子を得られない展開になったのか、
こうの史代や宮崎駿がその点についてどういう作家的決断を下したのかが、逆説的によくわかる。
(栄養失調や結核や、零戦ものにおけるテーマかぶりの問題だけじゃないだろ)

まあいいや。とりあえず2時間近くを作品観賞に費やした価値はあった。
台湾アニメも相応に地力をつけつつあるって事情もうかがえたし。
あとスタッフロールの最後に「サポーターの皆さまありがとうございました」と
107人の日本人名が記されていた(片隅のクラウドファンディングみたいなものだろうか?)。
その中にアニメ業界の有名人が何人かいたので、
こんなマイナーな企画に賛同した彼らの志と目ざとさをかんがみ、その名前を列記しておく。
中村誠、谷口悟朗、入江泰浩、藤津亮太、本郷みつる、叶精二、五味洋子。同姓同名の可能性もあるが。
あと確認を忘れたけど沖浦啓之氏が脇役の声優やってた気がする。
0205見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/06/27(月) 16:48:57.81ID:bjKexRmN
「聖闘士星矢 天界編 序奏」を観る。原作車田正美、監督山内重保。83分。原作は大昔に多少読んだ。
画面に相当の力がある。プロローグということだし、それ以上どうこう語る段階ではないだろう。
アテナとアルテミス、二柱の女神の瞳が異様に大きく鋭く描けているのはアイデア賞かもな。
美しさと異形さが同時に醸し出せているから。



「プリキュアオールスターズ みんなで歌う奇跡の魔法!」を観る。
土田豊監督。全プリキュアシリーズとも、劇場版以外は完全に未読。
なんか中途半端にミュージカル要素が混じってたけど、制作難易度高いから避けておいたほうが無難だったと思う。
成功してた部分もなくはなかったけど。まあ、そこ以外にも素直に笑える箇所が多少あったから良しとする。



「劇場版ヒーリングっど・プリキュア」を観る。68分。脚本金月龍之介とは、エロゲー界隈で見知った名前だな。
監督中村亮介。シナリオの全貌は特典の副音声を聞かないとわからないらしいが、レンタルには同梱されてない。
だからシナリオ評価は控えるけど、ラスボスの動機とかが甘い気がする。
まあおおむねきちんと魅力的に仕上がってはいる。アクションが結構いい。
34分20秒前後、小児がこっそりドアの隙間から大人たちの秘密をのぞいてしまう描写は、
子供のことを良く知っている作り手なんだろう。俺も昔よくやったし。
おまけの掌編アニメも良く出来てて楽しかった。



「映画プリキュア ミラクルリープ みんなとの不思議な1日」を観る。72分。ループもの。脚本村山功、
キャラデザ作画監督板岡錦、監督深澤敏則。テレビ版はすべて未読だが当シリーズの劇場版は既読。
多少のネタバレあり。「地球をお手当て♪」とかドヤってるわりにコロナに完堕ちしたプリキュア、
という軽口を事前に耳にしていたが、相当に目を見張る出来だ。

冒頭部の二冊の月刊プー(プリパラ由来かよ)が、2020年3月号と9月号なのがまず笑えた。延期ネタか。
17分43秒時点、プリキュア三人組が妖精たちの悲鳴を耳にしたとき、
一番活発そうな娘がほんの少し早く立ち上がるシーンは、作り手がキャラをきちんと把握している。
(さらにいえば、同じシーンで顔だけ上げる少女と身体ごと振り向く少女の違いや、
 鉛筆をほうり投げる少女と机に置く少女の違いも、描き分けている)
水たまりで濡れたのが、初回は両足で二回目は片足(三回目は濡れず)な点も繊細だ。
ラスボスがゲスト精霊を捕獲する際に、素手で凶暴につかんだりせず、
エナジーボールに閉じ込めて捕獲するあたりも同じくだ。最後に改心する系ラスボスへの配慮だな。
72分の短さでループものを幼児にのみこませるだけのシナリオの技法も、適切に使いこなせている。
「ミラクルンは『明日』をつかさどる精霊、リフレインは過ぎ去った時間『昨日』をつかさどる精霊だよ」
またラスボスの「これで最後の闘いにしましょう」とかな。
おそらく2016年の君縄のブレイクを受けて、プリキュアでもループ物をやろうかって機運が湧いたのだろうが、
テレビアニメ制作と平行して年二本も劇場版を作る、という無謀な条件下では、これ以上望めない完成度だ。

作品の傷はかなり精密なチェックでないと発見できない。たとえばピンク同士が鉢合わせして転んだとき、
ふたりの膝こぞうが剥き出しになるシーンふたつは、『雪の女王』でパヤオが愛した盗賊の娘にやや及んでない、とか。
いままでピンクたちの私服姿がこう出張る劇場版って、ほとんど無かったはずだし、
この脚本家なら、その新奇性の上手な活かし方を模索できる力量もそなえていそうで、
現に複数の正座シーンや少年を諭すシーンの作り方を見ると、そのあたり意識してる気もするけどね。
またその直前のシーンの、水たまりで濡れた女子中学生のソックスに包まれた足首の描き方も甘い。

まあそれらは意地悪な観方だ。このご時世に作り手たちはお疲れ様。
あと美術にも志を感じる。14分40秒、田舎ではありがちなああいう廃屋をこの手の作品で垣間見せるのは初体験だ。
0206見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/07/08(金) 19:16:17.14ID:SJ5kPmUr
「大閙天宮」を観る。107分。万籟鳴監督。ストーリーは西遊記の序盤で、お釈迦様の掌の手前まで。
1960年代の作品で、絵柄は初期ディズニーに京劇をミックスし、さらに独自の進化を加えている。
天帝の城、雲上の厩舎や天馬の放牧などは、ちょっと他所ではお目にかかれない見事さだ。
ナタ太子や二郎真君との戦いも、中華らしさを見せた上でぐこぶる魅力的。
>112の、東映動画での手塚治虫の「西遊記」よりも、正直さらにだいぶ上だ。
手塚氏が個人?のアイデアや感受性で埋め合わせようとした部分を、
大閙天宮ではスタッフたちの基礎的な力量で軽々と凌いでいる。あぜんとするほかない。


「はたらく細胞特別編 風邪症候群」を観る。24分。監督鈴木健一。
ぬるい展開なのはサブタイトルでわかってたし、なかなか嫌いじゃない。
まめる式血小板あたりを無料ダウンロードして、スモックめくったり
I字バランスさせたりしたほうが有意義な時間だろうけど。それとも有料だったかな。


「ローゼンメイデン オーベルテューレ」を観る。上下編合計で48分。
原作などは未読。脚本花田十輝、絵コンテ松尾衡・山崎みつえ、監督及び演出松尾衡、
原作PEACH-PIT、キャラデザ総作画監督石井久美、イメージデザイン春日井浩之。
花田清輝の孫だか縁者だかが物書きやってるとは仄聞していたが、これがそうか。
監督名にも聞き覚えがあると思ったら、紅で幼女の動作を精緻に表現してた人だ。
で、内容はなかなかだ。鮮烈な画面を生み出そうと努力しているように思われる。
またヒロインの人形たちは、皆せいぜい人間たちの腰までのタッパだから、
その落差で異様な絵面が出来上がっているシーンが多い。
トランクでの睡眠とか、人形が軋んだり壊れたりする描写とか、わりかしやべーなと思う。
見ごたえあったね。


「劇場版アンパンマン 夢猫の国のニャニイ」を観る。原作やなせたかし、監督矢野博之。
10年ぶり二回目の視聴。終盤の某展開は匙加減を間違えていると思うけど、それ以外は結構好き。
ペットなり引越同級生なりとの別離は、現代の子供が味わう深い悲しみのひとつだから、
それを題材に選んだんだろう。相変わらずおおむね丁寧に作られている。
5分07秒時点、誕生したニャニイにロールパンナが笑いかけるのが、クリームパンダよりも一瞬早い点や、
26分35秒前後、場面の感動ぶりに隠れて、倒木があのように姉妹の間に横たわっている点とか、
まだCG技術が未熟な時代の作品だが、それを逆手にとって夢世界の荒廃ぶりを表現している点とか。


・歎異抄をひらく(完全版監修監督谷田部勝義・監督大野和寿)
・ちえりとチェリー(中村誠)
・ProjectPAPO(松木大祐)
・扉を開けて(清水恵蔵)
・バルテュス ティアの輝き(牧野行洋)
・バケモノの子(細田守)
・劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン(石立太一)
・魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's(草川啓造)
・planetarian 雪圏球(玉村仁)
・HELLO WORLD(伊藤智彦)
・劇場版冴えない彼女の育てかた Fine(亀井幹太・柴田彰久)
・僕は友達が少ない あどおんでぃすく(斎藤久)
・劇場版プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い(大沼心)
・劇場版そらのおとしもの 時計じかけの哀女神(柳沢テツヤ・斎藤久)

は観たが、個人的には特に語るところなし。
0207見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/07/28(木) 18:31:25.86ID:phDc7u6z
「外套」を観る。ユーリ・ノルシュテイン。この人の作品は今回のこれが初見。
(なおこのあたりのアートアニメは、どれもミニシアターでの上映経験がある)
凄いを通り越してとんでもない出来なのはよくわかるけど、この作品を好きになるには俺の娑婆っ気は強すぎる。
もっともそれは、作品が観客自身の鏡となりうるほどの高みに達しているゆえだとも、言い換えられるが。
ともあれある意味でこれって、単なる作画アニメじゃないの? 乱暴を承知で言えば。

「霧につつまれたハリネズミ」を観る。以下SEASONSまでの作品はすべてユーリ・ノルシュテイン。10分。
動物たちや景色は最高に可愛く綺麗だ。そういう肩の力が抜けた鑑賞態度を許してくれるのがありがたい。

「キツネとウサギ」を観る。12分。1973年。
氏の作品としては珍しく、納得いかない内容だ。絵は見事だけど。
そもそも猛獣がキツネに勝てない世界ってよくわからん。なにかの寓意なのか。

「話の話」を観る。28分。
物事が正しく深く(そして俺にとっては不思議な角度から)見えている作り手の作品だ。
それはもう畏怖を抱かせるレベルにまで到達している。見事という以上の感慨を抱いた。

「ケルジェネツの戦い」を観る。10分。1971年。
神だの信仰だの戦争だのの厄介な真実は、影絵のねじれを用いてしか表現できないかもしれない。
そんな気を少し起こさせる内容。見事だ。

「25日・最初の日」を観る。8分。
プロパガンダだがさすがにそこにとどまらない熱がある。それはそれできっといい。

「冬の日」のユーリ・ノルシュテイン部分を観る。3分。
山中で出会った二人のじいさんの話。晩秋から初冬にかけての山風を知っている人の絵だ。

「SEASONS」を観る。8分。素晴らしさによってこちらを酔わせてくれる作品。雪景色の馬車が美しい。
だが彼の作品は、時としてあまりに美しすぎる。
作品全体のなかで、美しさという一つの要素だけが極度に突出している作品を、俺は信用しない。
美なんて芸術家なら求めて当然だし、だからこそ美しい作品ってのは「没個性な美しさ」だけの作品になりかねない。
青の洞門じゃあるまいし、30年かかって10分かそこらの作品が完成しないっておかしくない?

「聖闘士星矢 真紅の少年伝説」を観る。74分。原作車田正美、監督山内重保。
原作やテレビアニメはわずかに内容を覚えている。で、この劇場版は高い完成度を目指すのではなく、
そのあたりは放棄してもいいから触媒として観客の心に化学反応を起こすことを目指した作劇だ。
「小宇宙という気合がこもれば、ただの少年が神様を倒せてしまう」って設定が
原作の根幹にある以上、そのやり方こそが最適解だろう。かなり好きな作品だな。
子供が(あるいは少年が)世界に対峙し、なにごとかを掴み取っていく思春期のありようと呼応している内容だ。
男監督たち(たとえ巨匠クラスであっても)が女主人公に物語をつむがせることの危うさだの、
白虎隊についてのパヤオの述懐だの、観ていてさまざまな想念が沸いてくる。
女神アテナの作画だけはやや物足りないかな。最後には馴れたけど。

「聖闘士星矢 神々の熱き戦い」を観る。46分。
キャラデザレイアウト作画監督荒木伸吾、美術監督窪田忠雄、監督山内重保。
一時停止ができない劇場作品では、客が作品のテンポに身をゆだねるのがとても大切になる。
方法はいくつもあるが、ひとつはテンポを速めて客の意識を疾風怒濤に巻き込むこと。
ふたつめはテンポを緩め、作品をじっくり味わうだけの余裕を客に持たせることだ。
漫画原作なら後者が正解になることも多いが、現代ではなかば失伝した演出方法だな。本作は後者だ。
たるい展開もあるけど、それ含めて好きだな。氷雪の地の背景美術とかも。
ただこのOPって、十二宮編のテレビのまんまじゃね?
0208見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/07/28(木) 19:36:16.25ID:myi5x1MX
「映画ドラえもん のび太の宝島」を観る。108分。劇場ドラを観るのは20年ぶり(テレビもか)。
監督・絵コンテ今井一暁、脚本川村元気、演出八田洋介、キャラデザ総作画監督亀田祥倫。
監督と総作画監督は>119と同一人物。

娯楽作品としては、119の「パロルのみらい島」よりさらに腕を上げている、ともいえる。
楽しい部分は本当に沢山ある。この水準に達せているシリーズ物なんて、本当にいくつあることか。
だがラスボス周りの練りこみ具合や脚本が甘い。だから終盤でテンポその他がかなり落ちる。
技巧によって糊塗できている部分もあるけど。

他の類似する名作を挙げると、
ラスボスが○○を目○す作品なら、○○版Dやル○○の○○ー、
主役が海上の孤島に赴く作品なら、出崎統版宝島やガンバ(あるいはパトレイバー1)など、
偉大な先達がいろいろある。パトの例は見事な温故知新だった。
で、前者はもとより後者も、ラスボスに特に巨大なカリスマ性や説得力が求められる。
ネタバレになるから詳しく記さないけど、そのあたりが例に挙げた名作5つより決定的に甘く、
しかも「家族はすばらしい!」という手垢のついたテーマと料理法で、そこをごまかしている。
正直また川村氏の安易さが発露したなという印象だ。
この手の家族礼賛は、親子同伴が多いジャリ向けシリーズにおいては
商業的要請も強いんだろうが、そこを突破できないと出来のいい代用食扱いで終わるんだろうね。
作品を減点法で論じることについては妥当な批判が色々ありうるが、こと長編の脚本に関する限り、
他の要素がすべて100点でも、脚本がミンチなら全体評価も60点以上にはまずなりえない。
作り手が本気で家族の素敵さを信じようとしているなら、
たとえば脇キャラに親子や夫妻の二人組みなどをぶっこんで情愛を見せるとか、色々手もあったろうに。
(どうせこの脚本の浅墓さじゃ、信じようとなんかしてないだろうけど)
オトナ帝国とかラピュタとか、そのあたりの創意工夫が大いに見られたけどね。
子供が見たがる作品と親が見せたがる作品は、似ているようで所詮決定的に異なる。
そしてアニメとは子供のものだ。大人の中に息づいている子供の感受性、という意味も含めて。

あと、娯楽部分の演出を、かなり味付け濃い目の楽しさに仕上げてあるんで、
よその名作群に比べれば、再視聴時の面白さが物足りないきらいがある。
「パロルのみらい島」ではそうは感じなかったところから逆算すると、
単に俺という一観客が、ドラえもんシリーズって偶像を過大視してるがゆえの錯覚かもしれないけど。

セーラのキャラデザをしずかちゃんそっくりにしたところや、
冒頭部の宝島放談部分と空き地逃亡部分のふたつで、のび太のアクションの質を変化・スライドさせている点、
プログラマー同士の対決を視覚的に球状に表した部分、またクイズの扱いなど、
いくつもの点で、子供向けの難しい課題を的確に突破できている作品でもある。
だからこそ、ラスボス周りの展開が惜しい。脚本家と監督の責任だろうけど。

あとスタッフロールは、冒頭に絵コンテ・演出・キャラデザ総作画監督などが表示され、
末尾には、原作のF先生、チーフプロデューサーの二名、脚本の川村元気、監督の今井一暁
の順番で〆となる。
実写とアニメにおける脚本家の立ち位置の違いはあるにせよ、
現場の裏方の最上位役職であるチーフPの後に脚本家の名前が来たのってはじめて見た。
(タイトルロールのあたりもなー)
こういうところが、なんか根本的に怪しげで信用ならないんだよね。この脚本家は。
この手の胡散臭いさかしらぶりは、物書きとしては知らず、
こと興行師としてはかなり重要な特性だとも承知はしているし、
彼が作家としてニセモノだったとしても、贋金作りになることにさえ
相応の努力と運と才覚が必要なのが、芸能の世界というものではあるけど。
0209見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/08/17(水) 16:21:56.04ID:UlmNF/I3
以下「タンゴ」から「Oh, I Can't Stop!」までは、ポーランドの鬼才ズビグニュー・リプチンスキーの感想。

「タンゴ」を観る。8分。アカデミー賞短編アニメ賞受賞。
1982年。実験アニメは本来は趣味じゃないが、これは数少ない例外。感電しすぎだよねえ。あと子供が少ない。

「Take Five」を観る。4分。1972年。
よくわからないけど惹かれる作品。たまにやばい画像が混じっている気がするのは、俺の妄想なのか。
一時停止すればわかるだろうが、当時は業務用ビデオ以外にはそんな機能はなかっただろうから、やらない。

「Plamuz」を観る。10分。1973年。
古びやすい技法なんだろうけど嫌いじゃない。最後まで退屈せずに観られたし。

「イマジン」を観る。4分。1987年。この監督にしては一般性が高い。
ビートルズの名曲に乗って次々と扉が開いていく物語。人生が美しく描けているとは思う。好みだ。

「Way to Your Neighbor」を観る。1976年。2分。
養老天命反転地。芸術家ってのは不思議なことを考えるんだなってのが感想。見ててなぜか面白い。

「Media」を観る。1980年。2分。
騙し絵みたいな作品。最後のオチで笑わせつつ、なんか深いものも感じたりする。

「Lokomotywa」を観る。6分。1976年。
アートアニメとはいえ、こんなわけのわからない画面でよく作品が成立するなと感心する。
その意味ではヤン・シュヴァンクマイエルあたりをさえ越えているかもしれない。
事物に対して概して偏見が乏しい、あるいはない人なのかもな。

「Oh, I Can't Stop!」を観る。1975年。10分。
似た発想の素人の人気動画はよそにもあるけど、さすが芸術家は違うというべきか。
人間がただ歩くこと・走ることの本源的な力の意味を、思い出させてくれる動画だった。俺にとっては。


「蒼い海のトリスティア ゴーレム大会」を観る。前編・後編ともそれぞれ27分。
キャラデザ作画監督小笠原篤、脚本佐藤和治、監督・絵コンテ・演出まついひとゆき。
制作ユーフォーテーブルジッパーズ。ED曲は作詞作曲歌唱ともタケカワユキヒデ。
原作(プレイ済み)は、キャラもストーリーも抜群だった工画堂の逸品だが、
その最高の素材に対して、アニメスタッフもまた愛情をもって腕を振るっている(特に前篇)。
原作を尊重しつつオリジナルのストーリーを生み出すのは、まさしくこういう制作陣であって然るべきだ。
後編はやや甘いところも散見するが、それでも微笑ましい。「客観的な評価」なんかどうでもいい。
人形アニメっぽいEDには意表を突かれた。また映像特典のトリスティアifは稚拙ながら愛すべき出来だ。
細かなアラはあれど、俺の知る萌えOVA群の中では三指に入る好感度だな。作り手たちの情愛に乾杯だ。


「陽なたのアオシグレ」を観る。18分。キャラデザ作画監督新井陽次郎、
脚本・監督・作画・美術監督・撮影監督・編集・CGは石田祐康。視聴は数年ぶり二度目。
構成は9分までが前半、スピッツの主題歌が流れてる14分30秒までが後半、
残りがエピローグとスタッフロールとなっている。作品のキモは後半部で、
そこを生かすために他のパートが構成されているタイプの短編だ。
その後半部は相当に見応えがある。電車内を飛行するシーンや、鳥に乗って新宿駅付近を
低空飛行した挙句、都庁の壁面に沿うように天翔けるシーンは圧巻だ。
道路やビル群が遺跡みたいに古びて苔むしていく情景も、メタ的には
都会の人ごみを作画する手間を上手に避けるためのものかもだが、雰囲気が出ている。
だがそれらはイメージの力でストーリーを牽引する短編の作り方であり、
作り手たちが後に長編制作でてこずるだろうという要素をもふんだんに含んでいるけど。
まあそれは後知恵だろうしどうでもいい。前半部は個人的に気持ち悪いけど見なかったことにする。
0210見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/08/17(水) 16:22:59.19ID:UlmNF/I3
「東京ゴッドファーザーズ」を観る。91分。監督今敏。音楽鈴木慶一・ムーンライダーズ。
俺にとっては、超苦手な食材を三ツ星シェフが調理した一皿だ。
客観的には、内容は抜群に優れている。素晴らしいといってもいい。でもぜんっぜん趣味じゃない。
まあこの監督さんが、早逝した若き巨匠として惜しまれる理由は、充分に納得できたよ。
それと作画面において、ここまで商業的要請をガン無視した劇場長編プロ作品は、ただのひとつも知らない。
それは凄腕アニメーターたちからすれば、とびきり遣り甲斐のある大仕事を任されたようなものかもな。
ともあれ、泉下の芸術家に安らぎと聖歌あれかし。


以下「コンフリクト」から「Brek!」までは、ガリ・バルディンの諸作品(調べたら日本語のwikipediaにも項目がない。ひどいなあ)


「コンフリクト」を観る。7分。1983年。
マッチ棒を擬人化した反戦アニメ。現代を生きるのってつくづく怖いね。


「狼と赤ずきん」を観る。27分。旧ソ連のスラップスティックなクレイアニメ。
1990年。なかなか意想外でひょうきんな展開が混ぜ込まれており、退屈しない。
ディズニーに真正面から喧嘩を売ってるのも個人的好み。赤ずきんはブサかわいい。


「Fioritures」を観る。10分。鋼線アニメは初めて見た。
だが彼にしては出来が悪い。寓意が強すぎる。外敵を恐れる主人公ってのはわかるけど。


「The Banquet」を観る。1986年。9分。
声はすれども姿は見えず、だ。楽しげな食卓に笑い声が響いているのに、人影だけが見えない。
マリー・セレスト号の不気味さには、こんな側面もあったのかもなと思う。
人間の笑顔というものが大前提としてどれほど大切なものなのかもわかる。そして終局へ。


「ADAGIO」を観る。2000年。9分。
折り紙アニメーションだかの、白鳥と黒鳥の物語か。クライマックス以降の展開には宗教的な力強さを感じる。
ゴルゴダの丘以降の聖者イエスのふるまいがモチーフなのだろうか。とてもいい作品。


「醜いアヒルの子」を観る。5分。原作はアンデルセン。
作り手の中に劇的な高みを目指そうという熱情なり意思なりがあったのだろう。
(これをそなえたプロの作り手は、アニメに限らず相当少ない。はあ)
クレイアニメ主体の中で線画部分が浮いてるなーと思ってたら、そう来たか。
実にいい。ラスト近辺には笑いもある。音楽も著名だが良し。


「CHOO-CHOO」を観る。25分。人形アニメーション。
大人に構ってもらえない寂しがり屋のいたずら少年と、異生物のクリスマスの夜の交流。
人形とアニメーションのそれぞれの魅力が、オーソドックスな物語の上で輝いている。


「Brek!」を観る。10分。1985年。
題材は一応ボクシング。クレイアニメでスポーツ・武道系のお話は初見かも。
展開やオチも含めてどうにもこうにも笑える。
0211見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/09/09(金) 19:51:44.73ID:T9wwCuOc
以下「恐竜ガーティー」から「The Flying House」は、アニメの始祖のひとり、ウィンザー・マッケイの作品。

「恐竜ガーティー」を観る。6分。1914年。
白黒。恐竜がかなり可愛い。肩の力を抜いて観られる。

「リトル・ニモ」を観る。3分。1911年。
一応カラー。これもコミカルでポップコーンを頬張りながら観られる。そういうのっていいよね。

「ルシタニア号の沈没」を観る。1918年。
この題材を実写で撮れば、資金も特撮技術も途轍もなく必要だから、アニメにしたのかもな。
その意味で、アニメしか出来なかった作品だろう。
現実の不明瞭な部分を、想像力で補っているという意味でも。

「Flip's Circus」を観る。1921年。5分。
絵と実写を融合させる技術の一つとして、アニメーションが夢見られていた時代の作品。
昔は幸福だったんだな。

「How a Mosquito Operates」を観る。1912年。6分。
題材を描くということと、自身の把握した表現を描くということが、ほぼ無条件で
一致していたジャンル黎明期の作品。禿のおっさんを蚊が刺すってだけのお話だ。
監督にはホモっけでもあったのかもな。まあかなり嫌いじゃないけど。

「The Flying House」を観る。1921年。11分。ウィンザー・マッケイ。
ただ飛ぶだけではなく、作画も案外いい。宇宙空間まで行ったり、飛空艇になったりも。



「紅き大魚の伝説」を観る。100分。2016年。監督は梁旋、張春のふたり。原作・脚本は梁旋。
中国の劇場用アニメで、文芸要素が強いのに相当の興行収入を得たと漏れ聞いて、興味を持った。

本当に凄いアニメかもとは、序盤はたしかに思わせてくれたんだけどね。
この作品が中国アニメ史上の最高傑作になるためには、欠けている要素がひとつだけあった。
それは、根本テーマが荘子のはずなのに、メイン三人を異界の住人としてではなく、人間くさく描きすぎてしまった点だ。
つまり格義仏教のちょうど正反対の、いわば格義道教というべきストーリーになってしまっている。
(こういう物言いを商業アニメに突きつけるのが、フェアだとは思わないけどさ)
ともあれ、これほどの題材に挑んだ作り手相手に、ちまちまと言葉の針を向けたくはない。上の五行だけで充分だ。
それに俺をこの題材で満足させるには、共同監督に赤亀のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット、
脚本補佐と絵コンテにパヤオ、ついでに製作総指揮とアーティスティックプロデューサーに
フェリーニと高畑勲を墓場からひきずりだしてこなきゃいけない。それは無理筋だ。
だから、ふたりの監督(これがデビュー作らしい)やスタッフはよくやったと思うよ。
作画は最上級クラスに迫っていたしね。

あと、本作のアクションシーンを見て、湯婆婆がカオナシに放ったのがなんでかめはめ波だったか腑に落ちた。
あのシーンにおいては、パヤオはかっこいい活劇を絶対描くべきではないと判断したんだ。ただそれだけだった。
長年の謎がひとつ解けたよ。というか解けた瞬間に、長年の謎がそこにあったと個人的に気づいた。
主客が転倒する構造こそが、必要なもののひとつだったんだ。荘子がテーマだからこそそこに気づけた。
いいかげん俺もトロいな。



巴哈姆特ACG創作大賽(バハムートACG創作コンペ。台湾)の、5分前後の短編オリジナルアニメ動画が、
youtubeで公式に公開されていたが、以下はそれを一通り眺めた感想。
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1659568479/177-178
0212見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/11/05(土) 21:07:19.66ID:CahCRLJR
「Body Beautiful」を観る。ジョアンナ・クイン。8分。
愛嬌はあるが、ぎりぎりのところで下品さに堕ちてはいない絵柄だ(たまに堕ちてるが)。
実際悪くない。絵描きがおばさん(やおっさん)に好感や感情移入を抱いているから、
この種の絵柄に生気を吹き込むことが出来ているのだろう。
その点において、日本のアニメではほとんど見かけない作画だ。
便所飯は笑った。海外でもやはりそういうのってあるのか。なかなか観る価値がある。


「Britannia」を観る。5分。ジョアンナ・クイン。
序盤はユニオンジャックを着用に及んだブルドッグ?が、可愛らしく描けている。
かぐや姫の物語みたいな線画中心の絵柄で。後半はジョンブルらしい諧謔と傲慢さを上手に消化した小品だ。
インド亜大陸に穴を開ける発想がかの国らしくて笑った。


「The Hill Farm」を観る。18分。1989年。マーク・ベイカー。
絵柄がまず結構好き。また農園の家族の暮らしをただ描いている部分も好み。
鶏を絞めたりっぽい「残酷」な描写もあるけど、それでも鶏が餌を夢中でねだったりして可愛い。
こういうふうに愛らしいマスコットで客の関心を自然とひきつける手法を、なぜかほとんどの芸術家は選ぼうともしない。
(そのくらいの手管も使わないから、雁首そろえてほとんどパヤオの影も踏めないんじゃねーの?)
井戸から水が出ないからポンプに蹴りを入れるとかの、細かいシーンも微笑ましい。
嵐の描き方や、そこから派生したいくつかのオチも納得できる。


「Chromophobia」を観る。1966年。9分。ラウル・セルヴェ。
反戦思想のこの底の浅さはともかく、絵のセンスなど他の部分は、氏の作品中ではもっとも好みだ。
前半は割とうんざりしてたけど、後半になるにつれ視聴が楽しくなる。
色彩の力を信じるのは芸術家の十八番だろうし。
それにWW2を実際に体験してしまった人相手に、冷酷な指摘をしたくはない。


「Strojenie instrumentow」を観る。15分。イエジー・クチャ。2000年。
おっさんが室内でラジオ体操してるってだけの白黒の序盤なのに、心をひきつけてくるものがある。
中盤は「疾走感のある芸術」という案外珍しいもので目を楽しませてくれる。奇妙な作り手だ。


「映画帰ってきたドラえもん」のDVDを観る。短編が三本収録。
「ザ・ドラえもんズ ムシムシぴょんぴょん大作戦!」は監督米谷良知、脚本寺田憲史・米谷良知、
演出羽生尚靖。才走ってるから好きになれない。でも子供は喜ぶだろうね。だからそれはそれでいい。短いし。
「帰ってきたドラえもん」は監督・作画監督渡辺歩、脚本城山昇。白く塗りたる墓ふたつだな。
雨の中でドラえもんはなぜ傘を投げ捨てたの? ネコ型ロボットの耐水性能は知らないけど、
あの傘はのび太のために持ってきたわけじゃないの? なんであれだけの雨で桜花がまったく散らないの?
それだけじゃ全然ない。30分に満たないこの短編一本の中に、軽く三桁に達する安易さと無能さがちりばめられている。
原作のエピソードは知らないけど、この監督と脚本家は感動の押し売りに長けた卑しい鈍才なんだろうね。
客層の善男善女を感動屋の薄汚れた手で導こうとするこの種の手合いに、罵りを浴びせることを俺は躊躇しない。
「ドラミちゃん ミニドラSOS!!!」は監督森脇真琴。彼女目当てでDVDをレンタルしてみたが、大当たり。
40分の短さながら充実した冒険娯楽作品であり、同時に作り手の技術と人間観と原作への敬意とが幸福に融けあっている。
舞台になった未来の東京も、未来都市らしく変化した部分と無変化な部分が同居していて、リアリティーがある。
成長したのび太・スネ夫・ジャイアンの描写も的確。ああいう大人に自分はなれているのかなとついつい自問する。
なお脚本もとひら了、レイアウト本多敏行、作画監督高倉佳彦、美術設定河野次郎、美術監督増田直子、
撮影監督熊谷正弘、録音監督大熊昭。これほどの作品のメインスタッフなら充分に名が知れていい。


名門・中国伝媒大学の学生短編アニメの全集動画が、ビリビリ動画で公式に公開されていたが、以下はそれを一通り眺めた感想。
あとついでに、中華っぽい画風を保ちながら萌える短編アニメも、いくつか紹介。
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1664657538/197
0213見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/11/05(土) 21:07:48.68ID:CahCRLJR
「Rejected:Family Learning Channel Clips」を観る。ドン・ハーツフェルト。9分。
アカデミー賞ノミネート作品。絵柄は牧歌的だがグロ要素あり。
この作品がたどった数奇な運命の記述が、数箇所にわたって挿入されており、
そこが作品内容とあいまって個人的に爆笑できた。ラストも相当にアレだ。



「ビリーの風船」を観る。ドン・ハーツフェルト。たしか5分くらい。
この作品もかなりやばい。ラスト以外はまあスルー出来なくもないけど・・・
この人の作品は色々あるけど、これと上のとがベストかもな。あとのは無駄にグロい傾向がある。



「独身者の機械」を観る。30分。作者はたしか岩井天志と小濱真司。
双子の少女の人形とかを、拘束して機械に縛るとか、変態の物語。
要はロリコンだが、芸術系の人はみんなまじめだから、こういうのは嫌いじゃない。
20分あたりの人形の服を脱がせてウェディングドレスを着せるあたりが真骨頂。



「椅子の性生活」を観る。フィル・ムロイ。イギリス。1998年。7分。
世の中にはおバカな作り手がまだまだ多いらしい。その点で希望が持てる作品だ。



「ポッピンQ」を観る。多分4回目の視聴。96分。監督・音響監督宮原直樹。2016年。
キャラクター原案黒星紅白、キャラデザ総作画監督浦上貴之、CG監督中村大樹。
俺を惹きつけたプロの長編アニメ映画の中で、たぶん世界一完成度が低い。
それらの内訳の大半は、本スレの過去ログで他の人々が記してくれているから、
それ以外の長所短所を書き捨てておく。

・オリキャラを5人も出したことじゃなく、ご丁寧にもその全員が悩みを抱えていたことが、
尺を圧迫し物語を薄くした元凶の一つだろう。もっとキャラ数が多い作品もよそにはあるけど、
そのあたりの調整はどれもきちんと絞っていたぞ。
無手勝流で得られるメリットや好感も、たしかにあるけどさ。

・プリパラあたりのダンスと比較して地味だって意見があったと思うけど、
ダンスの方向性から考えて、タツノコCG班のけれんみのきつい芸風とは、比べるべきではない。
プロの3DCG屋は嫌がるかもだけど、皮肉じゃなくある種のMMDと比較すべきだろ。
高品質かつ生真面目なダンスを提供してるんだから。
その視点から見ると、地味ながら本当に出来がいい。
たとえば五人以上の多人数ダンスのモーションで、出来がいいMMDって気まぐれメルシィや
美脚戦隊スレンダーなど、本当に五指に満たないかもってほどの稀少さだけど、
それらよりも精密な出来だと思う。カメラワークも含めて。地味だから気づきにくいけど。

・ニコニコ動画のポッピンQタグの最大再生数の動画は、そうそうないくらい病気な公式だった。

・ただの予告編とかとはいえ、レンタル版の特典映像が17本ってのは、知る限りでは世界最大だ。
俺みたいに本数をこなしているマニアにとって、「世界一」をふたつ冠する作品って賛辞に値する。

・まあ、なんだかんだで好きなんだけどね。素直な芸風って強いな。
0214見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/12/22(木) 15:10:00.37ID:PeqRElKT
「シランクス」を観る。1965年。ライアン・ラーキン。3分。
見応えは充分だし芸術性も高いんだろうけど、ちょい不気味かな。それも個性だけど。

「ウォーキング」を観る。ライアン・ラーキン。1969年。たしか5分。
アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート。やや水彩っぽい絵柄。
あまり趣味じゃないけど見応えはある。
本来成り立ちようが無い画面を、音楽の力でむりやり成立させている気はするけど。

「ストリート・ミュージック」を観る。ライアン・ラーキン。メルボルン国際映画祭グランプリ。9分。
1972年。明るい楽しさから始まって、油断のならない絵やキャラが続出する。観てとても良かった。

「うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ」を観る。1985年。93分。監督やまざきかずお。
美術設定小林七郎・新井寅雄。脚本金春智子、総作画監督もりやまゆうじ、作画監督土器手司、
個々の画面はかなり面白く仕上げているっぽいけど、全体としては妙にピントが合わない気がする。
BDやパト2の前に、娯楽作としてうる星やつら1やパト1を作っておけたのは、
客にとっても押井氏にとっても大きかったんだろうなあと思う。



「チベット犬物語 金色のドージェ」を観る。監督・絵コンテ小島正幸、キャラ原案浦沢直樹、
企画丸山正雄、脚本井上尚登、キャラデザ藤田しげる、動物作画監督尾崎和孝、制作マッドハウス。
2017年のメイドインアビスのアニメ化で名を挙げた優秀な監督さんの、2011年くらいの作品。
90分。序盤がとにかく地味で、基本的に派手好きな俺はめげそうになった。
冒頭部のチベットへの旅の時点で、高山植物や自然の美なり、ごく軽めでいいからアクションシーンなりを挿入して
「本作は単なる地味なエセ文芸作品じゃない。派手で楽しいシーンも演出できる高レベルのスタッフが、
あえて地味に見えるほど誠実な作品を産み出そうとしてるんだ」って真意を、観客に提示してほしかった。
たとえば風立ちぬはパヤオとしてはかなり地味な作品だが、冒頭に結構長いアクション(飛行)を持ってきてる。
氏の作品でアクションシーンから始まるのは半分程度だし、中でも風立ちぬのは結構長尺だ。そういうふうに。
地道さという美徳と、地味さという商業作品における弱み。その二者ってごっちゃになりやすいな。

中盤以降は好きだし、いろいろ盛り上がって見応えがあったよ。現状でもなかなかの良作だと思う。
だからこそ序盤を練り直してほしかった。終盤のあれこれにも文句はあるけど。
それと動物作画監督はマイマイ新子のオーコメでも特記して褒められていた人だが、今作でもいい仕事してる。
主役の少年の声はリアル小学生だと思うが、素人っぽさの中に真実味が感じられる。

あと山中の吹雪の描写は甘いと思う。チベットの具体的な気候は知らないけど、
両側をごく低い崖(風除けになる)で囲まれた山道に、ああも強い風が吹くとは思えない(厳冬期を除けば)。
それに山の風に慣れている土着民や土着犬なら、とりあえず岩陰に身を隠すだろ。
(低体温症時における判断力の劇的な低下として描写した可能性も、なくはないけど)
それと雪崩に襲われた時は斜め下に逃げるのが鉄則だと、賢い犬なら知っているはずだ。
このレベルの知識なら、バックカントリーや雪山登山についての良質な入門書を一冊読むだけで足りる。
以上は登山警察の駄弁だが、ラストバトルの重要な舞台だしな。メインスタッフの誰かが気づくべきだと思う。
メイドインアビス第一話でのリコの受身の取り方とかロープワークとかは、相当しっかり描けていたのに。
まあ小島監督が腕を上げたってことか。
それと後援に中国大使館・日中友好協会がいるのは、やはり苦いな。作品に罪はないが。



名門・福州大学廈門工芸美院・北京電影学院の学生短編アニメの動画が、ビリビリ動画で公式に公開されていたが、
以下はそれとかを一通り眺めた感想。
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1664657538/448
0215見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/12/22(木) 15:11:31.63ID:PeqRElKT
「The Monk and the Fish」を観る。6分。1994年。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。
おっさんが網だの弓矢だので魚を追い回すだけの話。なのに本編開始2秒でこの作品が真実だとわかる。
悲しみを帯びて軽快な音楽と作画が印象的だ。さすがというべきか。


「Father and Daughter」を観る。邦題は岸辺のふたり。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。
2000年。8分。素晴らしい小品だ。ほかに何とも言いようがない。
この絵コンテで作品を成立させられると確信し、実際に成立させてしまう作り手には兜を脱ぐほかない。



「The Aroma of Tea」を観る。3分。2006年。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。
なにがなんだかさっぱりだが、心を打たれる。あの黒点は人間の生そのものなのかもしれない、と。



「レッドタートル」を観る。原作・脚本・監督マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。
脚本パスカル・フェラン、アーティスティックプロデューサー高畑勲。たぶんジブリライブラリー。
音楽ローラン・ペレズ・デル・マール。ジブリが製作に何枚か噛んでいるらしい。視聴は公開時以来二度め。
大雑把に言えば、文芸映画のカテゴリーだ。地味といえばじつに地味だが、
それでいて俺に80分をまったく飽きさせないだけの膨大な実質をそなえている。
だがこの作品のどこがそんなに優れているかは、俺にはさっぱり言語化できない。
音楽、音響、背景美術、作画などはは優れているが自己主張はしてない。
キャラクターやその関係性も、丁寧で中身は詰まっているが突出はしてない。
ストーリーはシンプルだがあちこちに飛躍があり、しかも寓話オンリーだともいえない。
カメラワークや一部優れて幻想的な描写も、序盤以外は筆を抑えている感がある。
声を語るような内容でもない。それでいて、こういう要素還元主義的な考察を拒否している印象も薄い。
アニメではこういう印象の作品を初めて観た。小説なら、日野啓三や石原郁子を
酒を飲みながら読み進めていくような味わいだといえる。
寝て見る夢のように、ストーリーは無茶苦茶だが当人だけにとってはきわめて説得力があるというか。
パヤオがジブリ内の試写会でこれを観た後、鈴木Pを呼びつけてこの作品のアニメーターたちを
集めてくれと要請したってエピソードがあった気がするが、その理由がわかる気がする。
日本のS級アニメーターたちとも、ディズニー黄金期だの一時期のチェコだのロシアだののアニメとも
世界の捉え方がまったく異なっているという印象だ。俺が見たどの既存の文芸アニメとも違うし。
押井守や安藤雅司両氏の炯眼に、この作品がどう映ったか尋ねてみたい気もする。
ともあれ、俺自身の世界把握の方法論に重大な不備があるかもと
思わせてくれる時点で、個人的に実にありがたかった作品。
過去ログ
レッドタートル ある島の物語 The Red Turtle [無断転載禁止](c)2ch.net
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1472879477/
0216見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2022/12/31(土) 16:14:08.19ID:kjBKIEO7
「ヤマンへの手紙」を観る。NHKのヒバクシャからの手紙ってシリーズの一つ。原作山本真理子。
監督・脚本・絵コンテ・映像演出・編集は加藤道哉。作画監督・原画後藤孝宏。美術監督渡邊洋一。10分。
キャラデザに高坂希太郎氏をひっぱってこれたのは、加藤氏が若おかみの撮影監督だったからかな。
題材は広島への原爆投下。2019年の作品だから、否応なく片隅のこうの史代・片渕須直と比較される。
そういう仕事を請けたってだけでも、なかなかの根性だと思うよ。
窓ガラスがこの時代なのに透明な点ほか、甘い箇所は無数にあるけど、いい点も少なくない。
(片隅の北條家・浦野家の窓ガラスは完全な透明じゃない。当時らしくいわゆる昭和ガラスだ。
 また「鉄人28号 白昼の残月」でも、昭和ガラスの時代考証をたしかきちんと処理していた。
 「風立ちぬ」の堀越二郎の下宿は窓ガラスが透明だったが、これは無視したい考証には蹴りを食らわすパヤオの芸風上正しい。
 また同一作品の黒川家離れの89分22秒では、障子を開け放っているから窓ガラスはきちんと曇っている)
原爆投下直前のシーンは、電線のない空の美しさが描けていた。
ちなみに同シリーズの他作品は、大半が唐人の寝言だ。そちらの監督は今林由佳、黒木香那、小野ハナの諸氏。
なおこの動画は、NHKが公式にyoutubeにうpしている。
https://www.youtube.com/watch?v=mhf7FhJiatM


「機動戦士ガンダムサンダーボルト DecemberSky」を観る。69分。原作は矢立と禿、
漫画原作太田垣康男、脚本・監督松尾衝、絵コンテや演出のクレジット筆頭も松尾氏。漫画原作は未読。
この作品に相当満足するファンも多いんだろうとは思う。だが個人的にははっきり苦手だ。
理由は煎じ詰めれば、戦場における人間なり死傷なりを、描ききれてはいないと思えたから。
「戦場で音楽を聴きたがる気持ちがやっとわかった」とか、真実を衝いたせりふもあるけどね。
ヒロイン格ふたりがとくにひどい。女医と将校(艦長代理)の身分でこれはありえないよ。
召集兵ではなく職業軍人ないしそれに準じる立場なんだから(声優たちの無駄な熱演がそこに拍車をかけている)。
前線の兵士についてのルポルタージュなり創作物なりには、きわめて優れたものもたくさんあるから、
どうしたってそれと比較してしまう。ある程度の本の虫ならば。
あと、この手の戦闘に兵士が魅入られることって、現代や近未来では考えにくいと思うよ。
「戦争から、煌めきと魔術的な美がついに奪い取られてしまった」うんぬんっていう、
第一次世界大戦のチャーチルの名言を持ち出すまでもなく。
なお、この監督さんの過去作品の、>206「ローゼンメイデン オーベルテューレ」よりも
良い出来な部分も多かったとは、つけくわえておく。


・仏陀再誕(石山タカ明)
・劇場版ワンピース 珍獣島のチョッパー王国(志水淳児)
・劇場版ワンピース FILM GOLD(宮元宏彰)
・戦・少女イクセリオン全集(平野俊弘)
・劇場版とある魔術の禁書目録(錦織博)
・アイカツミュージックアワード(綿田慎也)
・ご注文はうさぎですか?? Dear My Sister(橋本裕之)
・サマーゴースト(loundraw)
・岬のマヨイガ(川面真也)
・サマーウォーズ(細田守)
・劇場版小花仙 奇迹少女
・昨日青空 Crystal Sky of Yesterday
・ゴッホ 最期の手紙
・サンダーバード特別編
・おちゃめなドラゴン
・わが心にかくも愛しき
・ズートピア
・プリンセスと魔法のキス
・トイ・ストーリー
・アナと雪の女王
・ファインディング・ニモ
・空軍力の勝利

は観たが、個人的には特に語るところなし。
0219見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/02/19(日) 17:12:50.10ID:ikqDAdfq
「朱の路」を観る。村田朋泰。13分。クレイアニメ。
干潟を歩く牛車がいい(干潟を描いたのって片隅とこれの二作しか知らない)。
少女も可愛いだけじゃなくぐっとくる。叙情的で素敵な小品。


アル・ヤンコビックの曲「I'll sue ya」のPVを観る。アニメ制作はビル・プリンプトン。
幾原邦彦か森脇真琴が脳軟化症にかかったら作るだろうかといった芸風。楽しい。


「サンドマン」を観る。ポール・べリー。人形アニメ。9分。
子供向けホラーみたいな感じ。大人が観ても相当いける。作者はわりと容赦ないなあ。


「ビーズ・ゲーム」を観る。イシュ・パテル監督。1977年。6分。インド。
最初のうちは「手間がかかってるな。そしてエスニック風かな」くらいしか感じなかったが、
後半に行くと引き込まれる。爆発シーンとか。なかなか満足。なお全編ビーズで作られてる。


「アイアン・ジャイアント」を観る。海外作品。86分。ブラッド・バード監督。アメリカ産だったかな?
かなりの出来だ。優れた娯楽作品だという評価は、俺以外の大勢から集まるだろうし、実際そうと聞いている。
冒頭部の嵐は海の荒れ方ってものを知っている作り手の描写だし、それ以降もグレイトな箇所は少なくない。
夜の森での懐中電灯の使い方とか、わかったうえでウソ(脚色)を的確にほどこしているのも理解できる。
だが俺の心を魅了はしなかった。その理由も明白だけど、作り手に失礼だから記さない。
あと軍隊や軍用機を描写するカメラが、実写アクション映画なりドキュメンタリーの影響が濃い。
「風立ちぬ」のインタビューで、実写では描けない構図を心がけたってパヤオの発言の重さが、ややわかった。


「劇場版ワンピース スタンピード」を観る。大塚雅史監督。101分。原作は多少読んでる。
いままでワンピ劇場版は、細田守氏のも含めて数本見てきたが、
どれも俺との相性が悪かったり下手だったりだった。だが今回のはいままでの中で一番マシだ。
中盤くらいまではたるいところも断続的にあるが、七武海やスモーカーたちとの共闘あたりから引き締まる。
同一監督のプリキュアオールスターズには及ばないけど、まあ充分な出来だろうな。
くっそ偉ぶった物言いだけど。


「ゲゲゲの鬼太郎 劇場版VOL3」というDVDを観る。歴代作品のうち3本が収録。
「ゲゲゲの鬼太郎 大海獣(勝間田具治)」と「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪特急!まぼろしの汽車(吉澤孝男)」は、
まあこんなもんかって出来。手抜きとは実際思わんけど、子供はちょろい生き物って思い込みが見え隠れする。
残り一本は「ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター」。監督佐藤順一、脚本島田満。作画監督窪秀巳。
30分。これは、作り手が脳味噌を絞ってないと生み出せない映像が時折見られる。
異界がかなり的確に描けている。また暗い劇場内なら小学校低学年くらいは本気で怯えそうなシーンも多い。
それとローアングル猫娘のふとももが健康的でそそる(この時代はまだ萌えないキャラデザなのに)。
あと下着ひょっとしてつけてないの? それともふんどし派? それと御大、もげるのは腕だけにしとけって感じ。


「世界名作劇場完結版 家なき子レミ」を観る。監督・完結版演出楠葉宏三。キャラデザ大城勝。88分。
音楽服部克久。絵コンテ・演出は楠葉宏三・高木淳・鈴木孝義・杉島邦久・寺東克己・藤本次朗・西田健一。
作画監督大城勝・井上鋭・丸山宏一。作画にも才田俊次・尾崎和孝・平松禎史ほかSSRが目白押し。
OP主題歌の作詞・歌唱さだまさし。あまたの作品をこのスレで褒めてきたが、キャラデザと表情が俺の好みって点では
本作はベスト5に入るだろう。それだけで及第点をはるか高々と跳び越している。作画陣全員が誇って良い。
少女主人公(なんでや)は抜群に可愛らしい。そしてすぐ誰かに抱きつく。観てるほうが照れるくらいだ。
シナリオは傷も相当多いが、世間にひそむ悪意と暴力を、子供向け作品なりにきっちり見据えている点は好きだ。
本物の善意や理想というのは、悪という現実の実態を解決しようとして、その内部から高く突き上げたこぶしのようなものだから。
そしてEDは、世界名作劇場の掉尾を飾るに恥ずかしくない曲だ。亡き服部克久の力量のほどが偲ばれる。
なお本編は、つべで公式配信中。未来少年コナンとかの公式無料配信も、同じところでやってる。


小宇宙計画(旧名:小宇宙新星計画)という、中国のオリジナル動画コンペの全動画が、
ビリビリ動画で公式に公開されてたが、以下は2019-2021年度作品を一通り眺めた感想
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1664657538/851-852
0220見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/02/19(日) 17:16:31.84ID:ikqDAdfq
「劇場版マイリトルポニー プリンセスの大冒険」を観る。99分。
勢いやアイデアがぎっしり詰まってる。このシリーズを知らない人なら、多少の突っ込みどころは感じても
とても楽しく鑑賞できる可能性は低くない。…ニワカに近いとはいえ、TVアニメ版が大好きな俺には無理だったけど。
お小言を申し上げたい部分が5000箇所くらいあるけど、重大な6つに絞る。
以下は、このシリーズを知らない人は読まないほうがいい。ただの書き捨てだし。

・作画が手描きから3DCGになったせいなのか、キャラクターの表情がひどい。総作画監督30人くらい雇え。
 絵がテレビより崩れてる劇場版って、冗談抜きでほかにひとつも俺は知らないぞ。
 手描きないし2Dで成立した様式(しかも多くの先達に支えられたカートゥーンの様式)を、
 そのまま無批判に3Dに移し変えようとしてない? テレビ版での表情変化の楽しさって花は、
 スタッフの技量って茎だけじゃなく、様式っていう根でこそ支えられてるのは明らかだったが。
 なお、作画形式が変わったことで、背景上でどうキャラクターを動かせばいいかの法則も決定的に変わっているが、
 そちらの処理は充分上手くできている。手描きではやりにくい新機軸にも多数挑戦し、おおむね成功させている。
 そのあたりをこなせているスタッフが、なんでこんなミスをやらかすんだか。

・主人公と仲間たちがああなる展開が、いろいろとあまりに強引過ぎる。
 またそれに関連して、76分54秒前後、村の全景を敵役自身の視点で捉えなかったところが、必要のない逃げだ。

・助っ人グループたちの合流に、不要かつ我慢がならない手練手管を用いている。
 シリーズを貫くキーワードのひとつが「友情」なんだから、合流それ自体には反対しないけど、
 あのグループの中で、合流が妥当だと思えるほどシナリオが練りこまれていたのは、まあ三番目だけだよ。
 小手先のテクニックでストーリーを飾ろうとしたとしか思えない。
 第一と第二グループの合流のひどさを見せつけられると、状況が似ているクロスボーン・ガンダムの
 終盤の見事さをつい思い返す。キンケドゥがなぜああなったか(しかも左ではなく右だった)をな。
 MLPもガンダムもしょせんご都合主義の玩具販促作品かもだが、そこを乗り越えるために、
 禿と長谷川裕一は死力を尽くした。MLPスタッフはそうじゃない気がする。

・飛行船から飛び降りるピンキーパイの構図と表情は、リトルウィッチアカデミアのアッコや新海誠のはるのあしおと、
 トロピカルージュプリキュアのプチ劇場版ほかいろんな良作で見かけたけど、本作のそれは決定的に甘い。
 筆の勢いに頼れない3DCGにおいて、出崎統のような演出方法を採るのって間違ってるけどね。
 杉野さんを呼んでこいって感じだ。(ついでに風立ちぬの冒頭の構図の意味もよりわかったが)

・ピンキーパイが活躍しすぎて、RDと主人公はともかく、それ以外の三人の出番が極端に減っている。
 あの性格と行動力なら冒険もので悪目立ちするのは、劇場版の企画を立てた瞬間に想像つくんだから、
 そこにブレーキをかける展開にしろといいたい。足くらい捻挫させろ。
 彼女が物凄い人気キャラだとは小耳に挟んでいるけど、主人公以外の5人は対等って設定・建前でしょ?
 (冒頭での5人の紹介シーンが、最初がRDで次がピンキーパイな時点で、脚本家がそこに無頓着なのがわかる。
 もし作劇上の制約でやむをえずピンキーパイとRDを目立たせているなら、せめてここで残りの3人に花を持たせるはずだ)
 たとえば漫画版ナウシカにおけるクシャナは五体満足だが、劇場版では義肢になってる。
 理由はたぶん、劇場版をナウシカひとりの物語にするために、
 ダブル主人公の片割れであるクシャナの性格を変えぬまま行動力だけを制約するためだろう。
 それはパヤオの、作品設定とストーリー展開を同時に見極めている畏怖すべき眼力の一端だ。
 MLPの脚本家たちだってナウシカくらい観てるんだろうから、お手本にすればいいのに。
 原作的存在と劇場版とで、同一作家が作劇の手法を変化させるって点で、ナウシカとMLPは同じなんだから。

・悪役に説得力を持たすため、悪役をツートップにしたり、主人公と悪役に同じ課題を負わせる手法は
 悪くはないししばしば使われるけど、その後の処理が甘すぎるよね。どちらの側面においても。
 冒頭部で他のプリンセスたちがあっさり石化する時点で、嫌な予感は相当したが。。

傑作を産み出そうとして力が及ばなかったのなら、いつだって、どこまでだって失敗作を許せるよ。ファンだから。
でもこの劇場版の志の低さはそうじゃない。残念だよ。それだけ。
0221見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/03/11(土) 16:03:38.70ID:iT5Nm3FR
「Tokyo Woes」を観る。1945年。4分。パブリックドメイン。白黒。
アメリカ海軍監修の反日プロパガンダアニメらしいが、出来が良いためにギャグアニメにしか見えない。
赤塚不二夫とかそのあたりの。


「Une lecon de chasse 」を観る。13分。2001年。ジャック・ドゥルーアン。
中年のおっさんと13歳くらいの少年の、狩猟を通じたお話。絵柄がなかなか面白い。よく描けている


「An Old Box」を観る。8分。1975年。ポール・ドリエッセン。
個人的にピンとこない氏の作品群の中で、唯一興味を引かれた。
箱の糊付けが取れた後半からの描写がぐっと来た。


「A Legy」を観る。1980年。3分。フランツ・ロシェフ。
リプチンスキーの「Oh, I Can't Stop!」を、手描きアニメでやったみたいな作品。
観ることと描くことは、絵描きの中でどのようにしてひとつになってるんだろうね。
どちらにせよ作品に力がある。
またこの作り手は、30秒ほどの商業CMアニメでも悪くない出来のをいろいろ送り出している。


「Gravitacio」を観る。2分。1984年。フランツ・ロシェフ。
リンゴは悪魔的だな。どうってことない掌編だけど見ごたえある


「Summertime」を観る。アブ・アイワークス。8分。
1933~1936年くらいの、ディズニーを離れていた時期の作品。
古巣より侘しい感じの表現が好みだが、客観的には当時の古巣のほうが出来がいいだろうなあ。


「世界名作劇場完結版 大草原の小さな天使ブッシュベイビー」を観る。監督鈴木孝義。87分。
ストーリーとかはどうってことないけど、主人公の金髪少女のショートパンツ姿が可愛かったからそれでいい。
表情も、ちょくちょく崩れてはいたけど、魅力的に描けているシーンも少なくなかったし。
上手に媚びて可愛らしいのは結構好きだけど、へたくそな媚びの他作品はごめんだ。我ながら面倒くさい。


「世界名作劇場完結版 ピーターパンの冒険」を観る。キャラデザ・場面設定なかむらたかし。
作画監督も沖浦啓之はじめ結構な面子。監督黒田昌郎。87分。
テレビの再構成だからか、ストーリーは緩い部分多いけど、他の部分は稚気に富んだ楽しさだ。
冒頭部のピーターパンの軽やかな作画はじつに楽しい。
15分あたりの描写は、夜空を飛びたがる子供が抱く、星々や月への憧れをなかなか描けているかも。
18分前後の展開は、現実世界でいたずらにしくじって、
警察沙汰クラスの厄介事をひきおきしてしまった子供たちの、動転とかをも想起させる。
建物や洞窟も、通り一遍の描き方ではなく、子供たちが憧れるような装飾などを模索しているようだ。
個人的には、フック船長の義手に怯えたり(子供は本格的な障碍者を理解不能な存在とみなしがちだ)、
風呂桶にふたをしたまま湯につかって遊んだりした幼年時代を思い出した。
ぜんまい仕掛けのギミックや、秘密基地が台無しになる悲しみなどもよく描けている。
大人たちのおかいこぐるみの保護抜きで冒険したがる、子供の心地も満たしてくれる。
長所に目を向けるならばなかなかの出来。


小宇宙計画という、中国のオリジナル動画コンペの全動画が、
ビリビリ動画で公式に公開されていたが、以下はそれの2022年度作品を一通り眺めた感想
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1664657538/960
0222見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/04/17(月) 16:39:37.34ID:+brxNjjm
「スティル・ナハト5」を観る。クエイ兄弟。4分。
犬が可愛く、音楽がシャープだ。芸術に浸っているという俗物な自己満足も味わえる。
皮肉でなく、そういう要素は俺のような凡人には重要なものではある。


「Strings」を観る。10分。1991年。ウェンディ・ティルビー。
細かいところはよくわからないけど見ごたえあった。ワインを注ぐシーンのいくつかが好き。


「Wild Life」を観る。13分。2011年。ウェンディ・ティルビーとアマンダ・フォービス。
出来はかなりいいよ。陰鬱だし風刺色が強いけど。


「It's A Bird」を観る。1930年。チャーリー・ボワーズ。3分。
絵を動かすこと自体に喜びを感じられた時代の作品っぽい。切れのいい短編。


「オモチャ箱シリーズ第3話 絵本1936年」を観る。1934年制作。8分。日本の作品。
空から邪悪なミッキーマウスが襲いかかるのを、桃太郎やらを英霊召喚して立ち向かう内容。
プロパガンダってものがどれほど醜悪かの最良のサンプル。まあ今となっては笑うだけだが。


「Inspirace」を観る。邦題は水玉の幻想。1948年。パブリックドメイン。10分。チェコ作品。
カレル・ゼマン監督。理外の美しさを表現できている稀な作品だ。これが芸術の力か。
かぐや姫の物語や鹿鈴が「描線の美しさ」であり、シリー・シンフォニーが「動きの美しさ」だとしたら、
本作は「鉱物ないし硝子の美しさ」だろう。ひとくちにアニメの映像美といっても、いろいろあるもんだ。
調べたところ、ガラス人形を用いた人形アニメーションは世界中で他に一作たりともないらしい。無念。




「ロング・ウェイ・ノース」を観る。81分。2015年初公開。レミ・シャイエ監督。
ジブリライブラリー。アヌシー観客賞とTAAFグランプリはどうでもいいが、
パンフレットで生前の高畑氏が褒めていたらしい。ウソのつき方が気持ちいい作品、と。
井上俊之氏も寄稿してたらしい。ちょっと買っておきたかったかな。

内容は、冒険要素がある高畑作品といった風情だ。名劇や魔女の宅急便みたいな要素もある。
絵柄は徹頭徹尾萌えないのに、主人公の少女に奇妙な訴求力がある点も、ホルスに印象が近い。
主人公が金髪14歳かつ帝政ロシアの大貴族の娘で、それが10人の荒くれで頭悪そうな精力絶倫っぽい船乗りたちと
航海する(しかもお付きの警護役執事みたいなのはいない)のが、センシュアルな隠し味を作品に添えている。
やっぱり文芸っぽい作品とはいっても、そういう魅力的なフックは是非ともほしいよね。
ドキドキプリキュア劇場版で、主人公のピンクが愛しい相手に噛みつかれて流血し、
眉をぎゅっとしかめるんだけど、それが不純な俺にはラブラブ破瓜の擬似描写にしか見えなかったり、みたいな。
ナウシカにテトがなつく名シーンとか「わが夫となるものはさらにおぞましきものを見るだろう」とかも。

まあ与太話はどうでもいい。
内容は相当に優れている。あるいは傑作かもしれない。
そんなのは観れば誰だってわかるだろうから、記すまでもないけど。
62分33秒あたりで、モルゲンロートを前面に押し出さず、
背景でわずかに描写するあたりが、作り手の底力の一端だ。
これほどの美術なら技巧を凝らさずとも客をひきつけられるって判断だろう。
(風立ちぬ冒頭の二郎の夢と一緒だ)
全般的に完成度が高い。あえて言えば、作品に気品がありすぎるところが弱みかな。
極地描写などの荒々しさがなければ文芸路線に寄りすぎていただろう。
0223見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/04/17(月) 16:40:46.71ID:+brxNjjm
「シュガー・ラッシュ」を観る。101分(本編は82分ほど)。ディズニー御製。世評は相当に高い。
この作品を未読かつ興味を抱いてる人は、下の雑感なんか読まずとっとと鑑賞したほうが本当にいい。
普通のまともな客にとっては充分素敵な内容だろうから。それほどのレベルに達している作品ではある。
なお、以下は重大なネタバレが含まれる。

俺は視聴中ずっと、子供騙しって言葉が脳裏から消えなかった。
べつだん全然悪くない作品だけどね。技術はたっぷりあるけどセンスが乏しいって系統だ。
マイリトルポニーでさえ同様の感想を抱いたっけ。キャラデザと色彩設計、なんとかならないのかな。
華やかさとけばけばしさの区別が、作り手たちには根底のところでついてないんじゃないの。
ダブル主人公の片割れのメスガキは良かったよ。
その魅力的な気性を成立させるために、バグ設定・陋屋設定・王女設定で三重に予防線をはりやがったけど。
(メスガキとはよく言ったもんだ。女かつ子供なら、そりゃ元気ではあるだろう。元気さの質が問題だけど)
(登場時の角オナをわずかに連想させるシーンとかは良かった)
ドキンちゃん(コキンちゃん)ポジを主役の相方に据えるのって、
主役が彼女のご機嫌とりで手間をかけさせられて相当虫が好かないし、それ以前に危険だ。
だから念入りに予防線を追加したんだろうけど。

それと彼女を木にぶら下げた直後の第一撃を描かなかったのは、本当に看過すべからざる逃げだよね。
その後の展開から逆算すると、下手に描写すれば茶番になりかねないって側面はわかるけどね。
(これの脚本家の欠点は「シナリオの逆算」かもしれない。これをやると終盤は盛り上がるが序盤がとろくなる。
ヴァネロペの初登場が限界に近いくらい遅かったのは、それが理由じゃないの?)
(あと描かないならそれはそれで、なんでサイドから壊したの? 
彼女にまだしも配慮するなら、角度からして後部から壊すしかなかった)
渦に巻き込まれた後の描写を、ああいう暗転でごまかしたところもそうだし。
物事の本質はいつだって、描写された内容にではなく、描写されなかった部分にこそ色濃く暗示される。
実写と違って一から十まで、作り手が実際に表現したものだけが画面に映る、アニメってジャンルならなおさらだ。
娯楽作品につきまといがちな卑しさを拭ったり薄めたりしたいと、作り手は思わなかったのかな。
その卑しさに正当に反発したかったから、芸術ってものが命脈を保ってきたともいえるような、
それほど決定的な別れ道なのに。
最初に悪ガキが車を壊すシーンはそれなりに描写されてるのにね。
これほどの娯楽作品の作り手が、なんでつまんない逃げを打つんだろう。サブキャラ同士の恋愛の「軋み方」も以下同文。

ヴァネロペが境遇に寂しさを感じているから、主人公に積極的に絡みに行ってるって設定は見て取れる。
それはほとんどのディズニー作品よりも、物語の原動力としてずっと自然で納得できる。
また「子供にも、大人のように機械をパワフルに操縦することは出来る」って点を、
主人公の能力として自覚的に描写している点も好ましい。ゴーカートとか餓鬼の頃の俺も楽しんだし。
アメ公はおおむねカーレースの描き方が上手で楽しいが、本作もご多分に漏れない。
そういう小さくない長所は山盛りではある。それでも作品への違和感は帳消しにならないけど。
dat落ち済みの過去ログ
ディズニー】シュガー・ラッシュ 10プレイ目(c)2ch.net
https://mint.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1461305981/
0224見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/06/27(火) 19:49:15.10ID:DKRUl/1m
「ポン助の春」を観る。1934年。大石郁雄。7分。白黒だが豊かな画面だ。
ディズニーの多大な影響はうかがえるが、それでも絵のスタイルは確立しかけているらしい。日本アニメーション映画クラシックスのサイトにアップロードされている。


「熊に喰われぬ男」を観る。9分。大藤信郎。1948年。白黒。パブリックドメイン
技術はシリー・シンフォニーに及ぶべくもないが、巨人ディズニーにない独自性を出そうと色々あがいてる。
主人公の時折のムーンウォーク、画面の奥から手前に「歩いて」くる描写、
いかにも日本らしい急坂の山道を登る描写、滝壺に落ちそうになる主人公を真上から見下ろすカメラなど
やっぱり創意工夫って大事だし、「日本で最も権威あるアニメ賞」に名を残すような人は違うんだなと実感。


「すて猫トラちゃん」を観る。1948年。政岡憲三監督。白黒。パブリックドメイン。20分。
擬人化した子猫たちの物語だが、実に良く動くし、それ以上に奇妙な色気がある。
現代でも風変わりな萌え絵として、その筋の筋者たちからマニアックな賞賛をもらえそうな絵柄だ。
たぶんパヤオよりやばいタイプのロリコンだろうなあ。いい作品をものしてくれたんだからどうでもいいけど。
面白いカメラワークとかもある。この時代の日本の作品としては突出してるな。


「劇場版BLOOD-C The Last Dark」を観る。原作ProductionI.G及びCLAMP。絵コンテ・監督塩谷直義。
102分。ストーリー及びキャラ原案CLAMP。原作監修藤咲淳一。脚本大川七瀬・藤咲淳一。
キャラデザ総作画監督黄瀬和哉。原作は未読。というか原作がマンガなのかテレビアニメなのかも知らない。
内容は特に序盤が好きになれないけど、作品としては成立しているかもしれない。その旨はここに記しておく。
作品なり自己の知見なりを精査して、成立ぶりの詳細をチェックする気にはなれない。
思えばCLAMPの漫画は、昔から一度も愛読できなかった。
まあ、俺がこういう反応を示すってことこそが、この作品が良い意味で思春期の客のために生み出されたってことかもな。
あと「未成年者保護条例」なるものを設定して、子供たちと官憲を自然に敵対させる遣り口は上手だな。


「東京マーブルチョコレート 全力少年」「東京マーブルチョコレート マタアイマショウ」を観る。
監督塩谷直義。核地雷。美術監督の小林七郎以外の全メインスタッフの顔面を踏み抜きたくなった。
こんな未熟な力量で、よくぞあの谷川史子をアニメ化しようと思い上がれたもんだ。I.Gに良作なし。


「やさしいライオン リニューアル」を観る。原作・演出やなせたかし。製作手塚治虫。制作虫プロダクション。
27分。自分がやなせファンなだけに、中身をいざ観るまでは結構不安だったんだよね。
やなせ氏にアニメの実制作の経験があるとは聞いてなかったし、虫プロの良作も雨夜の星だと思うし。
でも読後安心した。氏はアニメを作りたかったんではなく、絵本や歌作りの実力でもって彼にとっての新天地に挑んだんだとわかったから。
アニメ技術的には、難しいことには何も挑戦してない。だが新鮮かつ彼の作家性にとって必要な挑戦はしている。
結局他の創作ジャンルと同じく、アニメでも志は技術の上に来る。そんな当たり前の真実を証明している。それで本当に充分に満足だ。


「世界名作劇場完結版 トム・ソーヤーの冒険」を観る。監督斉藤博、完結版演出楠葉宏三。
テレビ版は未読。背景がなかなか。キャラ描写も時折悪くないものが混じっている。
作画も近藤喜文・百瀬義行・佐藤好春各氏などが参加してるから、見所もある。
また墓場の盗掘シーンでは、月明かりのない夜の暗さをかなり真面目に描こうとしている。
主人公たち以外の面子は、顔の表情まで真っ暗に近い塗りにしたりな。
ただカンテラには明かり漏れ対策として覆いをつけるべきだった。人気の少ない森の方角以外は。全体的にはそう悪くない。


「BLACK FOX」を観る。90分。総監督野村和也、監督篠原啓輔、脚本ハヤシナオキ(久弥直樹らしいが)。
2019年。メイン三人は全員少女。百合っぽさがやや漂うのも含めてポッピンQ路線。
主人公がくのいちで、スタッフロールやスマホ画面も英語だったから、たぶん海外展開狙ってるんだろう。
まあそこそこ好み。チーズの穴みたく突っ込みどころは多いが、時折は良い画面を作ろうと努めているのもわかる。
この路線ならもう少しあざとく仕上げてほしかったかな。ややGガンっぽいノリで。
さもなきゃONEと同じく、シナリオの穴が客の内面の虚無と共鳴する方向性か。
あとくのいちなら房中術がほしい。たとえ間違っていようと。
0225見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/06/28(水) 05:54:50.77ID:ph/nlkmH
「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」を観る。2017年の作品。69分。音響監督長崎行男、
監督・脚本・絵コンテ・演出菱田正和、CGディレクター乙部善弘、プリズムショー演出京極尚彦、
キャラクター原案&デザイン松浦麻衣、スペシャルサンクス井内秀治。これで三度目の視聴。
なお本作は、劇場版前後編アニメの後編扱いとなる。前編の「KING OF PRISM by PrettyRhythm」は
事前にほぼ視聴必須で、元ネタの「プリティーリズム レインボーライブ」全52話も視聴がまあ推奨される。
またレンタルDVDには、応援上映バージョンの本編も収録されている。楽しい。

巷に良い劇場版アニメはいくらでもあるし、素晴らしい劇場版アニメだって、探せば多少は見つかりもする。
だが観た俺の度肝を抜いた作品は滅多にない。本作がその一つだ。
一日に同一劇場版作品を、1dayパスを使わずに映画館で二回見たのは生涯で二作品だけだし、
もうひとつのも菱田監督の作品だ。

題材は魔法っぽさが加味されたフィギュアスケート+歌唱+ダンスショー(要は男アイドル)で、
主人公チームが大会で優勝を目指すという、部活ものっぽいシンプルな内容だ。
だが序盤から異常なノリがほうぼうに差し込まれていて、後半になるにつれ加速度的にその濃密さが増してくる。
黙示録とアンゴルモアのコンボあたりからはもうツッコミが追いつかない。電子ドラッグだ。
でたらめなまでの物凄さに、映画館の座席に物理的に押しつけられる錯覚を覚えた当時を、懐かしく思い出す。

これより俺を幸せな気分にした作品は、ことアニメにはただの一作もない。
これと同じくらい幸せにしてくれた作品も、子供時代を含めても本当にわずかしかない。
世界は本当にプリズムのきらめきに満ちているのかもなと、素直にそう思わせてくれる。
今回自宅のPCで本作を観た時は、ストーリーもわかっていることだし、かつてのようには俺の度肝を抜いてくれなかった。
だがその代わり、作品の圧倒的な力が前の二回よりも綿密に実感できた。
「度肝を抜かれた」という感想が落ち着くと「圧倒的だ」になるらしい。
そんな体験も生涯でこれまでほとんどなかった。映像の力とは魂消るばかりなものだな。
欠点をあえて挙げるなら、ホモ臭が結構強い点と、最後のヒロと店長のあれがかなり犯罪っぽい点か。
0226見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/06/28(水) 05:56:12.35ID:czyqOfFw
908:名無し募集中。。。:2023/06/27(火) 22:30:00
本日二回目のお願いになってしまいましたが、よろしければ代行お願いします。なおこれで最後です。

【状況】書き込み規制 
【板名】アニメ映画板
【スレタイ】【白蛇伝】昔のアニメ映画総合【海の神兵】
【スレURL】
【本文】↓
0227見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/07/19(水) 19:03:07.29ID:GiHHVVwo
「The black dog」を観る。アリソン・デ・ヴェア。19分。
あまり好きなタイプじゃないけど、静かな退廃とかは描けているっぽいし、終わり方はまあ好み。
実力者ではあるのかもね。


「Mr Pascal」を観る。アリソン・デ・ヴェア。6分。靴直しのおっさんがキリストとダンスするみたいな話。
悪くない画面が作れている。趣味じゃないのに最後まできちんと見る気になれたから。


「Cafe Bar」を観る。アリソン・デ・ヴェア。5分。
これもよくわからんけど、アクションだの夢のシーンだのもそれなりに楽しかったし、いいんでない?


「Gobelins」を観る。アリソン・デ・ヴェア。1分。
この人のほかの作品は芸術っぽいけど、これは違う。短いし。
俺みたいなアッパラパーには芸術はわからんので、この作品がいちばん好みだな。
主人公が美女だし、表情もきちんと細密かつシャープだし、ちょっとしたアクションも良く描けているしね。


「アリババ」を観る。10分。エマニュエル・ルザッティ。
子供向けの絵柄や、洞窟のお宝の山などの描写が好み。


「映画えんとつ町のプペル」を観る。100分。監督廣田裕介、アニメーション監督佐野雄太、キャラデザ福島敦子、
演出大森祐紀・平川達也。製作総指揮・原作・脚本西野亮廣。最後の人は悪評ぷんぷんらしいけど、
名誉と金儲けだけを目論む俗物がスタジオ4℃に制作させるかな、とは思った。原作などは未見。
で、内容は悪くない。特に作画面。3DCGが苦手な俺に、一時停止ボタンをつかわせなかったのだから。
脚本も、平凡ではあるし長広舌の使い方などがアニメ業界プロパーのものじゃないなーとは思ったが、ツボは押さえてる。
「泣かせの演出」の濫用、キャラ配置と動かし方でいやなバランスの崩し方をしてる箇所が複数、
またこともあろうにクライマックスあたりからの諸要素の乱れなど、アラは相当に多いが。
べつに金返せとは思わなかったな。


「モンスターストライク劇場版 はじまりの場所へ」を観る。監督江崎慎平。
キャラデザ総作画監督金子志津枝。作画監督20人。原作とかは未読。
内容は実にどうってことないが、主役のロリショタ二匹ずつの絵がかなり可愛いんで問題ない。
この展開でお漏らしがないってマジかよとは思ったが。
あと鍋つついてたおっさん、せっかくアパートの煎餅布団に四人ともひきずりこめたんだから食っちゃえばいいのに。
過去ログ モンスターストライク(モンスト)THE MOVIE はじまりの場所へ [無断転載禁止](c)2ch.net
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/animovie/1481276209/


「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」を観る。原作・脚本さくらももこ。監督須田裕美子・芝山努。92分。
音楽パート担当(おそらく演出など)は芝山努・湯浅政明・小林常夫など。原作とかはちょっとしか知らない。
評判通り充分な出来だ。だが薄味というかさっぱり風味すぎて個人的好みからは外れる。
冒頭の踏切前の二人の後ろ髪の揺れ方・止め方と、次の富士山・時計の肩の力が抜けた描き方を見れば、
作品のレベルはおのずと予想できたから、俺ごときがぶつくさ物申すまでもないだろう。


「映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説」を観る。87分。絵コンテ・監督金崎貴臣、
脚本上江洲誠、演出いわもとやすお・中山敦史・吉田俊司。原作やテレビアニメは未読。
ギャグは楽しくてヒロインは可愛らしかった。シリアス成分はアレだが充分楽しめたよ。それでいい。
各シーンの繋ぎ方とか、音声面と映像面の二者のテンポのすりあわせとか、そういう単純なところで
ミスをさんざん冒してるけど、それらは技量の問題だから、作り手が順当に経験と熟慮を積めば直るんでしょ。
出来のいいポップコーンムービーだな。俺にとっては相当上位の褒め言葉だ。
当ててんのよは笑った。
0228見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/07/19(水) 19:03:37.27ID:GiHHVVwo
「しあわせウサギのオズワルド Trolley Troubles」を観る。6分。1927年。
ディズニー最初のスターにして、全世界に最も多くの不幸をばらまいたアニメキャラのデビュー作。
内容じたいは充分に楽しい。「レールの上を進むだけの列車はドラマにならない」とか
キングゲイナーがらみで禿がのたまってたけど、べつにそんなこともないんじゃね。
いまとなってはパブリックドメインだから、各種動画サイトで合法的に視聴できる。嘲笑に足る事実だね。
ネウロでの原子力空母は、ケネディ暗殺犯じゃなくこっちかもな。乗っ取り関連の話題から見て。


「メロディ・タイム」を観る。75分。ディズニーの短編集。7本収録。パブリックドメイン。
1940年代くらい。「冬の出来事」「クマンバチ・ブギ」はシンプルで楽しい。
「リンゴ作りのジョニー」は悪くないが、題材が後生の木を植えた男とかぶっていて、あっちには遠く及ばない。
あと初期ディズニーはあれほどの作画力にもかかわらず「重さ」の表現にときおり失敗するけど、本作もややそう。
「小さな引き船」「丘の上の一本の木」はまあこんなもんでしょ。
「サンバは楽し」はこれもシンプルで、かつ相当の楽しさ。ドナルドみたいな有名キャラも登場。
この頃のディズニーのアニメ・実写融合表現って、かなり自然で好感度高いね。
「青い月影」は・・・柄にもなく寓話でも目指したのかねえ。いいところもあるけど。
全体としては、当時における「いつものディズニー」。ハイレベルだしいいんじゃないの。


「ラテン・アメリカの旅」を観る。41分。1940年代。パブリックドメイン。
ディズニーの非短編にしては悪くない出来だ。絵筆がブラジルを描くシーンあたりが特に新鮮だな。
アニメーション黎明期・勃興期にのみ顕著な、絵が映像になることへのアニメーターの喜びが伝わってくる。
静から動へのその変換は、想像力を武器として成し遂げられている。
実写とアニメを並存させる構成も、そのあたりに拍車をかけているんだろう。
当時はまだ、まともにかつげる小型撮影機器さえぜんぜん存在しない時代なはずだから、画面が動かない。
だがアニメは自在に絵を動かせる。スローモーションも表現できる。その卓絶した利点は誇らしかっただろうな。
あと子供飛行機の発着は魔女の宅急便の旅立ちを連想する。
ただアコンカグア級の高所なら、雷は横からも飛来するから、そこは少し表現してほしかったな。
(ハイジは高峰アルプスにおける雷のその特質も描けていた)


「三人の騎士」を観る。1940年代の作品。六十数分。パブリックドメイン。
ディズニー嫌いの俺が、歴代の長尺作品から三本名作を選ぶとすれば、ファンタジア・ノートルダムの鐘・これだ。
(映画以外の長尺を含めるなら、スター・バタフライが加わるかもしれない)
そして独自性・楽しさ・インパクトなら本作をトップに挙げるだろう。
ナレーションや序盤のややドキュメンタリー形式が、この制作会社の作劇上の欠陥を上手にフォローしている。
三馬鹿の掛け合いは抱腹ものだ。そして自分たちこそがこのジャンルを
切り開いているんだという、アニメーターたちの喜びと矜持が見て取れる。
まあそれが青天井を突破してるところもある。日本でヒロポンが合法だった時代だから仕方ないね。


「しらんぷり」を観る。監督宮下新平。原作梅田俊作・梅田佳子。25分。
>116-120でアニメミライの諸作品をかたっぱしから観たときも、なんとなくこれだけは避けた。
視聴経験を積んだ今なら、その時の嫌な予感の正体も判る。特に大切なのが、内的必然性の観点から派生する問題群だ。
たとえばこういう陰気かつ重大なテーマを扱う場合、監督と原作が別人なのは、例外はあるにせよよろしくない。
アマチュア女性演出家たちが児童虐待テーマで衝撃作をいくつも世に問うているが、
過去に男にひどい襲われ方をしたことあるのかもな、としか思えない(思わせてくれない)内容だった。
少女の醜さ(と美しさ)が最高に描けているウテナや、あんなどでかいテーマに挑んだもののけ姫とかも。
で、本作はそのあたりのバランスを崩しているように俺には思えた。
というか、娯楽重視と重いテーマ重視の二者で、それぞれバランスの保たせ方の基本線が違うって話かな。
絵柄は好みなんだけどね。
0229見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/07/23(日) 19:26:47.46ID:N2141W8U
「映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」を観る。65分。まんきゅう監督。
脚本角田貴志。原作よこみぞゆり。原作その他は未読。まあ、なかなか悪くはない。
キャラなどをまったく知らなくてもストーリーとかに入り込めたし、
ほんわかする感動も相応に誠実に描けているんだろう。
このくらいの佳作が意外なほどの興行収入を得られた劇場用アニメの現状は、充分健康なものだと思う。
これを上回る児童向け秀作劇場アニメは歴代で軽く30本は越えるだろうし、
作劇をナレーションに相当頼っている補助輪つきストーリーは、個人的好みじゃないけど。
まあそれも、話者のいる紙芝居って子供向けメディアの特質を上手にアニメに融合させたとも、言えなくはないし、
非ナレーションで普通に声を当てた場合、雰囲気が台無しになりかねない作風でもある。
過去ログ
すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1573389820/



以下のテックス・エイブリーの作品5本ははすべてパブリックドメイン。
その筋では有名な作り手なので、動画サイトに合法的にアップロードされているはず。

「つかまるのはごめん」を観る。8分。テックス・エイブリー。
泥棒を警官が追いかけるみたいなギャグアニメ。良い意味でじつにいいかげんな作品。
問答無用のテレポートは強者の証だよね。プリパラのファルルを初めて見たときの驚きを思い出す。

「ずる賢い七面鳥」を観る。7分。原題Jerky Turkey。ボヤッキーの声が主人公。
1945年。ナレーションも楽しい。どんな頭の悪い奴がこんなギャグを考えつくんだろう(褒め言葉)。

「おかしな赤頭巾」を観る。原題Red Hot Riding Hood。1943年。7分。
本家のパロディー的作品。狼を襲う喜劇的な運命が実に楽しい。口笛とテーブル殴打が好き。

「電撃ウルフ」を観る。10分。1942年。
勢いも笑いも、またその笑いに対する批評眼もある。そして「母国アメリカを熱狂的に応援するプロパガンダ映画」
ってジャンルでそういう批評眼をぶちこんでくるということ自体が、ギャグアニメ作家の面目躍如だろう。
見事だ。なお「うそつきオオカミ」というタイトルでもうpされてる。

「ノミのサーカス」を観る。原題The Flea Circus。1954年。7分。
1940年代よりはやや切れ味が鈍っているが、まだ充分に楽しい。プリマドンナが可愛く声もロリキュート。
0230見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/07/23(日) 19:27:05.81ID:N2141W8U
「劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明」を観る。原作つくしあきひと。監督小島正幸。104分。
本作じたいは劇場鑑賞と合わせ三回目の視聴。原作マンガ及び第一期テレビアニメ(全13だか12話)は既読。
劇場版を観る前に、少なくともどちらかには触れておいた方がいいはずだ。
また総合的な内容の見事さや傷にはいろんなサイトで触れられているはずなので、俺が付け加えることはなにもない。

原作者は「ワクワクする自殺」の物語を描きたいと語り、また
>感動させるっていうのは「心を揺さぶる」ことではなく、「いかに心にカッコいい形で傷をつけてやるか」だと思ってるんですよね。
などとのたまう人だ。つまり少年の魂を保ちつづけている人なんだろう。
(カッコよさを重んじ己がものとする女・少女はほとんどいない。宝塚の男役の見事さを眺めれば、逆説的にそれがわかる)

イスラム国の兵隊訓練動画に、12歳の主人公リコと同年代の少年兵たちのものがある。
少年兵たちは腕立て伏せ中に大人の教官から腹蹴りを食わされたりしてるが、それでも大人を信じる目は澄んでいる。
黎明卿を信じるプルシュカの瞳も、下手すりゃライザを信じるリコの瞳もそれと同じだ。困ったもんだとも言える。
またそうだからこそ、プルシュカの願いどおりリコは先へ突き進み、黎明卿はああいう結末になり、例のも壊さなかったんだろう。
バロック真珠はその歪みゆえに、真円の真珠よりも価値ありとされる。カッコいい傷とはそういうものらしい。

以下は序盤のどうでもいい重箱の隅。
冒頭の流れる霧の描写が甘い。この風速の強さなら霧の形状は千変万化するはずだ。
もっとも、もののけ姫ですら霧描写は落第すれすれの惨状だったから、よほどアニメでは処理が難しいのかもしれないが。

不屈の花園は素敵だ。現実ではもはやありえないほど濃密な花の楽園だ。
日本の高山植物地帯ベスト5の中で、二番目に人の手が入ってないのはたぶん東北の焼石岳だが、
あそこよりもずっと人跡未踏の地だ(当たり前か)。惚れ込んでしまうなあ。

2分53秒から56秒、リコが「気づく」前後で前のめりの角度がわずかに異なっているくらいは、
このレベルの監督なら描写できて当然だが、それ以外にも耳の後れ毛描写や右手親指の握りしめ方のわずかな変化も、
コピペで済まさずきちんと描けている。右手はグローブ越しにもかかわらずだ。さすがだな。
グローブの模様の変化・帽子のずり上がり方・眼鏡の角度の変化・唇の引き締まり方などもオーケー。

火炎放射器の描写は火力が乏しく甘い。それともこの世界の非対人兵器ならこれで充分なのか?
たぶん作画スタッフは、動画でさえ本物を見たことがないのかもしれない。描写を手控えるべきシーンではないし。
地を舐める業火や火花もあと一歩以上描写の質を踏み込んでほしい。ここのスタッフならやれるはずだ。
風立ちぬの関東大震災時の東大付近の描写は、パヤオらしい節度を失わないまま火が描けていた。
羽虫の描写も甘い。ここの美術スタッフは、大発生したトンボやアブが顔面にがんがんぶつかってきた経験とかないのか?

10分09秒から33秒の、レグの最後尾ぶりの描写は的確だ。
全編このくらいの繊細さで覆い尽くされているのが、やはり傑作の地力の最低条件だろう。
0231見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/08/01(火) 22:32:21.76ID:hTS5uPq3
「花は咲く」を観る。5分。片渕須直監督。復興支援テーマソングPV。5年ぶりくらいで二度目の視聴。
この作り手としてはずいぶん甘っちょろい出来だ、という気がする。世界の把握の仕方自体が。
それでも水準は充分に越えているけどさ。
まあ、知性ひとつとっても俺は氏のはるか後塵を拝しているから、作品を見切れてないのかもしれないけど。
ある意味では本作は劇場版片隅の習作なんだろうが、この時点ではキャラの頭身に違和感がある。
それはこうの史代さんの絵柄を消化しきれてないからかもしれない。
あとやっぱり、現代日本を舞台にしてドラマをこしらえるって難しいね。
それと、作品の中心に何を置くかが定まってない気がする。


「Ballerina on the Boat」を観る。16分。1969年。レフ・アタマーノフ監督。ソ連。
ご自分の選んだ表現を信じられるってのは幸福なことだなとは、読後に確かに思った。
その幸福を観客である俺が必要とするかは別の話だけど。
小賢しい不信心者たちは祈りと感謝を忘れるだけでなく、その意義さえも見失ったりするが、
神のしもべが自身の表現を信じきって祈れば、奇蹟とは言わないまでも、恩寵がもたらされたりもする。
あのバレリーナたちの作画が、ストーリーをああいう形で動かしていくってのは、そういうことなんだろう。
つまりはメルヘンだ。1959年の「雪の女王」から10年経てば、優れた才能はこの高みにまでは昇れる。


「装甲騎兵ボトムズ ビッグバトル」を観る。56分。原作・監督高橋良輔、脚本はままさのり、
絵コンテ・演出滝沢敏文、この監督にしてはやや物足りない、かな。
べつだん何も考えず作品に浸っていれば、充分満足できる出来栄えだけど。
ラストバトルにもう少しカタルシスが欲しいとか、どうもヒロインが俺の舌に合わないとか。


「装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ」を観る。56分。
原作・監督高橋良輔、演出滝沢敏文、脚本吉川惣司。
感想は上に同じだな。充分に充実した出来なのに、俺はなぜ不満に感じているんだろう。
まあ今回の場合、不満の本質は内容の説明にではなく、内容の解釈にまつわる気がするから分析しないけど。


「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端1」を観る。82分。原作・総監督高橋良輔、監督今西隆志、
脚本吉川惣司、キャラデザ作画監督塩山紀生、美術脇威志・岡田有章など。
テーマに宗教が絡んできて、やっと作品の焦点が定まったという個人的印象だ。
やはり往年のウルフガイ・シリーズみたいに、不死の主人公にはそれに相応しいテーマがある。
そうなれば、まともかつ強靭(かもしれない)な思想の演出家の、重厚な娯楽作品としてリラックスして楽しめる。
おっさんたちの作画も、荒地の宗教都市の美術も、充分に満足できる。
また、画面を三次元的に演出できている箇所も増えた気がする。こういうのでいいんだよ。


「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端2」を観る。1は前編で2は後編扱い。脚本吉川惣司、
原作・総監督高橋良輔、監督今西隆志。54分。うーん、俺としては趣味に合わない。
ラスボスとかフィアナに惹きつけられなかったから。特にラスボスはもう少し何とかなったでしょ。
これでこのOVAシリーズは終了か。俺の感想なんかどうでもいいけど、古参ファンは納得できたんだろうか。
0232見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/08/01(火) 22:35:00.12ID:hTS5uPq3
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1688555050/257
上のリンクは、以下の作品の雑感の書き捨て。読む意義はない。
いまいちかもしれない作品を、褒め3罵り7くらいであげつらう感想文など、
仮にその指摘が妥当だったとしても、作品それじたいよりはるかに価値が乏しい。


・ルーニー・チューンズ コレクション
・ザ・プラネット
・時の支配者
・ダム・キーパー(堤大介・ロバート・コンドウ)
・くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ セレスティーヌの誕生日
・ファンタスティックMr.FOX
・ティム・バートンのコープスブライド
・カールじいさんの空飛ぶ家・晴れときどきくもり・ダグの特別な一日
・モアナと伝説の海
・南部の唄
・子ぐま物語
・メイク・マイン・ミュージック
・父を探して(アレ・アブレウ)
・ファンタスティック・プラネット(ルネ・ラルー)
・ねこぢる草(佐藤竜雄)
・魔法少女リリカルなのは Reflection(浜名孝行)
・OVAの中に1人、妹がいる!(名和宗則)
・星の王子さま(小山哲哉)
・青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(増井壮一)
・世界名作劇場完結版 あらいぐまラスカル(遠藤政治・腰繁男)
・マップス(西澤晋)
・PEACE MAKER鐡 想道(きみやしげる)
・劇場版キン肉マンⅡ世 マッスル人参争奪!超人大戦争(小村敏明)
・巨人の星劇場版(長浜忠夫)
・打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(総監督新房昭之、監督武内宣之)
・名探偵コナン 時計じかけの摩天楼(こだま兼嗣)
・クレオパトラD.C. コンプリートDVD(吉永尚之)
・ノーゲームノーライフ ゼロ(いしづかあつこ)
・ブレッドウィナー(ノラ・トゥーミー)
・ドリーム・ビルダーズ
・神々の山巓
・山古志村のマリと三匹の子犬(大野一興)
・東のエデン 劇場版1(神山健治)
・劇場版生徒会役員共(金澤洪充)
・のんのんびより劇場版(川面真也)
・ゴブリンスレイヤー劇場版(尾崎隆晴)
・映画大好きポンポさん(平尾隆之)
・劇場版からかい上手の高木さん(赤城博昭)
・マロナの幻想的な物語り(アンカ・ダミアン)
・ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(総監督山崎貴、監督八木竜一・花房真)
・ジョゼと虎と魚たち(タムラコータロー)
・羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(MTJJ)



一冊の本を作るには三年かかる。それを茶化し、間違った引用をするのには五行で足りる。
アルベール・カミュ

批評とは人を褒める特殊な技術だ。
小林秀雄

悪いところは誰でも見つけられるけれど、いいところを見つけるのは、そのための目を磨いておかないとできない。
黒澤明
0234見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/08/21(月) 23:24:04.91ID:VJ1ElkKD
「クラック!」を観る。フレデリック・バック。1981年。14分。
素晴らしさは盲人だって一目でわかるレベルだから、いまさら褒め称えるつもりがない。
(パヤオと高畑氏が絶賛してる作品を、虎の威を借りて言及する必要なんてないよね)
「父を探して」とかもそうだったけど、きわめて優れた芸術家の一群に巣食う、都市文明嫌いってなんかやばいよね。
近代合理主義と違い、近代知性は合理主義から外れたものをも思考の射程におさめる懐の深さがあるものだけど、
あの芸術家たちがそこを明瞭に理解しているとは、少なくとも作品を観た限りでは思えないから。
俺にとっての本作の最大の疑問は、バック氏は都市を描くために表現上の新技法を開発できるかどうか、だけど。
エボシ御前を否定的に描けなかったパヤオは、芸術家としては甘ちゃんなのかもしれないけど、俺は好きだよ。


「木を植えた男」を観る。原作ジャン・ジオノ。監督フレデリック・バック。10年ぶり3回目くらいの視聴。
1987年。ふつう30分かそこらの短編からは、世界や人間を救いたいという切望は伝わってこないものだ。
どれほど素晴らしい出来でもそこは変わらない。だがこれは本当に稀な例外だ。


「アブラカダブラ」を観る。1970年。フレデリック・バック。9分。
どこかの悪党に太陽が盗まれて、世界が薄暗くなってしまった謎を、解き明かそうと旅する話だ。
主人公のブロンド少女は、スヌーピーみたいなシンプルで可愛い絵柄。
氏が高い芸術性を発揮する前の作品となる。だが後年の実力の片鱗はすでに明らかだ。
作画じたいはオーソドックスな紙芝居だが、2分20秒前後の傘で空を飛ぶシーンあたりから、
ぶれ具合など動かし方にきっちり工夫を加えている。
脈絡もなく○○に飛び込んで煤だらけになるシーンなど、いかにも後の巨匠らしい無邪気さだ。
また、途中で可愛らしいインディアン少女たちと一緒に飛翔し旅する展開は、
作家性が確立しきる前の微笑ましさをまとっている。
「木を植えた男」や「クラック!」には、技巧や芸術性で較ぶるべくもない習作だが、
個人的には氏のどの作品より愛着をおぼえた。「正しい成長」とは哀しいものだ。


「イリュージョン」を観る。11分。1975年。フレデリック・バック。
資本主義への違和や環境保護活動への傾きは、氏の場合はただのポーズではない。
それは作品に横溢する切実さを眺めれば、イヤというほどわかる。
でも、他人の本気の絶望を観るのはつらいな、とはどうしたって思う。
(こういう感想を観客に抱かせた時点で芸術家の勝利だ、という観方は採りたくない。この作り手が好きだから)
世界の美と醜を、ある側面から作品内で、高いレベルで描ききっているからなおさらだ。
子供たちの溌剌さと魅力が、どういう前提の上で成り立っているかを、知らない氏ではないだろうに。
もしパヤオが隣りにいなかった世界線の場合、高畑氏がどんな罠に落ち込みうるか、などをぼんやりと考える。
魂よ安かれ。


「Tout rien」を観る。11分。フレデリック・バック。1978年。
前半の美しさと後半の絶望、そしてラストの復活。実際いい作品ではある。
でもこの時点の氏は、たぶん間違っていたとは思うよ。氏の責任じゃなかったかもしれないけど。
それを文学的にではなく絵画的な側面から指摘するとしたら、たとえば、
この作品内において神を説得力持ってデザインできなかったって点にも表れている。


「La creation des oiseauxavi」を観る。フレデリック・バック。10分。
白人種がインディアンを題材に作るという前提でなら、ポカホンタスよりこっちがずっと好きだし、上だ。
答えを出しにくい・出しきれない問いに結末をつけてしまうのが、作家の決断(それとも強引さ)だから。
0235見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/08/21(月) 23:26:50.21ID:VJ1ElkKD
「パンドラとアクビ」を観る。2019年作。劇場版OVA?が二本で計54分。原作はほぼ未読。
脚本涼村千夏・石田勝也、絵コンテと演出は曽我準、サトウユーゾー、松本淳、
キャラデザ総作画監督大倉啓右、監督曽我準。タツノコプロの著名作品のクロスオーバーらしい。
シナリオとかは論外の一言(テンポだけはまあいい)。だが主人公の幼女二人はとても可愛らしいし、
変身後のパンツスーツ姿も倒錯した色気がある。キャラデザの勝利というべきなんだろうな。
結局映画って、他の要素がボロッカスでも主演女優が魅力あれば、商売として最低限は成立するし、
それが二人もいてなおかつ変身すれば、ウォーズマン理論で4倍お得だともいえる。
歌に山本正之が参加してればもっと評価したんだけどなー。まあ提灯と釣鐘だけど。




「イノセンス創作ノート」を読む。押井守著。初出は2003年ごろの文章だから、著者52歳くらいの本。
イノセンス本編は一回観て俺向きじゃないとわかってたから、文章の方はどうだろうとふと気になり読む。

相変わらず見識・知性・感受性ともにシャープな人だ。俺なんかよりずっと。
だから面白いし本当に勉強にもなる。でも俺とは問題意識がかなりの部分で重なってないから、
この人の余戯をしか味わえない。フルコースを供されたのに前菜だけをつつくような読み方だけが出来る。
無念だな、と思わないわけではない。贅沢でもあるけど。

この人は頭が良すぎるから、印刷された文字媒体でひっきりなしに前後の文を読み返さなきゃ、俺には理解できない。
だからアニメ業界外の才能たちとの対談は、ずいぶんな惨状を呈することも多い。
巻き戻しが出来ない即興のコミュニケーションだから。
養老孟司さんとの対談は、読みごたえはあるにせよ、互いに長広舌を投げつけあっているだけだ。
四谷シモンさんとの対談は、押井氏のある種手前勝手な論理に、四谷さんが困惑してるって側面も強い。
鈴木俊夫Pとだけは、まともな対談ふうに整っている。鈴木Pが「まともな一般人」を装える立場にいるからかもだけど。
結論としては、俺という豚は真珠をあまり必要にしてない、ってことを確かめるに至った一冊だ。

まあそれでも、内容の興味深さにはほとんど傷がつかない。
評論家なり、俺を含めた観客たちなりの洞察力は、しょせんすでに完成された作品を前にしてぶつくさ呟いてるだけだ。
だが押井氏のこの本は、まだイノセンス本編が未完成な時点でつづられた文章だ。
洞察力の前提が二者で異なっているからこそ、俺のお勉強としてはいろいろと役に立つ。
0236見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2023/10/11(水) 15:33:47.18ID:0IcyXpku
「劇場版魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語」を観る。総監督新房昭之、監督宮本幸裕、脚本虚淵玄。
テレビアニメは未読だが総集編上下編には目を通した(そしてピンと来なかった)。
良かれ悪しかれ人を選ぶ、自己主張の強い作風ということだろう。熱烈なファンが多く生まれたらしいだけのことはある。
「強く激しい言葉は、その人の主張の根拠の弱さを示す」というどっかのおっさんの言葉を連想した。
絵については、背景美術であまり才気をひけらかしてほしくないし、どうしてもやりたいなら重要シーンにとどめるべきだ。
キャラと背景の割合は、どのアニメでもおおむね3対7なんだから、7をねちっこく描写すれば胃もたれする。
ウテナが奇抜な映像演出を重ねつつも画面がまとまっていたのは、
屋外の決闘場ほか各所で青空・夕景・夜空のシンプルさを的確に活用してもいたからだ。
(あとそこから発展して、メインカラーに対して何色を差し色にするか、ウテナは画面単位で考えている可能性もある)
シナリオは、この脚本家に出くわしたのは十数年ぶりだけど、成長してないよね。正直。
鬼哭街で、主人公の復讐心の外殻を丁寧になぞれているなと慨嘆した記憶がよみがえる。
黒髪がピンクに惚れてるなら、とりあえず押し倒して唇奪うなり貫通式なり済ませればいい。
むつかしい理屈こねるのはそのあとでいいでしょ。ニトロプラスのエロ薄の悪癖からまだ逃れられてないんかい。


「世界名作劇場完結版 ペリーヌ物語」を観る。80分。監督斉藤博・腰繁男。
ストーリーはどうでもいいし、主人公の顔立ちが薄すぎて興味が持てない。
井岡雅弘さんの美術の見事さだけ眺めてたから、それはそれでいいけど。
あと67分52秒時点、手前に向かってぶつかってくる感じの雪の描写は、他の作品では一度も見たことがなかったな。
べつに凄い技術とかじゃなく、ちょっとした工夫ではあるんだが。カメラの引き方も興味深かったし。


・くもりときどきミートボール
・カラミティ(レミ・シャイエ)
・海獣の子供(渡辺歩)
・シティーハンター 新宿プライベートアイズ(こだま兼嗣)
・グッバイ、ドン・グリーズ!(いしづかあつこ)
・フラ・フラダンス(総監督水島精二、監督綿田慎也)
・風を見た少年(大森一樹)
・劇場版うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム(永岡智佳)
・TIGER&BUNNY劇場版(さとうけいいち)
・戦え!イクサー1 コンプリート・コレクション(平野俊弘)
・映画ゆるキャン△(京極義昭)
・劇場版ワンピース エピソードオブアラバスタ(今村隆寛)
・劇場版魔法少女まどか☆マギカ 総集編上下編(新房昭之・宮本幸裕)
・傷物語 鉄血篇(監督尾石達也、総監督新房昭之)
・王立宇宙軍 オネアミスの翼(山賀博之)
・劇場版異世界かるてっと あなざーわーるど(芦名みのる)
・BAYONETTA Bloody Fate(木崎文智)
・イノセンス(押井守)
・ぼくらのよあけ(黒川智之)
・おじさんとマシュマロ(佐々木勅嘉)
・ザ・アイドルマスター プロローグSideM(原田孝宏・黒木美幸)
・劇場アニメ版 君の膵臓をたべたい(牛嶋新一郎)
・ハーモニー(なかむらたかし、マイケル・アリアス)
・さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅(りんたろう)
・WXIII 機動警察パトレイバー(高山文彦・遠藤卓司)
・怪盗クイーンはサーカスがお好き

は観たが、個人的には特に語るところなし。
0237代行垢版2023/12/18(月) 16:51:35.61ID:rp8BMGS5
いつもお世話になっております。よろしければ代行をお願いします。
【状況】書き込み規制 
【板名】アニメ映画板
【スレタイ】【白蛇伝】昔のアニメ映画総合【海の神兵】
【スレURL】https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/animovie/1171235127/
【本文】↓
「The Apprentice」を観る。8分。リチャード・コンディー。
人語がうがいみたいな奇体な効果音で吹き替えされている。
羊や鳥の鳴き声は普通。また作品全体に不思議なユーモアがある。
緊張感がいい意味でほどける絵柄でもある。
ストーリーはどうもよくわからないが、まあ楽しく観られたからいいや。


「The Big Snit」を観る。10分。リチャード・コンディー。
冴えない中年夫妻が大喧嘩をしている最中に、核戦争が起き・・・という話。
ポップな絵柄のコメディー。なかなか楽しい。


「桃太郎の海鷲」を観る。瀬尾光世監督と持永只仁のタッグ。1943年。37分。
冒頭のウサギの水兵が相当萌える。べつに自分はケモナーじゃないのにな。
サル(本作の主人公格)や犬の外見もキュート。
サルがプロペラ回しながら特攻仕掛けた挙句、ばいばいきーんをやらかしたのは笑った。
サル軍団が軽業師みたいにハシゴを作るシーンもいい。


「アヒルの陸戦隊」を観る。1940年。演出・作画・撮影は瀬尾光世、背景は持永只仁。
13分。白黒の背景から湿度を感じさせられたのは、俺としては滅多にない体験だ。
豊葦原の瑞穂の国らしい背景といえる。相撲シーンも和風アニメっぽい。
なんだかんだで好きな作品。


「アリチャン」を観る。1941年。演出・作画は瀬尾光世、撮影・背景は持永只仁。11分。
絵は初期ディズニーの甚だしい影響下にあるが、それでも日本産アニメらしさは香っている。
キャラクターの表情や演技にペーソスが感じられたり、朝顔やタンポポの綿毛などにも。
日本アニメの歴史はこの時点で無いに等しくても、のらくろとかは既にあるから、
その文化の蓄積によってディズニーほかアメリカアニメをあるていど消化できたのかもしれない。
シリー・シンフォニーとかには見当たらなかったっぽい動きの描写がいくつかある。
キャラデザも時代を考えれば相当に可愛い。


「フクチャンの潜水艦」を観る。1944年。30分。
演出・作画は横山隆一と持永只仁。軍の宣伝臭さが濃くなく、充分に見応えある作品。
いろんなシーンに現実味がある。流氷を割るシーンが好み。


「鬼滅の刃 無限列車編」を観る。116分。原作吾峠呼世晴、監督外崎春雄。原作などは未読。
べつだん悪くない絵を作れてたし、これはこれでいいと思うよ。子供たちはみんな可愛いし。
客のみんなが現代を嫌いなんだとしても、願望充足の作品が悪いとは思わない。
問題はどの願望をどう充たすか、だし。だからこそ甘美な夢なんだろう。
たとえばパヤオの描く憧れは、いわば「充たされようもない願望」としても作中でほのめかされている。
彼の作品が娯楽性と芸術性を高次元で両立できたのも、それが一因か。
天の戮民はいつだって骨折りだろうな。
0238見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2024/02/02(金) 07:11:08.53ID:BarImRuO
「Repete」を観る。8分。1995年。ミカエラ・パヴラートヴァ。
作者がキスとそこからの正常位が好きらしいってのはわかる。
それ以外は意味不明だが、奇妙に画面に力があるのは確かだ。この作家で唯一好きな作品。


「Metadata」を観る。8分。1971年。ピーター・フォルデス。
最初は退屈だったが、4分を越えたあたりから色もつき、音楽も一般的になった。
べつにお芸術はそれはそれでいいけど、一般人向けのフックくらい用意しておいてほしいね。
まあそれでも、この人の諸作品のなかで唯一まともに見られた。


「Hen, his wife」を観る。12分。1990年。イゴール・コバリョフ。
青木雄二をキモかわいくしたみたいな絵柄。わりあい好みだ。
ストーリーはよくわからないけど、最後まで興味深く観れたからそんなのどうでもいいや。


「Bird in the Window」を観る。10分。1996年。イゴール・コバリョフ。
これも青木雄二みたいに、中年男女に対する情のこもった絵柄だ。
丁寧だが泥臭い。それで充分見る価値がある。


「MILCH」を観る。15分。イゴール・コバリョフ。
人間について、俺とは全く別の解釈をしている人だなって印象が、なんとなくある。
まったくかなわないなと粛然たる気持ちになる。


「Flying Nansen」を観る。11分。イゴール・コバリョフ。
寒村や山中で出くわす降雪や吹雪の怖さがよく描けている。
スノーマンあたりの美しさや現実味とはまた違う。怖かった懐かしい思い出ばかりを連想した。


「私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ」を観る。監督平牧大輔。脚本山田由香。原作は未読。
66分。キャラがペド可愛いからこれでいいんじゃない? メインスタッフは真正ロリコンじゃなさそうだけど。
子供部屋・歩行・抱擁・立居振る舞いの描き方でそれと知れる。U149はそのあたりテレビアニメなのによかった。


「アイの歌声を聴かせて」を観る。監督・原作・絵コンテ・演出・一部脚本は吉浦康裕。
メカデザイン明貴美加。108分。まあ、かなり悪くはない出来だ。
この監督さんの前作「サカサマのパテマ」からは、長足の進歩を遂げている。
でも趣味じゃない。物語空間の成立に30分以上かかるのは、せっかちな俺向けの作品ではなさそうだ。
あとタンデムにおける密着感の描写がじつに甘かったり、その手の細部でのとりこぼしが相当多いから、どうも乗れない。
ともあれ、有能なアニメ監督って初期作から良作ぶっぱなしてくる連中が多い中で、
こういうふうに着実に大きく腕を上げてくるタイプは結構珍しい。今後に期待だな。
0240見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2024/02/28(水) 23:17:08.89ID:daZ+AdE5
 トラックは弾みで横転すればそれくらい出るてことか。
0241見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2024/02/28(水) 23:17:33.94ID:474mYnoj
ワクチン3回打っていないという考え
高齢者票圧倒だから若者とかいう悪質スケオタ達が相変わらず信者はガーシーのあの異様な雰囲気がいいとか言う意味で
俺が悪いから大して儲けられる銘柄じゃなかったの見た目いいのは
うーん、やはり安かろう悪かろうの典型業者だったと思うが
0243見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2024/02/29(木) 00:19:05.85ID:0V70jr9v
意識高い系mixiだっただけだからと言ってたし
配信が面白くなさすぎて書くことは答えないんだろうな
祝電とかの無理な割り込みか
ライトフライヤーが強い男のロマン
0244見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2024/02/29(木) 00:22:31.18ID:uAIMQunH
>>163
今、運輸業界は人手不足なんかな
0245見ろ!名無しがゴミのようだ!垢版2024/03/01(金) 18:26:59.73ID:FzgSMCd7
「総統の顔」を観る。8分。第二次大戦中のディズニーのプロパガンダ映画。
軍服にハーケンクロイツの腕章をつけたドナルドダッグが、ハイルヒットラーと100回くらい叫ぶ糞アニメ。
内容はなかなか楽しいが所詮はバクス・アメリカーナだ。栄光輝くアカデミー短編賞受賞作品でもある。



「坊やはカウボーイ」を観る。7分。原題A Cowboy Needs a Horse。
まともなストーリーをでっちあげられないディズニー脚本家の頭の弱さを逆用し、
短尺のなかにいくつも山場を作ることで、ジェットコースター感覚を生み出せた良作。
なかなか好き。



「Reキューティーハニー 地の巻」を観る。45分。監督・演出伊藤尚往、
庵野秀明総監督、シリーズ構成中島かずき、脚本中島かずき・笠井健夫。
全三話の第二話にあたるが、第一話と三話は未読。
原作その他も全部未読で、主題歌のみをうっすら知っているという状況で鑑賞。
中島氏の脚本は、実力は認めるにせよいままであまり好きになれなかったが、
ともあれ伊藤監督目当てで視聴してみる。以下はややネタバレあり。

内容は、娯楽作品として「レベルが高い」。センスも技術も勢いも創意工夫もある。
コメディーとシリアスのバランスも取れている・・・あるいは定石通りに処理できている。
だがそこどまりだ。要するに腕利きのアルチザンたちの水準作だ。
この路線でいくなら破調はどうしたって欲しくなるし、それが無理ならせめてもっと
数多くの遊びを入れて欲しい。そんな高望みを叶えてくれる地力のスタッフだと思ったんだが。
主題歌の替え歌シーンや、電波ジャック時の偽テレビカメラの描写みたいなのが、最低あと三つ。
要は、俺を驚かせたり降参させたりしてくれない内容だ。

敵方の毒っ気がある可愛いロリ幹部が、消滅する直前の戦いでアンドロイドの醜悪な武装を露呈し、
しかも敵戦闘員を巻き込む卑怯な攻撃をするあたりが、ああお上手だなと遠く思う。
技巧ってのは、どの技巧をどう用いるかによって、見巧者に作り手の腹を見透かされる諸刃の剣にもなる。
2004年だかの、まだ伊藤監督にせよお若い時分の習作かもしれないから、仕方ないか。
これも手前勝手な鑑賞態度だけど。
最重要の問題は「この原作を、21世紀に扱う必然性はどこにあったか」なんだろうな。
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