【「山口組三国志」のこれから】
週刊現代(4)

また盆暮れの贈答は一切なし、織田代表の誕生祝いはしない。
経費がかかるから組本部事務所は置かず、幹部が持つ既存の組事務所を活用する。
同様の理由で他団体との交際は個人でやることはあっても、団体としては行わない。
当分の間、組長は置かず、したがって現状、諸悪の根源になっている親子盃もしない。織田は組長ではなく、単なる代表に留まる。

〈10年後の覇者は誰か〉

本部事務所がないから、傘下団体の組員による当番もない。組員は1日1回、組事務所に連絡のことといった縛りは掛けず、ガチガチの管理は退ける。
ヤクザだから、服装は自由に。たとえ何かの式であっても、黒の上下にワイシャツといった決まり切った服装でなくてよい。
カラーシャツも、掛けたければサングラスも、染めたければ茶髪も、OKと徹底している。
この辺りは織田代表の年齢も関係していよう。
彼は51歳、司忍組長は75歳、高山清司若頭は70歳、井上邦雄組長は69歳である。織田代表は他の三人に比べおおよそ20年、一世代分若い。
考えてもみてほしい。10年後、司や高山、井上は生物的に生命はあっても、おそらく社会的な役割は果たせていまい。
三国志で誰が勝つか考えるとき、年齢は見逃せないポイントである。
また現有の組員数も勝敗の重要な要因になる。
六代目、神戸、任侠の順で数が少なくなることは当然だが、三派間の移動が激しく、正確な数は掴みにくい。
趨勢でいえば、六代目やや増、神戸減、任侠増といった感じだろう。と同時に、単に組から蒸発する音信不通者も増えている。